【トリマー業界】人手不足の原因は?今後の対策とは

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愛犬をサロンや病院に連れて行った時に「あれ?いつものトリマーさんがいない…」なんて思ったことはありませんか?

「つい、一ヶ月前までは元気に働いていたのに」「せっかくうちの子が慣れてきたのに…」と残念に思うこともあるかもしれません。

今回の記事では、なぜ「トリマー業界は常に人手不足なのか」に焦点を当て、今後の対策とは何かをお伝えしていきます。

トリマーになる人が少ない

数十年前までは、可愛い動物に触れることができ、女性が一生続けられる仕事として人気を博した「トリマー」。トリマーになりたい人も多く、専門学校には生徒が溢れ、活気に満ちた業界でした。

経験を積んで、“独立”や“フリーランスのトリマー”として活躍できる、「夢の職業」。ドッグショーや、指導者、トリマーからトレーナーになる人もいます。

まさに、自分の思い描く「トリマー像」になることができたのです。しかし、いつしか専門学校に通う生徒の数も減り、歴史ある名の知れた学校も、悲しいことに閉校に追いやられています。

いま、トリマー業界は危機的状況に陥っているのです。反対に、ペットの数は増加傾向にあります。ペットの数に対して、トリマーの数が追いついていない状態です。

どこにいってもトリマー不足。では、なぜトリマーが減少傾向にあるのか。それは、せっかくトリマーになっても、「辞めていく人」が多いからです。

一体辞めてしまう理由とはなんでしょう…

サロンや病院を退職する【4つ】の原因

個人的な見解ですが、4つの原因が考えられます。

  1. 想像していたより、色々な意味でキツい(心身ともに)
  2. お給料が安くて生活できない。また、残業が多いのと、休みが少ないためプライベートが充実できない
  3. 犬にケガをさせてしまった。または、自身がケガをしてしまった
  4. 犬が嫌いになった

退職理由【4つ】の解説

1は、可愛い犬に携わりたくてトリマーを選んだものの、想像していた以上に厳しい世界で疲れてしまった人が多いのです。トリマーとして、最終的に残っている人は「忍耐と根性」がある人です。

気が強くないと、暴れ犬に対応できません。体力も消耗します。または、「鈍感力」がある人。

何を言われても動じない、「マイペースな人」はトリマー業界で生き残っていけるでしょう。もちろん、一般企業のOLさんや他業種で働く人達にも悩みはあります。

しかし、トリマーは「可愛い犬と触れ合えて、楽しく仕事ができる」、というイメージが強いため働いてみてからの“ギャップ”があるのかもしれません。トリマーは地味でコツコツ作業が多いのです。

2は、心身ともに疲弊してるうえに、お給料まで安く拘束時間が長いとなると、トリマー業界に希望が持てず辞めてしまう人が後を断ちません。

仕事も大切ですが、プライベートも大事な時間です。充実していないと、息がつまります。仕事が大好きな人もいますが、休息して元気よく仕事したいですよね。

トリマーは、サービス業なので休日も不定期です。常にお客様ファーストですから、友達との休みが合わず、残念に思う人も多いでしょう。

3は、自分がケガをするより、ケガをさせてしまう方がショックは大きいです。ケガをさせてしまったときは、そのことばかり思い出して、眠れないこともあります。

とにかく申し訳なく、罪悪感からトリマーを辞めたくなるのです。切り替えがすぐにできる人はいいのですが、引きずってしまう人もいます。

また、トリマー歴が長いとケガは致命的です。歴が長いと、ある程度、自信を持って仕事をしています。にも関わらず、ケガをさせてしまったときの落胆は激しいものです。自分自身のケガにも注意が必要です。

以前の記事(大変なこと)でも書きましたが、噛まれて跡が残るなんてこともあるのです。

上記の記事でも触れましたが、大型犬を相手にするときは、噛まれないように気をつけないと、指がちぎれてしまうことも。

4は、先程も書きましたが、トリマーは忍耐がないと継続できません。「犬が好き」だけの理由ではじめてしまうと、幻滅することもあります。

個人的に感じるのは、犬が好きで、さらに「母性」が強くないと続けることは難しいのです。

トリマーには【母性】が必要?

母性の定義は「女性がもっているとされている、母親としての本能や性質。また、母親として子を生み育てる機能」のこと。

母性本能が強い人は、犬がいうことを聞かなかったり、想定外のことをしてイライラしても辛抱強く向き合うことができるのではないでしょうか。

「刃物を扱う+動物」なので、いつ何が起こるか分かりません。我慢強さがないとくじけることもあるでしょう。そういう意味では、子育てと類似しているといえます。

母親が子に向ける愛情は無償です。犬を思い通りにしようとするのではなく、その犬に合わせて待つことも必要ですよね。

犬が落ち着かなかったり、言うことを聞かないときには必ず理由があります。犬は話すことができないので、私達トリマーが理解しようとするしかないのです。

感情的になることもありますが、犬にもイライラした気持ちが伝わります。そんなときは深呼吸して、一旦テーブルから下ろしてみましょう。

年齢制限

トリマーを続ける上で悩むことが“年齢”です。トリマーは体力勝負のため、「いつまで続けられるだろう?」と考えることがありませんか?

結論からいうと、トリマーに年齢制限はなく「無制限」です。体力は人によって異なるため、年齢制限はありません。

ただ、サロンや病院で求人募集の欄に年齢制限を記載していることがあります。チームワークで動くことがあるため、調和がとれ業務がスムーズに流れるように設けているのでしょう。

年齢が低いほうが柔軟性があるとした考えなのではないでしょうか。35歳を過ぎると体力も下がってきます。様々な要素から年齢制限を設けているのです。

「目が見えるまで」「手が動くまで」「腰痛が悪化する前まで」までは、続けたいと思っているトリマーが多い傾向にあります。

ある程度限界を感じたら、経営に回ったり(人を雇う)、バックヤードに徹したり、自宅サロンでのんびりペースでやったりと、無理なく働いています。

一般的には、30~40歳前後で何かしらのアクションを起こす人が多いでしょう。

今後の対策とは?

トリマーが減少傾向にある現状を踏まえた上で、どうしたら辞めずに、長く続けられるのか。また、新たにトリマーを目指す人を増やすために、どうしたらいいのか。

それは、「上記の原因の逆のこと」をおこなえばいいのです。

「トリマーは楽しく、福利厚生もしっかりしていて、ケガがないように皆で助け合いながら、年齢制限を設けない。」ことです。

SNSでトリマーの魅力を発信しているサロンや病院もあります。トリマーは“キツい”という印象をなくすために努力しています。

お客さんの立場から見ると、スタッフ同士が談笑しながら「楽しく作業」して、且つ「犬にもニコやかに話しかけながら作業している」サロンや病院のほうが、大事な愛犬を預けようと思いませんか?

ムスっとしながら、淡々と作業をしていると「うちのコ大丈夫かな?」と心配になりますよね。自分が変わっても、相手を変えることはできません。

楽しい職場にするには、一人ひとりの思いやりと助け合いが必要です。福利厚生を良くするためには、経営者の力が必要です。トリマーの日々の努力と頑張りを是非見ていただきたい!

条件が悪い職場には絶対にいかないほうがいいのです。条件が悪くても、人が集まると思い改善しなくなります。私達トリマーも、よく吟味してから就職しないとなりません。

ケガをなくす対策は、「断るか」、「保定してもらうか」、「時間をかけるか」、のいずれかになります。断ってしまうのは、気が引ける!と思う人もいるかもしれません。

売上のこともあるし、売上がないとお給料も出せなくなる…それは重々承知のうえです。

長い目で見れば、下手に引き受けるほうが、犬のためにもトリマーのためにもなりません。この記事を読んで「綺麗ごとを言ってる」「そうは言っても環境が…」と思う人もいるでしょう。

しかし、そう思っていては、トリマーは育たないし、なりたいと思う人もでてこないのです。もともと、犬が好きだからトリマーになろうと決意した人ばかりでしょう。

気持ちが高ぶっていると、周りが見えなくなるものです。イライラしてしまったら、まずは深呼吸しましょう。そして犬から離れましょう。

「母性」はどんな人にも必ずあるはずです。切羽詰まっていて、分からなくなっているだけなのです。

犬がそわそわしはじめるのは、「おしっこしたい」や「足が痛い」、「緊張している」ことなどの理由が考えられます。気持ちが落ち着いたら、何が原因なのかを探してみてください。時間を置いて見えることもあるはずです。

まとめ

いかかでしたか?今回の記事では、深刻な「トリマー不足の原因」と、「今後の解決策」をお伝えしました。

文章で書くのは簡単なことで、実際にやるとなると大変だと思う人もいるでしょう。「やらない後悔より、やった後悔のほうがいい」と誰かが言っていました。

トリマー業界も、まず一人ひとりが動かないと、業界の「伝統ある悪しき習慣」が正されることはないでしょう。とりあえず、動くことが変わる一歩ではないでしょうか。

※参考記事:https://hometrimmer.net/記事/トリマー/大変なこと/

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この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、有名作家のもとでアシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKC資格取得。現在はトリミングサロンで働きながら記事を制作。一児のシングルマザー。