【高齢】犬の認知症初期に気づく5つのサイン!家族ができる対策とは?

犬も年齢を重ねると、体だけでなく心にも変化が現れることがあります。特に高齢犬になると、認知症の初期症状が出てくることがあります。しかし、こうした症状は見逃されがちです。

飼い主さんが早期に気づき、適切なケアを始めることで、愛犬の生活の質を保つことができます。今回の記事では、犬の認知症初期に気づくべき5つのサインや原因について詳しく解説し、その対策もお伝えします。

犬の認知症とは?

犬の認知症(犬の認知機能不全症候群)は、加齢に伴う脳の機能低下によって起こり、特に10歳以上の犬に多く見られます。20歳を超える犬の半数以上が発症すると言われ、記憶力や判断力が低下し、行動にも変化が現れます。

飼い主さんにとっては戸惑うこともありますが、早期発見が症状の進行を遅らせる鍵となります。治療には薬物療法や行動療法があり、愛犬の状態に合わせたケアを行うことで、生活の質(QOL)を維持することが重要です。

なぜ犬は認知症になってしまうのか?

犬が認知症を発症する主な原因は、老化による脳の変化です。加齢に伴い、脳の神経細胞が損傷を受けたり、代謝機能が低下したりすることで、脳内の神経伝達がうまくいかなくなります。

また、酸化ストレスやフリーラジカル(活性酸素)が脳にダメージを与えることも原因の一つです。さらに、遺伝的要因や生活環境、食事なども影響を与える可能性があります。

認知症になる4つの原因とは?

犬の認知症の原因には、さまざまな要因が関係していますが、主に以下のものが考えられます。

1.脳の老化

最も大きな要因は加齢です。脳の細胞が時間とともにダメージを受け、神経細胞が減少することで、認知機能が低下します。

2.酸化ストレス

体内に溜まる活性酸素が脳にダメージを与え、細胞の老化を加速させます。これにより、脳の機能が低下し、認知症のリスクが高まります。

3.血流の低下

年齢を重ねると、心臓や血管の機能も低下し、脳への血流が悪くなります。これによって脳に十分な酸素や栄養が届かず、認知症の発症につながる可能性があります。

4.生活習慣や遺伝的要因

遺伝的に認知症を発症しやすい犬種もいます。また、運動不足や不適切な食事、ストレスの多い環境なども認知症のリスクを高める要因です。

以上4つが、認知症になる主な原因ですが、この他にも様々なことが原因でなることもあります。

ひろこ

愛犬の認知症は、早めに気づいてあげることが大切です。普段の様子に少しでも変化を感じたら、早めに獣医師さんに相談してみましょう。早期のケアで、愛犬の健やかな毎日をサポートでき、飼い主さんも安心して寄り添うことができますよ。

認知症の初期症状5つのサイン

犬の認知症は、初期段階では分かりにくいことが多いですが、以下のような変化が見られることがあります。

  1. 方向感覚の喪失
    突然、家の中で迷子になることが増える。いつも通っている場所で急に立ち止まったり、部屋の隅でうろうろしたりします。
  2. 睡眠パターンの変化
    昼夜逆転のような形で、夜中に目を覚まし、落ち着きなく歩き回るようになることがあります。逆に、昼間はずっと寝ているという変化もあります。
  3. トイレの失敗
    これまで問題なくトイレができていた犬が、突然トイレの場所を忘れてしまい、家の中で失敗することが増えるのも、認知症の初期症状の一つです。
  4. 飼い主さんとの交流の減少
    以前は喜んで飛びついてきた犬が、飼い主さんのことを無視したり、興味を示さなくなることもあります。
  5. 無目的な行動
    意味もなく同じ場所を何度も歩き回る、壁に向かってじっと立っているなどの無目的な行動が見られることがあります。

典型的な認知症の初期症状には、まず夜の寝付きが悪くなることが挙げられます。昼夜逆転の生活を送り始める犬も少なくありません。これに続いて、普段行っていたトイレの場所を忘れることや、日常的なコマンドに対する反応が鈍くなることが見られます。

また、家の中を無意味に歩き回ったり、ぼんやりと空間を見つめることが増えてきたら注意が必要です。これらの行動は、一見するとただの老化現象に見えるかもしれませんが、認知症の初期段階でのサインであることが多いです。

もし、これらの症状が見られた場合、早急に専門家に相談することが必要です。早期発見・早期対応が、症状の悪化を防ぐために非常に重要です。飼い主として愛犬の様子に日々注意を払うことが大切です。これらのサインに気づいたら、一度獣医師に相談してみるのもいいでしょう。

認知症の進行とその影響

認知症は進行するにつれて症状が多様化し、愛犬と飼い主さんの生活に大きな影響を及ぼします。早期の発見と対応が症状の進行を遅らせるために重要です。

1. 認知症の進行過程

認知症は、犬によって進行速度が異なりますが、徐々に記憶力や判断力が失われる病気です。初期段階では、軽度の混乱や物忘れが見られますが、中期になると普段の行動が大きく変わり、日常生活にも影響が出てきます。最終的には、自力での生活が難しくなり、介護が必要な状態に進行します。

2. 進行による行動の変化

認知症の進行に伴い、犬の行動には著しい変化が見られます。初期段階では、軽度の記憶障害が見られますが、中期になると日常生活のルーチンが崩れ、感情のコントロールが困難になることがあります。飼い主さんとのコミュニケーションも次第に困難になるため、飼い主さん自身もケアに工夫が必要です。

最終段階では、愛犬の自力での行動が困難になり、生活全般においてサポートが必要となります。飼い主さんの介護負担も増加するため、早い段階での準備が重要です。

3. 家族への影響

犬の認知症は、飼い主さんやその家族にも大きな影響を与えます。特に進行が進むにつれて、愛犬のケアが負担になることがあります。介護を通じて、家族全体でのサポート体制を整えることが必要です。家族内で役割分担を行い、感情的なサポートも含めたケアを心がけましょう。

また、専門家からのアドバイスを受けつつ、必要に応じて外部のサポートを活用することも重要です。家族全員が無理なく介護に取り組むための体制づくりが、愛犬との生活を続けるために欠かせません

ひろこ

愛犬の認知症の兆候に気づいたら、焦らずに一つ一つ対応していくことが大切です。普段の行動の変化を見逃さず、早めに獣医師さんに相談することで、愛犬の生活の質を長く保つことができます。また、家族で協力して無理のない介護体制を整えることも、飼い主さん自身の負担軽減に繋がりますよ。

認知症の対策とケア方法

犬の認知症を予防したり、進行を遅らせたりするためには、いくつかの対策が有効です。具体的には、脳の健康を保つための工夫や生活習慣の見直しが重要です。以下にまとめましたので、参考にしてください。

  1. 脳の刺激を増やす
    定期的に新しい経験や遊びを取り入れることが、犬の脳の健康に良い影響を与えます。新しいおもちゃやパズル、簡単なコマンドトレーニングなど、頭を使う活動を取り入れると良いでしょう。また、散歩のルートを変えるなど、日常生活に少しの変化を与えることで、脳が活性化します。
  2. 適度な運動
    運動は、身体だけでなく脳にも良い影響を与えます。適度な運動を続けることで、脳への血流が良くなり、認知機能の低下を防ぐことができます。特に、高齢犬にとって無理のない範囲での運動が効果的です。
  3. バランスの取れた食事
    脳の健康を保つためには、栄養バランスの取れた食事が重要です。特に、抗酸化物質を含む食材やオメガ3脂肪酸が豊富な食事は、脳に良い影響を与えると言われています。市販されているシニア犬向けのフードには、これらの栄養素が配合されているものが多いので、年齢に合わせた食事選びをしましょう。
  4. サプリメントの活用
    認知症予防のために、獣医師からサプリメントを勧められることもあります。例えば、抗酸化作用のあるビタミンEやC、を含むサプリメントが有効とされています。これらの成分は脳の酸化ストレスを軽減し、認知機能の維持に役立つことが期待されています。
  5. ストレスの軽減
    ストレスは認知症を悪化させる要因の一つです。高齢犬にとって安心できる環境を整えることが大切です。特に、生活リズムが急激に変わったり、家族が増えたりするような大きな変化は、犬にとってストレスとなることがあります。可能な限り、犬が安心できるルーチンを守り、リラックスできる環境を提供しましょう。
  6. 獣医師の定期検診
    早期発見が大切です。定期的に獣医師に診てもらい、認知症の兆候がないかをチェックすることが重要です。もし認知症の初期症状が見られた場合、早めに治療やケアを始めることで、進行を遅らせることができます。    

日常生活でのケアは、犬の認知症を進行させないために非常に大切です。例えば、定期的な散歩を行うことで身体を動かし、脳の活性化を図ります。また、適切な食事管理も欠かせません。質の良い食事は、脳の健康を維持するための基本です。サプリメントも効果的ですが、獣医師の指導を受けることが大切です。

精神的な刺激も認知症予防に役立ちます。毎日の生活において、簡単な遊びや知育玩具を取り入れてみてください。これにより、犬の興味を引きつけ、いい影響を与えます。新しいコマンドを学ばせるのも良い方法です。犬にとって適度な挑戦は、脳を活性化させる助けになります。

認知症の犬と共に過ごすための心構え

認知症の犬と過ごすには、飼い主さんがまず心の準備をすることが大事です。犬の症状が進行する中で、多くの困難や挑戦が待っているでしょう。そのため、冷静な対応や柔軟な思考が求められるのです。飼い主さんが犬の状態に理解と共感を持つことで、お互いにストレスを少なくし、より良い関係を築くことができるでしょう。

1. 飼い主としての覚悟

飼い主としての覚悟が求められる理由は、認知症の犬には日常生活の全てで支えが必要になるからです。例えば、忘れがちな日常のルーティンや、突然の徘徊などが発生することもあります。

こうした場合には、犬の安全を第一に考え、柔軟に対処する覚悟が求められるのです。また、定期的な獣医師の診察も欠かせません。認知症は進行性のため、症状の変化に早く気付くことが重要です。さらに、長期間にわたるケアには根気と時間がかかるため、自分自身の体調管理も怠らないようにしましょう。

2. 長期的なサポート体制

認知症の犬に対する長期的なサポート体制を整えることは重要です。家族全員が協力し、犬のケアに参加することが推奨されます。これにより、飼い主さん自身の負担も軽減されるでしょう。

例えば、シフト制で犬の面倒を見る方法も一つの選択肢です。また、認知症に対する専門的な知識を持つ獣医師と定期的に相談することも大切です。さらに、ペットシッターや動物病院を利用することで、自分の時間も確保しやすくなります。長期的なサポート体制を導入することで、お互いの生活の質を向上させることができるでしょう。

3. 心のケアとサポートルームの活用

認知症の犬と過ごす日々が続くと、飼い主さん自身も心理的なストレスを感じることがあるでしょう。そんなときは、心のケアを忘れないことが大切です。具体的には、気持ちを共有できる仲間やサポートグループの存在が助けになります。

また、サポートルームやオンラインフォーラムを利用することも推奨されます。これにより、同じ悩みを持つ人たちと情報交換をすることができ、孤独感を軽減する助けになります。心のケアは、飼い主と犬の両方のために重要なのです。このようなサポートを最大限に活用することで、お互いの生活の質を向上させることができます。

ひろこ

日々の小さな工夫が、犬の認知症予防に役立ちます。例えば、いつもの散歩コースを少し変えたり、新しい遊びを取り入れることで、脳に良い刺激を与えることができます。ぜひ、楽しみながら続けてみてくださいね!

まとめ

犬の認知症は老化による脳の機能低下が主な原因ですが、生活習慣や環境、食事なども大きく影響します。初期段階での症状に気づき、適切な対策を行うことで、犬が快適に暮らせる期間を延ばすことが可能です。

認知症の予防には、脳の刺激、運動、食事など、さまざまな側面からアプローチすることが効果的です。愛犬が年を重ねる中で、日々のケアを大切にし、安心できる環境を提供してあげましょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。