噛み犬のトリミング料金は高い?追加料金の理由と安く抑えるコツ

愛犬がトリミング中に噛んでしまう場合、通常よりも高い料金を請求されることがあります。「なぜそんなに費用が変わるの?」と疑問に思う飼い主さんも多いでしょう。実は、噛み癖のある犬を安全にトリミングするには、時間も労力も通常の数倍かかり、トリマーには危険が伴います。

そのため、追加料金は“特別な対応に対する正当な対価”なのです。今回の記事では、料金の実態と高額になる理由、そして負担を減らすための工夫をわかりやすく解説します。

噛み犬トリミングの料金相場

通常のトリミング料金と比較すると、噛み癖のある犬の施術は割高です。どの程度の追加があるのか、まずは一般的な相場を見てみましょう。

1.通常料金と追加料金の目安

小型犬では5,000〜8,000円、中型犬では7,000〜12,000円、大型犬では10,000〜20,000円が一般的なトリミング料金です。噛み癖がある場合は、ここに20〜100%前後の追加料金が発生します。

たとえば、通常6,000円のトイプードルが8,000円〜12,000円になることもあります。噛み癖が重いと、倍額になるか、受け入れ自体を断られるケースもあります。

  • 小型犬(トイプードル、チワワなど):5,000円〜8,000円
  • 中型犬(柴犬、コーギーなど):7,000円〜12,000円
  • 大型犬(ゴールデンレトリバーなど):10,000円〜20,000円

2.サロンによる料金設定の違い

追加料金の設定方法はサロンごとに異なります。「施術時間に応じて加算」「噛み癖の程度に応じて料金を決定」「一律で追加」など、さまざまな方式があります。

初めてのサロンを利用する際は、必ず正直に「噛み癖がある」と伝えることが大切です。隠してしまうと、トリミング中にトラブルが発生し、施術を中断されることもあります。事前に伝えることでサロンも準備ができ、犬にとっても安全です。

  • 軽度の噛み癖:通常料金の20〜30%増(1,000円〜3,000円程度の追加)
  • 中度の噛み癖:通常料金の50〜100%増(3,000円〜8,000円程度の追加)
  • 重度の噛み癖:通常料金の2倍以上、または受け入れ拒否
ひろこ

初めてのサロンを利用する際は、必ず事前に「噛み癖がある」ことを正直に伝えましょう。隠して連れて行くと、トリミング中にトラブルになり、最悪の場合は施術を中断されることもあります。正直に伝えることで、サロン側も適切な準備と対応ができ、愛犬にとっても安全です。

なぜ噛み犬は料金が高いのか

噛み癖のある犬のトリミングが高額になるのは、時間・安全対策・精神的負担の3つの要素が大きく関係しています。それぞれを見てみましょう。

1.施術時間が大幅に増える

噛みそうになるたびに作業を止め、犬を落ち着かせる必要があります。安全を確保するために複数人で対応したり、慎重に少しずつ進めたりするため、通常の倍近く時間がかかることも珍しくありません。

2.トリマーの安全を守るためのコスト

トリマーは噛まれるリスクを抱えながら作業を行います。口輪や保護具の使用、万が一の怪我への備え、専門的なスキルを持つ人材の確保など、こうした安全対策が料金に反映されます。精神的な緊張の中で行う作業の負担も無視できません。

3.特別な設備や医療体制が必要な場合も

噛み犬に対応するためには、保定用具やエリザベスカラーなど、特別な器具を使うことがあります。重度の場合は、動物病院併設のサロンで獣医師の管理下で鎮静処置を行うことも。料金は上がりますが、安全で犬に優しい方法です。

ひろこ

噛み癖がひどい場合は、動物病院併設のトリミングサロンを検討しましょう。必要に応じて獣医師が鎮静剤を使用できるため、犬にもトリマーにも安全です。料金は高くなりますが、無理やり押さえつけられるストレスを避けられ、愛犬の心身にとって優しい選択肢です。

料金を抑えるための工夫

噛み癖の改善とサロン選びの工夫で、追加料金を抑えることができます。焦らず、日常の中で少しずつ慣らしていきましょう。

噛み癖を改善するトレーニング

1.体を触られることに慣れさせる

トリミングでは体の隅々まで触られるため、日常的にスキンシップを重ねることが大切です。足先や耳、顔まわりなどを優しく触り、できたらおやつで褒めましょう。触られることが怖くないと理解させるのがポイントです。

2.社会化トレーニングで他人に慣らす

家族以外の人や他の犬と接する機会を増やすことで、警戒心を和らげられます。しつけ教室やドッグランで遊ばせたり、動物病院で軽い診察体験をさせたりすると、他人に触られることへの抵抗が減ります。

信頼できるサロンを選ぶ

噛み犬への対応経験が豊富なトリマーがいるサロンを選びましょう。個室で静かに施術できる環境や、初回カウンセリングで犬の性格を丁寧に聞いてくれるところは安心です。同じサロンに定期的に通うことで犬が慣れ、緊張や噛み癖が和らぐこともあります。

まとめ

噛み犬のトリミング料金が高額になるのは、時間、労力、安全確保のためのコストが追加されるためです。トリマーの仕事は専門技術を必要とする大変な仕事であり、特に噛み犬の対応は危険を伴います。追加料金は、その対価として妥当なものです。

しかし、飼い主としては、日頃のトレーニングで噛み癖を改善することで、料金を抑えることができます。体を触られることに慣れさせ、社会化トレーニングを行うことが、長期的には最も効果的です。

愛犬が安全にトリミングを受けられ、トリマーも安心して仕事ができ、飼い主も納得できる料金。この三方よしの関係を築くために、正直なコミュニケーションと日々の努力を大切にしましょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。