気づけば毛だらけ!? パグの抜け毛と上手につきあう方法

パグといえば、ユニークな顔立ちとコロンとした体つき、そして短くて密な被毛が特徴の人気犬種です。「短毛だから抜け毛は少ないのでは?」と思われがちですが、実際には“抜け毛の多い犬種”として知られています。

今回の記事では、なぜパグはこんなにも抜け毛が多いのか、被毛構造や皮膚トラブルとの関係、日々のケアのコツ、そしてちょっと笑える抜け毛エピソードまで、トータルに解説していきます。

パグの被毛構造と抜け毛の特徴

パグの抜け毛が多いのは「体質だから仕方ない」と思っていませんか?実はその背景には、被毛の構造に理由があります。まずは基本から見ていきましょう。

実は二重構造!ダブルコートが原因

パグの被毛は「ダブルコート」と呼ばれる二層構造になっています。外側のオーバーコート(上毛)と、内側に密生するアンダーコート(下毛)で構成されており、このアンダーコートが抜け毛の主な原因です。

アンダーコートは体温調節を担う大切な役割を持っていて、特に季節の変わり目になると“換毛期”に突入し、ごっそりと抜け落ちます。この時期の抜け毛は、毎日掃除機をかけても追いつかないと感じるほどです。

なぜパグは抜け毛が多いのか?

「短毛=抜け毛が少ない」というのは、少し誤解があるかもしれません。パグのような短毛犬でも、ダブルコートであることや皮膚の特徴によって、抜け毛の量はかなり多くなることがあります。

1.短毛でも“抜け毛地獄”になる理由

パグの毛は短くて細かいため、抜けた毛がフローリングやカーペット、服などに絡みやすい特徴があります。粘着ローラーや掃除機で掃除しても、いつのまにか部屋の隅に毛の塊ができてしまう…そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

2.皮脂の多さと皮膚環境の関係

パグは皮脂分泌が活発な犬種です。皮脂が多いことで、被毛がベタついたり、毛穴が詰まりやすくなる傾向があります。この皮脂やフケにより、毛が浮き上がって抜けやすくなり、結果的に「抜け毛が目立つ」という状態につながります。

皮脂が増えると、皮膚のトラブルにもつながりやすく、かゆみや炎症、赤みなどの症状を引き起こすこともあります。

抜け毛の主な原因と注意すべきサイン

「換毛期だから仕方ない」と思っている抜け毛、実は見過ごしてはいけないサインが隠れているかもしれません。正常な抜け毛とトラブルの兆候を見分けることが大切です。

1.パグの抜け毛の主な原因

  1. 換毛期
    春と秋の季節の変わり目には、冬毛と夏毛の入れ替えが起こり、大量の毛が抜けます。
  2. 日常のブラッシング不足
    アンダーコートが溜まったままになると、毛が絡みやすくなり、結果としてごっそり抜けることがあります。
  3. 皮膚トラブル・病気の兆候
    抜け毛が異常に多い、部分的に集中している、皮膚が赤くなっているなどの場合は、疾患が隠れている可能性があります。

2.注意したい“異常な抜け毛”のサイン

以下のような兆候が見られる場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。

  • 毛が一部だけごっそり抜けている
  • 地肌が見えるほど薄くなっている
  • 皮膚に赤み・かゆみ・フケが多い
  • 被毛がパサついて艶がない

特にパグは皮膚が弱い傾向があるため、少しの変化も見逃さずにチェックすることが大切です。

日常でできるパグの抜け毛ケアと工夫

パグの抜け毛と上手に付き合うには、日々のケアと生活習慣の見直しが重要です。飼い主さんのちょっとした工夫で、ぐんと楽になります。

1.ブラッシングのコツ

短毛だからといってブラッシングをサボってはいけません。週に3〜4回はラバーブラシやスリッカーブラシを使って、しっかりアンダーコートを取り除いてあげましょう。ブラッシングは単なるお手入れではなく、皮膚の状態をチェックする機会にもなります。

2.シャンプーは月1〜2回が目安

皮脂が多いパグは、汚れやすく匂いが出やすいです。月に1〜2回は低刺激の犬用シャンプーで洗ってあげると、毛穴のつまりや皮膚炎の予防にもつながります。

パグの抜け毛との付き合い方

「どれだけ掃除しても終わらない!」と感じるほどの抜け毛。そんなパグライフを快適にするために、掃除の工夫や心の余裕も大切です。

1.掃除のポイント

  • 粘着ローラーは複数常備
  • 空気清浄機やロボット掃除機を活用
  • カーペットよりフローリング中心の部屋づくりに

毛が絡まりにくい素材の家具カバーや、洗えるマットなどもおすすめです。

2.抜け毛も個性として受け入れる

「毛が舞うのも、愛おしい」という心持ちでいられると、抜け毛のストレスもぐっと減ります。パグの魅力は、被毛の量以上に、癒しと面白さにあふれているはずです。

シャンプーと皮膚ケアの重要性

パグの抜け毛対策において、日々のブラッシングと同じくらい重要なのが「定期的なシャンプー」と「皮膚のコンディション管理」です。特に皮脂が多く汚れやすい体質を持つパグには、きちんとしたケアが欠かせません。

1.皮脂をコントロールすることで抜け毛も軽減

パグは皮脂の分泌が活発で、放っておくと毛穴が詰まりやすくなり、抜け毛が増える原因にもなります。とくに暑い季節は蒸れやすいため、月に2回程度のシャンプーを目安にしましょう。寒い季節でも月1回は洗ってあげたいところです。

2.シャンプー前後のポイント

シャンプーの前には軽くブラッシングして浮いた毛を取り除いておくと、毛穴の奥まで泡が届きやすくなります。洗うときは泡をしっかり立てて、皮膚にやさしくなじませるようにマッサージ。洗い流すときはしっかりとすすぎ残しがないように注意してください。

3.乾かす工程も丁寧に

ドライヤーは毛の根元から当てるのが基本。生乾きのまま放置すると、湿気を好む雑菌が繁殖し、皮膚炎やにおいの原因になります。乾かしながら被毛の状態をチェックすることも、早期トラブル発見につながります。

パグの抜け毛と皮膚トラブルの関係

パグの抜け毛は、単なる換毛だけでなく、皮膚の不調が関わっていることもあります。見た目だけでなく、皮膚の状態にも日々目を向けることが大切です。

1.隠れた病気のサインとは?

パグは皮膚がデリケートな犬種として知られており、脂漏症、アレルギー、真菌性皮膚炎、さらにはホルモンの異常などが原因で抜け毛が増えることもあります。特に、首や尻尾の付け根、足の付け根などに脱毛や色素沈着が見られるときは、要注意です。

2.抜け毛の“質”を見極める

抜け毛の量だけでなく、「どのように抜けているか」も確認しましょう。一部に集中している、皮膚が赤い、かゆがる様子がある、などの症状がある場合は、自己判断せず獣医師に相談を。適切なケアを早めに行えば、悪化を防げることが多いです。

抜け毛掃除のコツと生活の工夫

パグの抜け毛は短くて細かいため、掃除の手間がかかりやすいのが特徴です。日常生活の中でストレスなく対応するには、ちょっとした工夫が役立ちます。

1.掃除道具を味方にする

  • フローリングの掃除は、いきなり掃除機をかけるより、まずはウェットシートやモップで毛を集めてから。
  • ソファやカーペットには粘着ローラーが便利ですが、柔らかいたわしや専用ブラシもおすすめです。
  • 空気中を舞う細かい毛には、加湿器や空気清浄機が効果的。特に乾燥する季節には併用すると快適です。

2.衣類や家具への対策

抜け毛の拡散を防ぐために、パグに洋服を着せる方法もあります。ただし、通気性のよい素材を選び、サイズ感にも注意。サマーカットで被毛を短くするのも一つの方法ですが、刈りすぎると紫外線や外気の刺激で皮膚を傷めることがあるので注意が必要です。

ひろこ

洋服やベッド、ブランケットなどパグが日常的に触れる布製品は、こまめに洗濯しましょう。皮脂やフケ、抜け毛が溜まりやすく、ニオイや皮膚トラブルの原因になります。

子犬の頃からお手入れ習慣を

お手入れを嫌がるパグに苦労していませんか?それは「慣れていないから」かもしれません。子犬期からの習慣づけが、将来のケアをぐっと楽にします。

パグは顔のしわや皮膚の繊細さも相まって、ブラッシングやシャンプーにストレスを感じやすい犬種です。無理をせず、1日数分の「ふれあい」から始めて、お手入れをポジティブな体験にしてあげましょう。

ひろこ

お手入れのあとに「おやつ」や「たっぷりの褒め言葉」でご褒美を与えると、“ケア=いいこと”と学習し、徐々に協力的になります。信頼関係も深まりますよ。

まとめ

パグは短毛ながらダブルコートという構造を持ち、驚くほどの抜け毛がある犬種です。定期的なブラッシング、シャンプー、掃除の工夫に加え、皮膚の健康にも気を配ることが大切です。

抜け毛の中には、体調不良や皮膚トラブルのサインが隠れている場合もあるので、日々の観察も怠らず、何か異変を感じたらすぐに獣医師に相談を。

手間はかかりますが、パグとの暮らしは愛情と工夫でいくらでも快適になります。抜け毛さえも「パグらしさ」として楽しみながら、毎日を一緒に過ごしていきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。