フレンチブルドッグの寿命は短い?無理しないケアのコツを解説

可愛らしい顔立ちと、明るい性格で世界中から愛されるフレンチブルドッグ。「フレブル」の愛称で親しまれていますが、実は「寿命が短い犬種」としても知られています。

今回の記事では、フレンチブルドッグの平均寿命や短命の理由、長生きのための健康管理、かかりやすい病気、日々のケアのポイントまで、わかりやすくご紹介します。フレンチブルドッグ愛好家のかたはぜひ最後までお読みくださいね☺

フレンチブルドッグの平均寿命はどれくらい?

フレンチブルドッグと暮らすうえで、気になるのが「どのくらい生きてくれるのか」ということ。ここでは、フレンチブルドッグの平均寿命や、他の犬種と比べた寿命の傾向、そして近年の変化についてご紹介します。

フレンチブルドッグの平均寿命は10〜14歳といわれています。同じくらいの体格の他の小型犬と比べると、少し短命な傾向があります。ただし、最近では医療の進歩やフードの質の向上により、15歳以上生きるフレンチブルドッグも増えてきました。人間の年齢に換算すると、10歳で約56歳、12歳で64歳ほどになります。

なかには17歳まで元気に過ごしたフレンチブルドッグもいるそうです。しっかりとケアしてあげれば、平均以上に長生きすることも十分可能です。

なぜフレンチブルドッグは短命なのか?

「フレブルは短命」と言われることがありますが、それには理由があります。ここでは、体のつくりや遺伝的な特徴から、なぜ寿命が短くなりがちなのかを解説します。

フレンチブルドッグが短命とされる一番の理由は、「短頭種」と呼ばれる鼻の短い顔の構造です。このため、呼吸器系の病気になりやすく、「短頭種気道症候群」などを起こすリスクが高くなります。また、体温調節が苦手で、暑さにも弱いです。

筋肉質でがっしりした体型はかっこいいですが、そのぶん腰や関節に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアなどになりやすいという弱点もあります。さらに、皮膚がデリケートで、アトピー性皮膚炎や膿皮症、マラセチア皮膚炎など、皮膚のトラブルも多い傾向があります。このように、もともとの体質や構造が原因で、健康面のリスクが高く、それが寿命にも影響しているのです。

フレンチブルドッグがかかりやすい病気と早期発見のポイント

どんな犬種にも、なりやすい病気があります。フレンチブルドッグが特に注意したい病気と、その早期発見のために飼い主さんができることをご紹介します。フレンチブルドッグは、以下のような病気にかかりやすいとされています。

1.短頭種気道症候群

鼻や喉の空気の通り道が狭くなることで、呼吸が苦しくなったり、いびきが大きくなったりします。暑い時期は体温が下がらず、命に関わることもあります。

2.椎間板ヘルニア

背骨のクッションが飛び出し、神経を圧迫して痛みや足の麻痺が出る病気です。抱っこしたときに「キャン!」と鳴いたり、歩き方がおかしくなったら要注意です。

3.皮膚疾患

顔のシワや体の皮膚がデリケートなため、アトピーや膿皮症、マラセチアなどの皮膚トラブルが起きやすいです。清潔な環境を保ち、こまめなシャンプーが効果的です。

4.チェリーアイ(第三眼瞼腺脱出)

目頭の内側が赤く腫れ、涙の量が増えたり、目のトラブルを引き起こしたりします。早めの治療で進行を防ぐことができます。

ひろこ

「呼吸が荒くなった」「歩き方が変」「皮膚に赤みがある」など、小さな変化にも気づいてあげることがとても大切です。
気になる症状があれば、迷わず動物病院で相談しましょう。

長生きのための健康管理

フレンチブルドッグと少しでも長く、元気に過ごしていくためには、毎日の健康管理とちょっとした生活の工夫がとても大切です。体の小さな変化にも気づいてあげることで、病気の予防や早期発見につながります。

フレンチブルドッグは体温調節があまり得意ではありません。夏は室温を22~25℃に保ち、冬は急な寒暖差を避けましょう。暑い時間帯の散歩は控えて、こまめに水分補給を心がけてください。

また、肥満は呼吸や関節に負担がかかるため、体重の管理も大切です。食事の量やおやつを見直し、無理のない運動で理想的な体型を保ちましょう。年に一度の健康診断も欠かせません。血液検査やレントゲン、心臓・呼吸器のチェックなどを行い、早めの対処ができるようにしましょう。

老犬期のフレンチブルドッグとシニアケア

愛犬が7歳を過ぎたころから、少しずつ体に変化が見られるようになります。フレンチブルドッグも人と同じように、年齢を重ねると体力が落ちたり、呼吸がしにくくなったりします。そんな変化をやさしく受け止めながら、シニア期ならではのケアを大切にしていきましょう。

シニア期には、食事を見直して、消化しやすくて栄養のバランスが良いフードを選びましょう。また、無理のないペースでの散歩や、ハーネスの使用で呼吸への負担を軽減することもおすすめです。

寝る場所にも気を配りましょう。足腰に優しい低反発マットや、滑りにくい床材を取り入れることで、転倒やケガを防ぐことができます。

ひろこ

シニア期には無理な運動を避け、生活環境を安全に整えることが長生きのカギ。愛犬のペースに合わせたケアを心がけましょう。

フレブルケアは「がんばりすぎない」がコツ

フレンチブルドッグは暑さや寒さに弱く、皮膚や呼吸のトラブルが起きやすい犬種です。毎日しっかり管理しなきゃ…と気を張ってしまう飼い主さんも多いかもしれません。

でも、フレブルの健康には飼い主さんの心の余裕もとても大切。たとえば、暑い日の散歩が難しい時は、無理せずおうちで遊ぶだけでもじゅうぶんです。

皮膚や耳のケアも、完璧にやろうと頑張りすぎなくて大丈夫。フレブルは飼い主さんの気持ちをよく感じ取る犬種なので、笑顔で接してくれることが何よりの安心になります。

年齢を重ねても、ゆったりした時間を一緒に過ごすことで、愛犬は幸せを感じてくれます。気負いすぎず、できる範囲で愛情を注ぐことが長生きの秘訣です。

まとめ

フレンチブルドッグの平均寿命は10~14歳といわれており、同じくらいのサイズの犬と比べるとやや短めです。でも、毎日の健康チェックや生活の工夫、そして病気の早期発見や治療をしっかり行えば、もっと長く元気に一緒に過ごすことができます。

特に、呼吸器や皮膚、関節といったフレンチブルドッグが抱えやすい問題には注意して、日頃から愛犬の様子をよく観察するようにしましょう。フレンチブルドッグは、飼い主さんの愛情と気配り次第で、誰よりも長く幸せな時間をともに過ごせるパートナーです。

毎日のケアとたっぷりの愛情で、ぜひ「長生きフレブル」を目指してくださいね。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。