犬が寝る前に掘るのはなぜ?知らないと不安になる愛犬の本能行動

愛犬が寝る前にベッドやクッションをガリガリと掘る仕草、見たことありませんか?「なんでこんなことするの?」と不思議に思いますよね。実はこの行動、犬の本能に深く関わる大切な習性なのです。

今回の記事では、犬が寝る前に掘る理由から、過度な掘り行動への対処法まで、わかりやすく解説します。

なぜ犬は寝る前に掘るの?

寝る前の掘り行動には、ちゃんとした理由があります。野生時代から受け継がれた本能と、現代の犬ならではの理由を見ていきましょう。

1.野生時代の名残り

犬の祖先であるオオカミは、寝る前に地面を掘って寝床を作っていました。草や枝を取り除いて平らにしたり、夏は涼しい土の層を出したり、冬は温かい寝床を作ったりしていたのです。この習性が今も犬のDNAに刻まれていて、寝る前に自然と掘る行動が出るのですね。

2.快適な寝床を作っている

愛犬がベッドを掘るのは、より快適な場所を作ろうとしているから。クッションをほぐして柔らかくしたり、体にフィットする形に整えたりしているのです。まるで私たちが枕の位置を調整したり、布団を整えたりするのと同じです。

3.体温調節のため

掘る行動は体温調節の意味もあります。暑い時は涼しい層を出そうとし、寒い時は温かい空間を作ろうとします。愛犬が掘った後、クルクル回って丸まって寝るのは、最適な温度と形を追求しているからなのです。

4.マーキングの役割も

犬の足の裏には臭腺があり、掘ることで自分の匂いをつけています。「ここは自分の場所だよ」というマーキングの意味もあります。特に新しいベッドや場所では、この行動が強く出ることがあります。

ひろこ

掘る行動は自然な本能なので、無理にやめさせる必要はありません。愛犬専用の掘っても良いクッションやブランケットを用意してあげると、ストレスなく過ごせますよ!

掘る行動の種類と意味

一口に「掘る」といっても、実はいくつかのパターンがあります。それぞれの意味を理解しましょう。

1.ゆっくり丁寧に掘る

前足で優しく、ゆっくりとベッドを掘るのは、寝床作りの典型的な行動です。これは健康的で自然な行動なので、心配いりません。むしろ、安心してリラックスできている証拠なのです。

2.激しく掘り続ける

何度も何度も激しく掘り続ける場合は、何か不満があるサインかもしれません。暑すぎる、寒すぎる、ベッドの感触が気に入らない、不安を感じているなどの可能性があります。環境を見直してあげましょう。

3.クルクル回りながら掘る

掘った後にクルクル回るのは、完璧な寝床を探している仕草です。野生時代に周囲の安全を確認し、草を踏み固めていた名残。この一連の儀式が終わると、満足して眠りにつきます。

4.掘った後に別の場所へ移動

一生懸命掘ったのに別の場所で寝る時は、温度や明るさ、騒音などの環境が気に入らなかった可能性があります。愛犬が本当に気に入る場所を見つけてあげることが大切です。

ひろこ

愛犬がどこで寝るのを好むか観察してみましょう。暗くて静かな場所、少し高い場所、飼い主さんの近くなど、好みは犬それぞれ。お気に入りスポットを見つけたら、そこにベッドを置いてあげると喜びますよ!

過度な掘り行動への対処法

適度な掘り行動は問題ありませんが、過度になると心配ですよね。対処法をご紹介します。

1.快適な寝床を用意する

まずは寝床の環境を見直しましょう。犬種や季節に合った適切なベッドを選ぶことが大切です。

🐶ベッドの選び方

小型犬には柔らかいクッション性の高いもの、大型犬にはしっかり体を支えるマットレスタイプがおすすめ。夏は通気性の良い素材、冬は保温性の高い素材を選びましょう。掘りやすいブランケットを上に置いてあげるのも良いです。

🐶温度管理

室温が適切かチェックしましょう。犬の快適温度は18〜22度くらいです。暑すぎたり寒すぎたりすると、掘り行動が増えることがあります。エアコンや暖房で調整してあげてください。

2.ストレスケアをする

🐶十分な運動

運動不足だとストレスが溜まり、過度な掘り行動につながることがあります。年齢や犬種に合った適度な散歩や遊びで、エネルギーを発散させましょう。疲れた犬はぐっすり眠れます。

🐶リラックスできる環境

寝る場所は静かで落ち着ける場所を選びましょう。人の出入りが多い場所や騒がしい場所は避けて。暗めで、安心できる「自分だけの場所」を作ってあげることが大切です。

3.行動の代替案をあたえる

🐶掘っても良い場所を作る

庭がある場合は、掘っても良い場所を決めてあげるのも一つの方法です。砂場のようなスペースを作ると、思う存分掘れて満足できます。

🐶掘る欲求を満たすおもちゃ

掘る動作ができるおもちゃや、ノーズワークマットなど、本能を満たせるグッズを活用しましょう。寝る前の遊びに取り入れると、適度に疲れてぐっすり眠れます。

ひろこ

就寝前のルーティンを作ると、犬は安心して眠れます。軽いブラッシング、マッサージ、優しく声をかけるなど、毎日同じ流れで寝る準備をすると、掘り行動も落ち着いてくることが多いですよ

こんな時は注意が必要

掘る行動が以下のような状態なら、動物病院での相談を考えましょう。

1.突然激しくなった

今までそんなに掘らなかったのに、急に激しく掘るようになった場合は、痛みや不快感がある可能性があります。関節炎や皮膚トラブルで、快適な姿勢が取れないのかもしれません。

2.足や爪を傷つけている

掘りすぎて足の裏や爪を傷つけている場合は、強迫的な行動障害の可能性があります。早めに獣医師に相談しましょう。

3.他の異常行動と一緒に起きる

掘る行動に加えて、食欲不振、吠え続ける、攻撃的になるなどの行動が見られたら、ストレスや病気のサインかもしれません。総合的に判断する必要があります。

まとめ

犬が寝る前に掘るのは、野生時代から続く本能的な行動です。快適な寝床を作ろうとする自然な仕草なので、基本的には心配いりません。むしろ、安心してリラックスできている証拠です。

ただし、過度に掘り続ける場合は、環境やストレスに問題がないか見直しましょう。快適なベッド、適切な温度、十分な運動、リラックスできる環境があれば、掘り行動も落ち着いてきます。

愛犬の掘る仕草は、野生の名残を感じさせる可愛い行動の一つ。「寝る準備してるんだな」と温かく見守ってあげてくださいね。そして、より快適に過ごせるよう環境を整えてあげることで、愛犬との絆もさらに深まりますよ。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。