リードを嫌がる犬の心理とは?飼い主が絶対にやってはいけないNG行動解説

愛犬との散歩は楽しい時間のひとつですが、もしも「犬がリードから逃げる」事態になったらどうしようか。 突然の脱走は大きな事故や迷子の原因になります。 実際、主飼いさんの多くが「一瞬リードが外れた」「首輪が抜けて犬が逃げてしまった」という経験を覚えたことはありません。

今回の記事では、犬がリードから逃げる原因、正しい予防策、日常で気をつけるポイント、そして「散歩前にリードを付けようとすると逃げてしまう犬」の心理について徹底解説します。 安全で楽しいお散歩を実現するために、ぜひ参考にしてください。

犬がリードから逃げる主な原因

犬がリードから逃げてしまうのは、単なる「不注意」だけではありません。犬自身の心理や飼い主の対応、道具の状態など複数の要素が関係している場合が多いです。まずは原因を正しく理解することが第一歩です。

1. 首輪やハーネスが緩い・サイズが合わない

サイズが合わない首輪やハーネスは、犬が後ずさりした拍子に抜けてしまいます。特に小型犬や頭が細い犬種(イタリアングレーハウンド、チワワなど)は注意が必要です。

2. 突発的な驚きや強い興奮

車やバイクの音、雷や花火などに驚いてパニック状態になり、リードを振り切ろうとすることがあります。普段落ち着いている犬でも、突発的な刺激には反応してしまうものです。

3. 老朽化したリードや首輪の破損

リードや首輪の金具が劣化していると、突然外れて事故につながる危険があります。表面の摩耗や縫い目のほつれも要注意です。

4. しつけ不足による呼び戻しの難しさ

「おいで」「待て」といった基本の呼び戻しができない犬は、一度逃げると捕まえるのが難しくなります。特に若い犬や活発な犬種ではしつけ不足が逃走につながる大きな要因です。

リードを付けようとすると犬が逃げるのはなぜ?

「リードを見せると愛犬が逃げる」という相談は珍しくありません。実はこれは犬の性格や過去の経験、飼い主との関わり方に起因することが多いです。ここでは代表的な理由を解説します。

1. 散歩に対するネガティブな記憶

過去に「怖い犬に吠えられた」「道路で大きな音に驚いた」など、散歩中に嫌な体験をした犬は、リード=怖い記憶と結びつけてしまうことがあります。その結果、リードを見た瞬間に拒否反応を示すのです。

2. リード装着を“拘束”と感じている

活発で好奇心旺盛な犬ほど「リード=自由を奪われるもの」と感じやすくなります。そのため、リードを付けようとすると逃げてしまうことがあります。

3. 飼い主の対応や手順が不適切

急にリードをかけようとしたり、乱暴に首輪を留めたりすると犬にとってストレスとなります。犬はその記憶を学習し、「また嫌なことをされる」と感じて逃げるようになります。

リード嫌いを克服するための解決方法

犬がリードを嫌がる場合は、焦らずに少しずつポジティブな印象を作っていくことが大切です。以下の方法を試してみましょう。

1. ごほうびと組み合わせる

リード装着時におやつを与えることで「リード=嬉しいこと」と学習させます。短時間から始めて徐々に慣らしていくのがポイントです。

2. 室内でリード練習を行う

いきなり外で練習するのではなく、室内でリードを付けて歩かせる練習をしましょう。安全な環境で「リードを付けても自由に動ける」と学習させることが大切です。

3. 落ち着いたタイミングで装着する

犬が興奮しているときにリードを付けようとすると抵抗されやすいです。遊びやおやつで気持ちを落ち着けてから、リードを付けると成功しやすくなります。

4. ハーネスを検討する

首輪に強い抵抗を示す犬には、首への圧迫感が少ないハーネスがおすすめです。リード装着の嫌悪感を和らげやすく、散歩中の安全性も高まります。

ひろこ

どの方法も「少しずつ慣らす」ことが大切です。無理に装着しようとすると逆効果になり、リード嫌いが強まってしまいます。

飼い主が絶対にやってはいけないNG対応

リード嫌いを直そうとするあまり、逆効果になる対応をしてしまう飼い主もいます。以下の行動は避けましょう。

1. 無理やりリードを付ける

強引に装着すると「リード=怖いもの」と学習してしまいます。これでは嫌悪感が強くなるだけです。

2. 逃げる犬を叱る

リードから逃げる行動を叱っても、犬は「リードを見たら怒られる」と学習してしまい、ますます嫌がるようになります。

3. 長時間の拘束で慣らそうとする

ずっとリードに繋いで放置するのは逆効果です。犬にとってストレスが強すぎて、リード=嫌な経験となります。

4. 適切でないサイズや古いリードを使い続ける

合わない首輪・ハーネスは外れる原因となり、古いリードは切れる危険があります。安全性の低い道具を使い続けるのは避けましょう。

おすすめのリード・便利グッズ

犬がリードから逃げる事故を防ぐためには、日常的に使う道具選びがとても重要です。リードは単なる散歩用具ではなく、犬と飼い主をつなぐ「命綱」とも言えます。ここでは、安心して散歩ができるようにおすすめのグッズを詳しく紹介します。

1.ハーネス一体型リードのメリット

首輪だけでは不安定になりやすい犬にとって、胴体を支えるハーネス一体型リードは大きな安心をもたらします。特に首が細い小型犬や引っ張り癖のある犬は、首輪が抜けやすかったり喉に負担がかかることがあります。ハーネスを使えば圧迫感が少なく、抜けにくい設計のため安全性が高まります。

2.ダブルリードで安心を強化

さらに安全性を求める場合は、ダブルリードの使用が効果的です。これは首輪とハーネスの両方にリードを取り付ける方法で、万が一どちらかが外れてももう一方で犬を制御できるため安心です。人通りが多い場所や交通量の多い道では、この二重構造が大きな安心感を与えてくれるでしょう。

3.伸縮リードを使う際の注意点

便利そうに見える伸縮リードですが、実は注意が必要です。犬が自由に動ける分、急な飛び出しや他の犬との接触など、飼い主の制御が効きにくい状況を招くことがあります。特に車道や公園などでは危険性が高いため、使用は広いドッグランや安全が確保された場所に限定するのが賢明です。

リード・ハーネスの種類メリット注意点・デメリット向いている犬や状況
ハーネス一体型リード抜けにくく首への負担が少ない。安定感がある慣れるまで装着に時間がかかる場合がある小型犬、首の細い犬、引っ張り癖のある犬
ダブルリード首輪とハーネスの二重構造で安全性が高いリードが2本になるため扱いに慣れが必要交通量の多い道、人混み、逃走リスクが高い場面
伸縮リード犬に自由度を与えられる。運動量を確保できる急な飛び出しや絡まりなど制御が難しいドッグラン、広場など安全な場所
ひろこ

リードを選ぶときは、可愛らしいデザインや見た目にこだわるよりも「安全性」と「強度」を優先することが大切です。見た目以上に実用性を重視することが、愛犬を守る一番のポイントになります。

犬がリードから逃げるのを防ぐためのしつけ

リードやハーネスといった道具だけに頼るのではなく、日常的なしつけを徹底することも欠かせません。特に「呼び戻し」と「落ち着いた歩行」の習慣づけは、万が一のときに飼い主と犬の安全を守る大きな助けとなります。

1.コマンドトレーニングで呼び戻しを習得する

基本的なしつけの中でも特に重要なのが「オイデ」「マテ」といった呼び戻しのコマンドです。まずは室内でおやつを使い、呼ばれたら戻る習慣をつけるところから始めましょう。

成功したときにはしっかり褒めてあげることで、犬は「戻ると良いことがある」と学びます。次第に外でも練習を重ね、どんな環境でも指示に従えるようにするのが理想です。

2.散歩中のルールを身につけさせる

散歩は自由に歩かせるだけではなく、一定のルールを持たせることが大切です。引っ張ったときには立ち止まって落ち着くまで待ち、再び歩き出すといった行動を繰り返すことで、犬は「引っ張っても進めない」と学びます。

また、歩く位置を飼い主の左側に統一するなどルールを決めることで、犬にとってもわかりやすく安心できる散歩になります。

3.しつけと道具を組み合わせる工夫

道具としつけを組み合わせると、さらに効果的です。例えば呼び戻しの練習をするときには、首に負担の少ないハーネスを使うことで安心感を与えられます。

軽いリードを使えば犬も動きやすく、トレーニングに集中しやすくなります。徐々にリードを変えても対応できるように練習しておけば、環境や状況に左右されずに飼い主の指示を聞けるようになります。

まとめ

犬がリードから逃げてしまうのは、単なる不注意ではなく、道具の不備やしつけ不足、さらには散歩前の心理的な要因が重なっているケースが多く見られます。

大切なのは、まず安全性の高いリードやハーネスを選ぶこと。そして日常のしつけで「呼び戻し」や「落ち着いた歩行」を身につけさせることです。さらに散歩前に犬が安心できるよう配慮し、リードを付ける時間そのものをポジティブな体験にしてあげることも忘れてはいけません。

愛犬の安全は、飼い主のちょっとした準備と工夫で大きく守ることができます。正しい知識と実践を積み重ね、散歩の時間を安心で快適なひとときに変えていきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。