放っておくと大変!ペキニーズのトリミング頻度とケアポイント

ペキニーズは、まるでぬいぐるみのような愛らしい外見と、気品を感じさせる美しい被毛を持つことで知られる人気犬種です。しかし、魅力的な被毛を維持するには、他の犬種以上に丁寧なケアと計画的なトリミングが欠かせません。

特にペキニーズのトリミング頻度は多くの飼い主さんが悩むポイント。どれくらいの頻度でサロンに連れて行けばいいのか、季節によって変えるべきなのか、自宅でのお手入れとどう両立すればいいのかなど、疑問は尽きません。

今回の記事では、ペキニーズの被毛の特徴から、理想的なトリミング頻度、季節ごとのケアポイント、自宅での具体的な日常ケアの方法まで、丁寧に解説します。この記事を読めば、ペキニーズの健康と美しさを守るために必要な知識がすべて分かるはずです。

ペキニーズの被毛とトリミング

ペキニーズは、ダブルコートと呼ばれる被毛構造を持つ犬種です。外側のオーバーコートは硬く太めの毛で、内側のアンダーコートは柔らかく密集しています。

この被毛構造により、寒暖差のある環境でも快適に過ごせる反面、毛玉やもつれができやすく、定期的な手入れを怠ると皮膚疾患につながることもあります。

特に耳の後ろや足の付け根、胸のあたりは毛が絡まりやすい部分。こうした部位は、毎日のブラッシングに加え、数週間単位でのトリミングによる被毛のお手入れが不可欠です。

ペキニーズのトリミング頻度

被毛が絡まりやすいペキニーズですが、トリミングの頻度は一体どのくらいのペースが理想なのでしょうか?ここからは、適切な頻度について詳しく解説していきます。

1.一般的なトリミング頻度

ペキニーズのトリミング頻度として、もっとも一般的なのが、2〜3ヶ月に1回のペースです。これは、毛が伸びて絡まりやすくなる前に被毛を整えるために最適とされるスパンです。特に首回りや腹部などは毛が厚く密集しやすいため、放置すると毛玉や汚れが蓄積し、皮膚に悪影響を及ぼします。

さらに、ペキニーズは顔周りの毛が目に入りやすい傾向もあるため、目ヤニの原因になったり、視界を妨げたりすることも。そのため、顔周りの毛だけでも月1回程度のカットが必要なこともあります。

2.月1回のシャンプーカットで衛生を保つ

毛量が多く、被毛の質がデリケートなペキニーズは、月に1回程度のシャンプーカットも非常に効果的です。シャンプーと軽めのカットを組み合わせることで、被毛の清潔さと見た目の美しさを保ちつつ、皮膚トラブルの予防にもつながります。

活発に外で遊ぶ若い個体や、多頭飼いで他の犬と頻繁に接する環境にいるペキニーズであれば、よりこまめなトリミングが望ましいでしょう。

ペキニーズの季節ごとのトリミングポイント

ペキニーズの被毛は、季節によってその扱い方やケア方法に変化が求められます。特に夏と冬では、気候に応じたトリミングのスタイルが愛犬の快適さと健康を大きく左右します。そこでここでは、季節に応じたペキニーズのトリミング方法について詳しく見ていきましょう。

1.夏のトリミング【短くしすぎない工夫が必要】

暑さが厳しい夏場には、通気性を良くするためにトリミングで被毛を短く整えるのが一般的です。ただし、被毛を短くしすぎると紫外線が直接皮膚に当たりやすくなり、炎症や日焼けの原因になることもあるため注意が必要です。

通気性を確保しつつ、皮膚を守るためには、5〜10ミリ程度の長さを残したナチュラルカットが理想的。仕上げはプロのトリマーに相談し、被毛の状態に合わせたスタイルにしてもらいましょう。

2.冬のトリミング【保温効果を意識して】

寒さが厳しくなる冬場は、ペキニーズ本来の豊かな被毛が断熱材の役割を果たすため、あえてトリミングの頻度を下げることも選択肢の一つです。ただし、被毛が長くなる分、毛玉や汚れが溜まりやすくなるため、こまめなブラッシングや部分的なケアは欠かせません。冬のトリミングは、主に足回りやお尻周辺など、汚れやすい箇所を清潔に保つ目的で行うのがおすすめです。

このように、季節によってトリミングの目的やスタイルを柔軟に調整することで、ペキニーズの被毛を健康に保つだけでなく、愛犬自身が過ごしやすくなる工夫ができます。

プロのトリマーと連携しながら、その時期に合った最適なケアを心がけましょう。定期的なトリミングと日々のメンテナンスを組み合わせることで、一年を通してペキニーズの美しい被毛と健康な肌を守ることができるのです。

ペキニーズの日常ケア

ペキニーズの健康と美しい被毛を保つためには、トリミングだけでなく、日常的なケアとの組み合わせが重要です。特に以下の3つは、飼い主さんが自宅で簡単に実践できるポイントとしておすすめです。

1. 毎日のブラッシングを習慣に

ペキニーズの毛は絡まりやすく、少し放っておくだけで毛玉になります。特に換毛期には抜け毛が増え、毛玉のリスクが高まります。毎日5分〜10分程度のブラッシングを行うことで、毛のもつれを防ぎ、皮膚の血行も良くなります。

スリッカーブラシとコームを併用することで、表面だけでなく内側のアンダーコートまでしっかりと整えることができます。

2. 足裏・爪・耳のケアも忘れずに

足裏の毛が伸びすぎると滑りやすくなり、関節を痛める可能性があります。また、爪が伸びすぎると歩き方が不自然になり、体に負担がかかることもあります。月に1〜2回のペースで足裏や爪のチェックを行いましょう。

耳の中も蒸れやすく、汚れが溜まりやすい部分です。定期的に耳掃除を行い、外耳炎などの病気を予防しましょう。

まとめ

ペキニーズのトリミング頻度は、年齢や生活スタイル、そして被毛のコンディションによって、それぞれに合ったペースで調整するのが理想です。目安としては、2〜3ヶ月に1回のトリミングに加えて、月に1回のシャンプーカットがちょうどいいとされていますが、季節の変わり目や体調の変化によって、無理のないスケジュールで行うことが大切です。

また、普段からこまめにブラッシングや足裏のケアをしてあげることで、サロンでのトリミングもスムーズになりますし、何より愛犬の健康と被毛の美しさを長くキープできます。

大切なペキニーズとの毎日を、もっと快適で心地よいものにするために、ぜひ今回ご紹介した内容を取り入れてみてくださいね。ほんの少しの手間が、愛犬の笑顔につながりますよ。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。