小さな体に大きな瞳、愛らしい仕草で多くの人を魅了するチワワ。しかし、チワワはその体の小ささや遺伝的背景から、特有の病気にかかりやすい犬種としても知られています。
今回の記事では、チワワの病気に焦点をあてて、飼い主さんが知っておきたい代表的な病気や症状、予防・対策、日常ケアのポイントを詳しく解説します。大切な家族であるチワワと長く健やかに暮らすために、正しい知識を身につけておきましょう。
チワワの体質と遺伝的背景
チワワは世界最小の犬種として広く知られており、その小さく愛らしい見た目から多くの愛犬家に親しまれています。しかし、その可憐な外見の裏には、非常に繊細な体質が隠れています。
小型犬であるチワワは、気温の変化やストレスなどの外部刺激に敏感で、環境の変化にも弱い傾向があります。そのため、快適な室内環境の維持やストレスを与えない接し方が求められます。
チワワは純血種であるがゆえに、遺伝的な病気のリスクも少なくありません。とくに多く見られるのが、僧帽弁閉鎖不全症などの心臓疾患、膝蓋骨脱臼や骨折といった骨のトラブル、てんかんをはじめとした神経系の疾患です。
これらは遺伝的な背景によるものが多く、個体差はあるものの、チワワを飼う上でしっかりと知っておくべきポイントです。
チワワがかかりやすい代表的な病気
チワワは愛玩犬として人気が高い反面、体が小さく骨が細いため、さまざまな病気にかかりやすい傾向があります。特に注意したいのは、心臓病、呼吸器疾患、神経疾患、整形外科疾患、低血糖症、尿路結石症、そして目のトラブルです。それぞれの病気の特徴や症状、予防策について詳しく見ていきましょう。
1.循環器疾患:僧帽弁閉鎖不全症のリスク
チワワの病気の中でも特に多いのが、心臓の弁に異常が起こる「僧帽弁閉鎖不全症」です。これは心臓の左側にある僧帽弁がうまく閉じなくなり、血液が逆流してしまう病気です。
初期症状は分かりにくいことが多いですが、進行すると夜間や興奮時の咳、運動後の疲れやすさ、呼吸が荒くなるなどの症状が現れます。さらに重症化すると、心不全や肺水腫を引き起こすこともあり、命に関わることもあります。
チワワは特に中高齢期に発症しやすいため、定期的な健康診断が重要です。心臓の雑音や異常が見つかった場合は、早期に治療を開始することで病気の進行を遅らせることができます。日常生活では、激しい運動やストレスを避け、体重管理にも気を配りましょう。
チワワの咳や呼吸の変化は見逃さないでください。特に夜間や運動後に咳が出る場合は、早めに動物病院で心臓の検査を受けましょう。シニア期には年2回の心臓チェックをおすすめします。
2.呼吸器疾患:気管虚脱とその対策
チワワの病気の中でも多いのが、気管がつぶれてしまう「気管虚脱」です。気管虚脱は、気管の軟骨が弱くなり、呼吸時に気管が押しつぶされてしまう病気です。
乾いた咳や「ガーガー」という特徴的な呼吸音、興奮時や暑い日の呼吸困難などが主な症状です。重症化するとチアノーゼ(舌や歯茎が青紫色になる)や失神を起こすこともあります。
気管虚脱のリスクを減らすためには、肥満予防が重要です。また、首輪ではなくハーネスを使うことで首や喉への負担を減らすことができます。散歩や運動の際は、興奮させすぎないように注意しましょう。治療は内科療法が中心ですが、重症例では外科手術が必要になることもあります。
チワワの散歩や外出時は、必ずハーネスを使いましょう。首輪は気管に負担をかけ、気管虚脱を悪化させる原因になります。また、暑い季節や興奮しやすい状況では無理をさせず、呼吸の様子をよく観察してください。
3.神経疾患:水頭症・てんかんの早期発見がカギ
チワワは先天的に水頭症を発症しやすい犬種です。水頭症は脳内に脳脊髄液がたまり、脳を圧迫することでさまざまな神経症状が現れます。歩行の異常、旋回運動、反応が鈍い、発育不良、けいれん発作などが主な症状です。特に子犬期に発症することが多く、早期発見・早期治療が重要です。
また、てんかんもチワワに多い神経疾患の一つです。てんかん発作は突然起こり、全身のけいれんや意識消失、よだれ、失禁などが見られます。発作が繰り返される場合は、動物病院で診断を受け、適切な投薬や生活管理を行いましょう。
水頭症やてんかんは遺伝的な要素も関係しているため、信頼できるブリーダーから健康な親犬の子犬を迎えることも大切です。
4.整形外科疾患:膝蓋骨脱臼(パテラ)と生活環境
チワワは骨が細く、膝蓋骨脱臼(パテラ)を発症しやすい犬種です。膝蓋骨脱臼は膝のお皿がずれてしまう病気で、歩き方がぎこちなくなったり、時々足を上げてスキップするような動きを見せたりします。重症化すると、痛みや炎症、歩行困難を引き起こすこともあります。
膝蓋骨脱臼の予防には、室内の床を滑りにくくすることが重要です。フローリングにはカーペットやマットを敷き、ジャンプや階段の昇降を控えるようにしましょう。
また、肥満は膝への負担を増やすため、適切な体重管理も欠かせません。早期発見・早期治療によって、外科手術を回避できる場合も多いので、歩き方に異常を感じたらすぐに動物病院で診てもらいましょう。
5.低血糖症:特に子犬期は要注意
チワワの子犬は体が小さく、エネルギーを蓄える力が弱いため、低血糖症を起こしやすいです。低血糖症は血糖値が急激に下がることで、ぐったりしたり、震えやけいれん、意識障害を引き起こすこともあります。特に空腹時間が長くなったり、環境の変化やストレスが加わると発症しやすくなります。
予防のためには、1日3~5回に分けて食事を与え、良質なパピー用フードを選びましょう。食欲が落ちているときや、元気がないと感じたら、すぐに獣医師に相談することが大切です。低血糖症は迅速な対応が命を救うポイントです。
6.尿路結石症と目のトラブル:日常の観察が大切
チワワは尿路結石症(尿石症)にもなりやすい犬種です。尿路結石症は膀胱や尿道、腎臓に結石ができる病気で、排尿時の痛みや血尿、頻尿などの症状が現れます。水分摂取量が少ないと発症リスクが高まるため、いつでも新鮮な水を飲めるようにしておきましょう。定期的な尿検査や健康診断も、早期発見・早期治療に役立ちます。
また、チワワは大きな目が特徴的ですが、その分、目のトラブルも多いです。角膜炎や結膜炎、涙やけ、ドライアイなどがよく見られます。目の周りを清潔に保ち、異常があれば早めに動物病院を受診しましょう。
7.チワワの皮膚病とアレルギー
チワワは皮膚が薄く、アレルギーや皮膚炎も起こしやすい犬種です。特に食物アレルギーや環境アレルギー、ノミ・ダニによる皮膚炎が多く見られます。
皮膚が赤くなったり、かゆがったり、被毛が抜けるなどの症状が出た場合は、早めに獣医師に相談しましょう。アレルギーの原因を特定し、適切なフードや生活環境を整えることが大切です。
8.チワワの歯科疾患:歯周病・歯石に注意
チワワは小型犬の中でも特に歯が小さく、歯石や歯周病になりやすい傾向があります。歯周病は口臭や歯茎の腫れ、出血だけでなく、進行すると心臓や腎臓など全身に悪影響を及ぼすこともあります。
毎日の歯磨きやデンタルケアおやつを活用し、定期的に歯科検診を受けることが予防のポイントです。
チワワの健康管理と予防のポイント
チワワの健康を守るためには、日々の体重管理と適度な運動、バランスの良い食事が基本です。肥満は心臓や気管、骨への負担を増やし、さまざまな病気のリスクを高めます。また、定期的な健康診断やワクチン接種、フィラリア予防、ノミ・ダニ対策も忘れずに行いましょう。
日常的にスキンシップをとり、体の変化や異常にすぐ気付けるようにすることも大切です。被毛や皮膚の状態、目や耳の様子、歩き方や排泄の様子など、毎日よく観察してください。
チワワの散歩や外出時は、必ずハーネスを使いましょう。首輪は気管に負担をかけ、気管虚脱を悪化させる原因になります。また、暑い季節や興奮しやすい状況では無理をさせず、呼吸の様子をよく観察してください。
チワワの病気予防に役立つ生活習慣
チワワの病気予防には、生活環境の見直しも重要です。滑りやすい床にはマットを敷き、ジャンプや高い段差を避けることで、骨や関節への負担を減らせます。食事は年齢や体質に合ったフードを選び、食べ過ぎや偏食にならないように注意しましょう。
また、ストレスは病気の引き金になることがあるため、静かで安心できる環境を整えてあげることも大切です。適度な運動や遊びを取り入れ、飼い主さんとのコミュニケーションを大切にしましょう。
チワワのシニア期に気をつけたい病気
チワワは10歳を過ぎるとシニア期に入り、加齢によるさまざまな病気のリスクが高まります。心臓病や腎臓病、関節疾患、認知症などが見られることも。
シニア期には体力や免疫力が低下しやすいため、食事内容の見直しや運動量の調整、定期的な健康診断がより重要になります。特に、体重の急激な変化や食欲不振、元気がないなどのサインは見逃さず、早めに獣医師に相談しましょう。
まとめ
チワワはその小さな体と繊細な骨格から、さまざまな病気にかかりやすい犬種です。しかし、正しい知識と日々の観察、適切なケアと予防を心がけることで、多くの病気を未然に防ぎ、健康寿命を延ばすことができます。
飼い主としてできることを一つずつ積み重ねていきましょう。大切な家族であるチワワが、元気で長生きできるよう、愛情と責任を持って見守ってあげてください。最後までお読みいただきありがとうございました☺
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