もう怖くない!愛犬のお腹バリカンを安全に仕上げる簡単テクニック

愛犬のお腹のバリカン処理を行う際は、安全におこなうための注意すべきポイントがあります。適切なバリカンの選び方や、正しい使用方法を習得することで、怪我を未然に防ぎ、愛犬にとってもストレスの少ないケアをすることができます。

今回の記事では、愛犬のお腹バリカンをかける際の具体的なテクニックや保定の仕方、さらにはプロに頼んだ場合のメリットについて詳しく解説します。お腹バリカンが苦手なトリマーさんも是非ご覧ください!

犬のお腹バリカン処理とは?

犬のお腹のバリカン処理は、清潔さを保つために大切なケアのひとつです。特に長毛犬の場合、毛が絡まったり、湿気がこもりやすく、皮膚トラブルの原因になることも。定期的なバリカン処理で、快適な状態を保ってあげることができます。

お腹バリカンの選び方

犬用バリカンを選ぶ際は、音が静かで振動が少ないものが理想です。大きな音や振動があると、犬が驚いてしまうことがあるためです。また、毛質に合わせた刃の種類も考慮しましょう。

長毛種で毛量が多い子や、毛玉がすごい子は、最初に少しお腹をはさみでカットした後に、バリカンをかけると処理がスムーズです。バリカンの刃は、通常0.5~1ミリを使用します。

ひろこ

初めてのバリカン処理は犬が怖がらないよう、最初に少しずつ刃をあて、慣れさせてから進めるとスムーズです。

お腹バリカン作業におけるポイント

バリカンのミリ数や犬の体の状態に応じて、適切な作業方法を選ぶことが大切です。特にデリケートな箇所や、老犬・若い犬に関わらず、無理をせず犬に負担がかからないよう心がけましょう。

実際にバリカン処理を始める前に、犬の毛をブラッシングして、絡まりや汚れを取り除いておきます。次に、バリカンを肌に対して平行に当て、毛の流れに沿って優しく滑らせるように処理します。お腹の皮膚は特にデリケートなので、刃の当て方には十分注意しましょう。急いで処理せず、少しずつ丁寧に進めることが大切です。

バリカンをかける際、刃が犬の肌に直接触れないように気をつけることもポイントです。刃が肌に当たってしまうと、傷ができたり炎症を引き起こす原因となりますので、少し距離を取って使うことをおすすめします。

お腹バリカンの正しい方法

お腹のバリカン作業は、飼い主さんだけでなく、多くのトリマーにとっても難しいと感じる作業の一つです。特に1ミリや0.5ミリのバリカンで刈る際は、足裏や肛門周りと同様に、細心の注意が必要です。ここでは、保定のコツや手順について、それぞれの犬のケースに応じて詳しく解説します。

若い犬や健康体の犬の保定方法(基本)

若く健康な犬の場合、立たせて作業するのが犬にとってもトリマーにとっても最も楽です。犬を立たせるやり方は、手根球(手のひらの下の部分)の少し上をアルファベットの「W」形を作るように人差し指、中指、薬指で挟むのがポイントです。

このとき、手根より先の部分を掴んでしまうと、犬が自由に動きすぎてしまい、バリカン作業が難しくなります。手根部分をしっかりおさえることで、犬の動きを制御できます。場合によっては、犬が嫌がり肘を引こうとすることがあるので、その際は肘の奥に指を入れてロックをかけ、肘が曲がらないように保定します。

犬を立たせる角度にも注意が必要です。テーブルに対して直立させるのではなく、少し前傾姿勢を取らせることで、犬が楽に立ち続けることができます。

男の子のお腹バリカンのコツ

男の子の場合、バリカンをかけるときにデリケートな部分があるため、特に注意が必要です。多くの犬が、お腹の筋肉を縮めることがあり、その状態でバリカンをかけると、筋肉を切ってしまうリスクがあります。

毛が長く伸びていると皮膚の状態が見えにくくなるため、まず最初にバリカンの刃を横向きにして毛を刈り、皮膚の状態を確認しましょう。お腹の筋やおへその位置がはっきり見えるようになったら、毛流れに逆らう形でバリカンを使い、逆刈りで扇状に毛を刈っていきます。デリケートな箇所は特に慎重に行い、無理な力をかけないよう心掛けましょう。

女の子の注意点

女の子の場合、お腹バリカンで最も注意が必要なのが乳首です。乳首を誤って傷つけてしまうことが多く、特に出産経験がある犬の場合は、乳首の大きさや位置が変わるため一層注意が必要です。また、毛が伸びて乳首が隠れてしまうこともありますので、まずは指で確認し、乳首の位置をしっかりチェックしてください。

バリカンの刃のミリ数にも注意が必要です。通常0.5ミリ~1ミリでかけますが、0.5ミリの誤差があるため、乳首が刃の間に挟まってしまうリスクがあります。事前に刃のミリ数と犬の乳首の状態を確認し、怪我をしないミリ数を判断する必要があります。特に、乳首が隠れている場合は、バリカンの刃を無理に押し付けず、浮かせながら慎重に刈るようにしましょう。

老犬や腰に負担がかかっている犬の場合

腰が悪い犬や自分で立つのが難しい老犬の場合、保定の仕方を工夫する必要があります。例えば、犬を後ろから抱えるようにサポートしながら立たせる方法や、トリミング台に4本足をつけた状態で片足を横に上げ、下から覗き込んで内股や陰部を刈る方法が有効です。

ただし、足を上げすぎると犬に負担がかかるため高さには注意が必要です。その犬の可動域を考えながら、おこないましょう。また、無理に立たせると犬に負担がかかるため、犬の体調に合わせて柔軟に対応しましょう。どちらの方法も保定が二人いると作業がスムーズにできます。

プロに依頼するメリット

自宅でのケアが難しい場合や、より確実にバリカン処理を行いたい場合は、トリマーに依頼するのも一つの方法です。プロに頼むと犬に合わせた最適な処理をして、なおかつ素早く作業をおこなってくれます。仕上がりも美しくなります。

プロに依頼する最大のメリットは、安心感です。トリマーは経験豊富なので、犬に負担をかけず、安全にケアしてくれます。また、トリミングサロンでは、お腹の毛のカットだけでなく、全身ケアが一度に受けられる点も魅力です。ただし、費用や予約の手間がかかる点と、サロンまでの移動や手間が負担になることもあるかもしれませんので考慮が必要です。

ひろこ

近年では、出張トリミングサービスも増えてきており、自宅でプロのケアを受けることができるため、忙しい飼い主さんにとって便利な選択肢ですよね。

まとめ

愛犬のお腹のバリカン処理は、快適さと清潔さを保つために欠かせないケアです。定期的なバリカン処理は、毛が絡まるのを防ぎ、皮膚の健康を保つためにも効果的です。処理後の保湿ケアも忘れずに行いましょう。

ただし、正しい方法で行わないと、犬にストレスや怪我をさせてしまうこともあります。適切な道具を使い、少しずつ優しく進めることで、犬も安心して処理を受けられるようになります。

また、プロの手を借りることも一つの選択肢として、愛犬に合った最適なケア方法を見つけましょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。