以前「トリマーの人間関係」についての記事を書きましたが、人間関係のなかでもっとも悩ましいことは、やはり「いじめ問題」なのではないでしょうか。
今回の記事では、末恐ろしいトリマー業界の「いじめ」に焦点をあて、現役トリマーが回避方法を伝授いたします。

トリマー業界のいじめ
いじめはなぜ存在すると思いますか?人間が集団行動をする上で、必ず起こる出来事ですよね。人は、自分と違う生き物を疎外しようとする習性があります。なぜなら、危機感を感じるからです。
そして、もう一つの原因は「ストレス」です。強いストレス環境化は必ずいじめを生みます。トリマー業界にも、残念ながら“いじめ”は存在します。トリマー業界に限らず、どこの職場でもありますよね。
トリマーは心身ともに疲弊する仕事です。ストレスも多いもの。ストレスが多いということは、人を攻撃的にし、どこかへ、はけ口を探そうとするのです。
攻撃することで、心の安定を保っているのです。誰が悪いとか、何がいけないとか、正義や正論は人によって違います。いじめは簡単に解決することが難しく、とても深刻な問題なのです。
では、トリマー内での「いじめ」とは、どのようなことがあるのでしょうか?いくつか、例にあげてご紹介します。
いじめの種類
ケース1:【八つ当たり】
女性はホルモンバランスが崩れて、つい苛立ってしまうことがあります。自分の意思とは裏腹に、人に強くあたってしまうのです。
女性に限らず、虫の居所が悪いときは誰にだってありますよね。そんな時に、他の人が失敗したり、段取り通り業務をこなすことができなかったら、怒りをぶつけたくなります。
“優しい人”や、“あまり自己主張しないおとなしい人”はターゲットになりやすいです。私の経験上、「新入りの人」はターゲットになる可能性が非常に高いです。
教えなければならない事が多く、覚えが遅い人に強く当たる傾向があります。一番言いやすいのかもしれませんね。
ケース2:【感情的になって、自分でもわけがわからない】
犬が落ち着きなく、「思うようなカットができない場合」や、「時間がなく切羽詰まっている時」に、感情的になって、人に対しても同じテンションで接する人がいます。
要するに“切り替えがうまくいかない人”です。自分でも、視野が狭くなっていることに気づいていないのです。
ケース3:【ねたみ】
トリマー歴が浅い人でも、生まれ持った才能で抜群にカット技術が上手な人が存在します。センスが良いのでしょうね。人柄も良く、お客さんや犬からも人気がある人はいます。
そういう恵まれた人は、ねたみの対象になるものです。センスの塊に嫉妬し、自分にないものを羨ましく思うのでしょう。
「自分は努力しているのにどうして?」「またお客さんと楽しそうに話している…」「一向に上手くならないのに、どうしてあの人は…」
切磋琢磨しながら、接客方法や技術向上を目指せばいいものの、ネガティブな感情がわいてくるのではないでしょうか。
ケース4:【給料の差】
頑張りを正当に判断されればいいのですが、努力した結果が反映されないとがっかりしますよね。同じ業務内容をこなしているのに、給料の差があるとモチベーションもさがります。
給料は他人に知られることはありませんが、ふとした会話の中でバレてしまうこともあります。
いじめの回避方法
ケース1:「聞き流すか」「あえて明るく接するか」「新しく人が入ってくるのを待つ」などの対策が必要
スタッフに相談して、協力してもらうのも一つの方法です。複数で反発したら、意外とひるんでしまうかも。
また、いじめる側はプライドが高い傾向があるため、反発されたことが気に障り、自ら辞める可能性もありますね。
ケース2:しばらく時間をおくとケロっと直ることがあるので様子を見る
気分の浮き沈みが激しいお天気屋さんです。一時的に距離を保つようにしましょう。
ケース3:負の感情に対して負で返してはダメ。まずは歩み寄りましょう
それでもダメなら、上の立場の人に相談してください。オーナー(院長)は、人間関係を円滑にすることも業務の一つです。
もし解決しなければ、勇気を出して、次の職場を見つけましょう。トップの考えが変わらない限り、現場も変わりません。
ケース4:軽はずみな会話はしないし、聞かないほうが身のためです。お金の問題は非常にデリケート
噂話にも耳を傾けないようにしましょう。うっかり聞いてしまう状況になったら、身を動かして移動して下さい。

いじめにあわないためには?
いじめからの回避方法がわかったら、次は、今後いじめにあわないためにはどのようにすればいいのかを考えます。
まずは、「いじめる側」と「いじめられる側」の心理についてです。具体的にどこが違うのでしょうか?いくつか特徴をお伝えします。
いじめる側
(1)自己評価が高い。
(2)愛情不足
(3)プライドが高く小心者
いじめられる側
(1)自己評価が低い
(2)ネガティブで自分の意見がない
(3)優しすぎる
いじめる側は自信家だけど、臆病なイメージがあります。いじめられる側は、優しいけど、優柔不断で何を考えているのか分からないイメージです。いじめる人は臆病なため、何を考えているのか分からない人に対して、ある意味恐怖を抱いているのかも。
では、いじめる側の特徴をふまえて、いじめに合わないためにどうすればいいのでしょうか。
(1)自分の意見や気持ちをはっきり伝える
(2)何をされても怯まない
(3)常に明るい気持ちでいる
(1)は、何を考えているのか分からないところが気にくわないと思われている可能性があります。まずは、会話の中に感情を入れて、共感することを心がけましょう。
もちろん、共感しているフリで構いません。女性は自分の気持ちに共感して欲しい人が多数です。
(2)強い攻撃や言葉による暴力を受けた場合、つい怯んで黙ってしまいますが、必ず言葉で言い返しましょう。
相手は、「何もしてこない」とたかを括っています。何も反応してこないから、何を言っても大丈夫なんだと思っている可能性があります。気持ちをハッキリと伝えるように努力しましょう。
(3)いじめられると、暗い気持ちになり負のオーラがでやすいものです。
周囲から見ても、どんよりとした雰囲気をかもしだしているのです。相手にとっては好都合で、より一層マウントをとりたいと思っているのです。ここは、逆に無理にでも明るくポジティブに返しましょう。
まとめ
いかがでしたか?いじめは老若男女関係なく、いつの時代でも問題視されていますよね。「トリマー業界のいじめ」は、女性ならではの、感情的になって起こることが多いのです。
“ハラスメント”が取り正されている昨今に、古くさいことをし続ける人もいるのですね。いじめはダサいことだと認知されるようにしていきたいですね。