「いつも完食していたのに、最近ご飯を残すようになった…」愛犬の食欲がないと、飼い主さんは心配になりますよね。犬がご飯を残す理由はさまざまで、深刻なものから心配のないものまであります。
今回の記事では、犬がご飯を残す原因から、具体的な対処法、病院に行くべきサインまで詳しく解説します。

犬がご飯を残す主な理由
愛犬がご飯を残すのには、必ず理由があります。まずは考えられる原因をチェックしていきましょう。
1.体調不良や病気
🐶消化器系のトラブル
胃腸の調子が悪いと、食欲が落ちます。下痢や嘔吐を伴っている場合は、胃腸炎や寄生虫感染の可能性も。便の状態もあわせてチェックしてみてください。
🐶口の中の問題
歯周病や口内炎があると、痛くて食べられないことがあります。特にシニア犬に多いトラブルです。口臭が強くなっていたり、よだれが増えたりしていませんか。
🐶その他の病気
腎臓病、肝臓病、心臓病などの内臓疾患でも食欲が落ちます。元気がない、水をたくさん飲む、体重が減っているなどの症状があれば要注意です。
2.わがままや好き嫌い
健康なのにご飯を残す場合は、わがままが原因かもしれません。おやつをたくさんもらっている、人間の食べ物の味を覚えてしまった、食べなければもっと美味しいものがもらえると学習したなど、飼い主さんの対応が影響していることもあります。
3.フードが合っていない
🐶飽きてしまった
同じフードをずっと食べ続けていると、飽きてしまうことがあります。人間だって毎日同じメニューだと飽きますよね。犬も同じです。
🐶味や食感が好みじゃない
フードを変えた直後に残すようになったなら、新しいフードの味や食感が気に入らないのかもしれません。犬にも好みがあります。
🐶フードの品質劣化
開封してから時間が経ったフードは、酸化して風味が落ちます。特に夏場は劣化が早いので注意が必要です。
4.環境やストレス
引っ越し、家族構成の変化、新しいペットの加入など、環境の変化でストレスを感じると食欲が落ちることがあります。犬は意外と繊細です。また、食事の場所が落ち着かない、食器が気に入らないなど、食事環境の問題もあります。

ご飯を残した時は、まず元気や便の状態をチェック。元気で便も正常なら心配のないケースが多いです。でも、ぐったりしている、下痢や嘔吐がある場合はすぐに病院へ行きましょう。
ご飯を食べてもらうための工夫
愛犬がご飯を食べてくれるよう、いくつかの工夫を試してみましょう。簡単にできる方法からご紹介します。
1.フードを工夫する
🐶温めて香りを立たせる
フードを少し温めると、香りが強くなって食欲をそそります。電子レンジで10〜15秒程度温めるか、ぬるま湯をかけてみてください。猫舌の犬もいるので、熱くしすぎないよう注意が必要です。
🐶トッピングを加える
茹でた鶏ささみ、野菜、カッテージチーズなど、ヘルシーなトッピングを少し加えるだけで食いつきが変わります。ただし、トッピングに頼りすぎるとわがままになるので、少量にとどめましょう。
🐶ふやかしてみる
ドライフードをぬるま湯でふやかすと、柔らかくなって食べやすくなります。特にシニア犬や子犬におすすめの方法です。
2.食事の与え方を見直す
🐶食事の時間を決める
ご飯を出してから15〜20分経ったら、食べ残しても片付けてしまいましょう。「今食べないと次までない」と覚えさせることで、食べるようになることが多いです。
🐶おやつを減らす
おやつを食べ過ぎていると、本来の食事が入らなくなります。おやつは1日に必要なカロリーの10%以内に抑えましょう。
🐶運動量を増やす
散歩や遊びで適度に運動すると、お腹が空いて食欲が出ます。ただし、食事の直前直後の激しい運動は胃捻転のリスクがあるので避けてください。

複数の工夫を同時にすると、何が効果的だったか分からなくなります。一つずつ試して、2〜3日様子を見るのがおすすめ。愛犬に合った方法が見つかりますよ

食事環境を整える
食べる環境も食欲に大きく影響します。快適な食事スペースを作ってあげましょう。
1.静かな場所で食べさせる
人の出入りが多い場所や騒がしい場所では、落ち着いて食べられません。静かで安心できる場所に食器を置いてあげてください。
2.食器の高さを調整
食器が低すぎると、首や背中に負担がかかって食べにくいことがあります。特にシニア犬や大型犬には、適度な高さの食器台を使うと良いです。
3.食器を清潔に保つ
汚れた食器は匂いが残っていて、食欲を落とす原因になります。毎回しっかり洗って、清潔な状態を保ちましょう。
4.他のペットと距離を取る
多頭飼いの場合、他の犬が気になって落ち着いて食べられないことがあります。それぞれ別の場所で食べさせるか、仕切りを作ってあげると良いです。
こんな時はすぐ病院へ
以下の症状がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
1.24時間以上食べない
子犬や小型犬は低血糖になりやすいので、特に注意が必要です。24時間以上何も食べない状態が続いたら、すぐに病院へ。
2.嘔吐や下痢を伴う
食欲不振に加えて嘔吐や下痢がある場合は、胃腸炎や感染症の可能性があります。脱水症状を起こす危険もあるので、早めの受診が大切です。
3.ぐったりしている
元気がない、動きたがらない、呼びかけに反応が鈍いなどの症状があれば、深刻な病気が隠れているかもしれません。
4.急激な体重減少
食べる量が減って体重が急激に落ちている場合は、病気のサインです。定期的に体重を測っておくと、変化に気づきやすいです。
5.水も飲まない
ご飯だけでなく水も飲まない場合は、かなり深刻な状態です。すぐに病院へ連れて行ってください。
年齢別の食欲不振対策
犬の年齢によって、食欲不振の原因や対策が異なります。年齢に合わせたアプローチが大切です。
1.子犬の場合
成長期の子犬は、本来食欲旺盛です。食べない場合は病気の可能性が高いので、早めに獣医師に相談を。また、遊びに夢中で食べるのを忘れていることもあるので、静かな環境で食事に集中させましょう。
2.成犬の場合
運動不足やおやつの与えすぎが原因のことが多いです。生活習慣を見直して、規則正しい食事と適度な運動を心がけましょう。
3.シニア犬の場合
加齢により食欲が落ちるのは自然なことです。でも、急激な食欲低下は病気のサインかもしれません。柔らかいフードに変える、少量を数回に分けて与えるなど、食べやすい工夫をしてあげてください。
まとめ
犬がご飯を残す理由は、病気、わがまま、フードの問題、環境ストレスなど様々です。まずは元気や便の状態をチェックして、健康面に問題がないか確認しましょう。
元気があるなら、フードを温める、トッピングを加える、食事環境を整えるなどの工夫を試してみてください。一つずつ試して、愛犬に合った方法を見つけることが大切です。
ただし、24時間以上食べない、嘔吐や下痢がある、ぐったりしているなどの症状があれば、すぐに病院へ。早期発見・早期治療が愛犬の健康を守ります。
愛犬がまた美味しそうにご飯を食べてくれる日を目指して、焦らず根気よく向き合っていきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺



