やりすぎ注意!愛犬の正しいブラッシング頻度とケア方法とは?

犬の美しい被毛と健康な皮膚を保つために欠かせないブラッシング。しかし、「きれいにしてあげたい」「抜け毛を減らしたい」という思いから、ついついブラッシングをやりすぎてしまう飼い主も少なくありません。

実は、ブラッシングのやりすぎは犬の健康や被毛にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。今回の記事では、犬のブラッシングをやりすぎることで起こるリスクと、適切な頻度・方法、愛犬のための正しいケアについて、詳しく解説します。

ブラッシングの本来の目的と効果

犬のブラッシングは、単なる毛並みを整える作業ではありません。抜け毛や汚れを取り除き、皮膚を清潔に保つことで、皮膚病や毛玉の予防、血行促進、ノミ・ダニの早期発見にもつながります。また、飼い主さんと犬の信頼関係を深めるスキンシップの時間としても大切な役割を果たします。

一方で、犬種や毛質、季節によって適切な頻度や方法は異なります。特に長毛種やダブルコートの犬は、定期的なブラッシングが健康維持に直結する一方、やりすぎには注意が必要です。

ブラッシングのやりすぎが招く5つのトラブル

どんなに愛情を込めていても、過度なブラッシングは思わぬトラブルを招く原因になります。以下では特に注意しておきたい代表的な問題を紹介します。

1.皮膚へのダメージと炎症

ブラッシングを長時間・高頻度で行うと、犬の皮膚に過剰な刺激が加わり、赤みや炎症、かゆみなどの皮膚トラブルを引き起こすことがあります。特に敏感肌の犬や、皮膚が薄い犬種は注意が必要です。

2.被毛の傷み・切れ毛

適度なブラッシングは被毛の美しさを保ちますが、やりすぎると摩擦で毛が切れたり、質感が悪くなったりします。抜け毛が多い時期に一生懸命ブラッシングしすぎると、地肌が見えるほど毛が抜けてしまうこともあり、見た目にも大きな影響が出ます。

3.必要な皮脂の除去・乾燥

犬の被毛や皮膚には、健康を守るための天然オイル(皮脂)が存在します。過剰なブラッシングは、この大切な油分まで取り除いてしまい、被毛がパサパサになったり、皮膚が乾燥してフケやかゆみの原因になることがあります。

4.アンダーコートの過剰除去

ダブルコート犬種の場合、やりすぎると体温調節や皮膚保護の役割を果たすアンダーコートまで取り除いてしまい、暑さ・寒さへの耐性が低下したり、皮膚トラブルのリスクが高まります。

5.ストレスの蓄積

ブラッシングは本来、犬にとって心地よい時間ですが、無理に続けたり、痛みや不快感を与えるとストレスの原因になります。嫌がる素振りや逃げようとする行動は、すでにストレスを感じているサインです。

ひろこ

ブラッシング中に犬が落ち着かなくなったり、嫌がる様子を見せたら一度中断しましょう。無理に続けると、ブラッシング嫌いになるだけでなく、飼い主さんとの信頼関係にも悪影響を及ぼします。

適切なブラッシング頻度と時間

犬種や毛質によって最適なブラッシング頻度は異なりますが、一般的には週に2~3回、1回あたり5~10分程度が目安です。長毛種や換毛期は毎日必要な場合もありますが、やりすぎず、時間を区切って行うことが大切です。

また、抜け毛対策用のブラシやスリッカーブラシは、使いすぎると皮膚に負担がかかるため、適度に使い分けるようにしましょう。

ひろこ

ブラッシングは「短時間・こまめに」が基本です。1回の時間を長くするよりも、数分ずつこまめに行うことで、皮膚や被毛への負担を減らし、犬にもストレスを与えにくくなります。

やりすぎを防ぐための正しいブラッシング方法

ブラッシングを効果的かつ安全に行うには、いくつかの基本ルールを守る必要があります。まず大切なのは「力を入れすぎないこと」。毛の根元から無理に引っ張るのではなく、毛先から少しずつほぐしていくことがポイントです。

犬の様子も常に観察しながら行いましょう。皮膚に赤みが出ていないか、ブラシを当てたときに嫌がっていないかなどをチェックします。少しでも異変があれば中止し、必要があれば獣医師に相談するのが安心です。

道具選びも意外と重要です。柔らかめのブラシやコームを使うことで、刺激を軽減できます。特に子犬や皮膚が敏感な犬には、専用のソフトブラシを選ぶと安心です。

また、換毛期以外はアンダーコートにまで入り込むようなブラッシングは控えめにしましょう。体温調節に必要な被毛まで取り除いてしまうと、愛犬の健康に関わってきます。

ひろこ

ブラッシング後は必ずご褒美や声かけでポジティブな体験にしましょう。「ブラッシング=楽しい」と感じてもらうことで、犬もリラックスしてケアを受け入れてくれるようになります。

ブラッシングを怠った場合のリスクも把握しておこう

ブラッシングのやりすぎが問題になる一方で、まったくケアをしないことも深刻な問題を招きます。被毛のもつれや毛玉、汚れの蓄積、さらにはノミやダニの繁殖など、健康面でさまざまな悪影響が出てきます。

特に長毛犬やダブルコートの犬種では、ケア不足が皮膚病の原因になることもあります。大切なのは、過剰でもなく、怠りすぎでもない「適度なケア」を見極めることです。ブラッシングをしない場合のリスクも理解しよう

やりすぎは禁物ですが、全くブラッシングをしないのも問題です。毛玉や汚れ、ノミ・ダニの発見遅れ、皮膚病のリスクが高まります。適度な頻度と正しい方法を守ることが、愛犬の健康と美しさを保つ秘訣です。

まとめ

犬のブラッシングは、やりすぎてもやらなさすぎても問題が生じます。大切なのは、犬種や毛質、季節に応じて「適度な頻度」と「優しい方法」で行うこと。犬の様子をよく観察し、ストレスや皮膚トラブルを防ぎながら、愛犬とのスキンシップタイムを楽しんでください。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。