【トリマー資格】はなぜ国家資格じゃない?地位向上を目指すために知っておくべき真実

「トリマー資格は、どうして国家資格じゃないの?」「愛玩動物看護師は国家資格なのに、どうしてトリマーは民間のままなの?」この記事にたどり着いたみなさんは、そんな疑問を抱いているのではないでしょうか。

今回は、トリマーの資格制度の現状や国家資格化の可能性、そして将来の展望について徹底解説します。この記事を読めば、トリマーを目指すべきかどうか、また目指すならどのような準備をすべきかが明確になるはずです。

トリマー資格は民間資格

トリマーは、犬や猫などのペットの美容と健康をサポートする、非常にやりがいのある仕事です。しかし、現状ではトリマーの資格はすべて民間資格であり、国家資格は存在しません。

1.トリミングは「美容」?「医療」?

トリミングは、単なる「おしゃれ」ではありません。カットやシャンプーを通じて、皮膚病の予防や早期発見、寄生虫の駆除など、ペットの健康管理にも深く関わっています。

しかし、法律上は「獣医療」行為とはみなされていません。獣医療行為は、獣医師免許を持つ者のみが行うことができると定められています。トリミングは、あくまで「美容」の範疇とみなされているため、国家資格が必要な「医療」とは区別されているのです。

ひろこ

トリマーとしてスキルアップを目指すなら、皮膚病や寄生虫に関する知識を深めましょう。専門知識があれば、飼い主さんからの信頼度も高まります!

2.ペット業界の歴史とトリマーの地位

日本のペット業界は、欧米に比べて歴史が浅く、法整備も遅れているのが現状です。トリマーという職業も、比較的新しい職業であり、社会的な認知度や地位が確立されているとは言えません。

また、トリマーの教育機関や資格試験も統一されておらず、各団体が独自の基準で運営しているため、業界全体の標準化が進んでいません。国家資格化を進めるには、まずトリマーの業務範囲を明確にし、業界内での統一基準を作る必要があります。

トリマーの給与水準や労働環境も課題となっています。国家資格化が実現すれば、専門職としての地位向上が期待できますが、制度設計をどのように進めるかが大きなポイントです。

愛玩動物看護師は国家資格なのに…トリマーとの違いは?

2019年に愛玩動物看護師法が成立し、愛玩動物看護師は国家資格となりました。これは、ペットの高齢化や医療の高度化に伴い、動物看護の専門性が高まったことが背景にあります。では、なぜトリマーは国家資格化されないのでしょうか?

1.業務内容の違い

愛玩動物看護師は、獣医師の指示のもと、診療の補助や入院動物の看護など、獣医療行為の一部を行うことができます。つまり、「治療」を目的とした業務が中心となります。

一方、トリマーは、トリミングやグルーミングを通じて、ペットの美容と健康維持をサポートします。あくまで「予防」を目的とした業務が中心となるため、愛玩動物看護師とは業務内容が大きく異なるのです。

ひろこ

愛玩動物看護師と協力することで、トリマーとしてのスキルの幅が広がります。病院併設のトリミングサロンで経験を積むのもおすすめです!

トリマー資格は国家資格になる可能性はある?

トリマーの国家資格化を求める声は、業界内外から根強く上がっています。ペットの高齢化や医療の高度化が進む中、トリマーの専門性もますます重要視されるようになってきました。しかし、国家資格化には多くの課題が残されています。

💡国家資格化を阻む3つの課題💡

1.法整備の遅れ

  1. トリミング業務が法律上どのような位置づけになるのかが明確になっていません。
  2. 「美容」なのか「医療補助」なのかを明確にする法整備が必要です。

2.業界団体の連携

  1. 現在、トリマーの資格は複数の民間団体が運営しており、統一基準がありません。
  2. 国家資格化には、業界全体での統一した基準の確立が必要不可欠です。

3.社会的な認知度向上

  1. 一般の人々に、トリマーが単なる「ペットの美容師」ではなく、ペットの健康管理にも貢献する職業であることを理解してもらう必要があります。
  2. トリマーの役割の重要性を広めるための啓発活動が求められています。

では、これらの課題に対して私たちできることとは何でしょうか?

💡国家資格化のためにトリマーができること💡

国家資格化の実現には、トリマー自身が業界のレベル向上に貢献することが重要です。下記のポイントを踏まえながら、トリマーの地位向上を目指しましょう。

1. 資格取得の推奨:専門知識・技術の習得

トリマーのスキル向上には、専門的な知識や技術の習得が欠かせません。現状では国家資格はありませんが、民間資格の取得やセミナー・研修の受講を通じて、スキルアップを図ることができます。特に、ペットの皮膚・被毛の健康管理に関する知識を深めることで、より専門性の高いトリマーとして活躍できます。

2. 業界団体の活動支援:情報収集・意見発信

トリマーの国家資格化を進めるためには、業界団体の活動に協力することも重要です。業界団体が統一された基準を策定し、国への働きかけを強化することで、国家資格化の実現に近づく可能性が高まります。トリマー自身も、最新の業界動向を把握し、積極的に意見を発信していくことが求められます。

3. 社会への啓発活動:トリマーの重要性をアピール

一般の人々に、トリマーの役割や重要性を知ってもらうことも必要です。トリマーは単なる「ペットの美容師」ではなく、ペットの健康を守る大切な職業です。そのため、SNSやブログなどを活用し、トリマーの専門性や価値を広める啓発活動を行うことが、国家資格化に向けた第一歩となるでしょう。

  1. 資格取得の推奨
  2. 業界団体の活動支援
  3. 社会への啓発活動

一人ひとりの意識と行動が、業界全体の発展につながります。未来のために、今できることから始めましょう。

ひろこ

SNSやブログで自身のスキルやトリミングの知識を発信すると、飼い主さんからの信頼を得るだけでなく、業界全体の発展にも貢献できます!SNSやYouTubeでの情報発信も効果的です!

まとめ

今回の記事では、「トリマー資格 国家資格」というテーマで、トリマーの資格制度の現状、国家資格化の可能性、そして私たちができることについて解説しました。

トリマーは、ペットの健康と幸せをサポートする、非常にやりがいのある仕事です。国家資格化には課題も多いですが、将来に向けて、トリマー全体のレベルアップを目指し、社会的な認知度を高めていくことが重要です。

資格の有無に関わらず、日々の努力とスキル向上がトリマーとしての価値を高めます。今できることから始めて、一歩ずつ成長していきましょう!この記事が、トリマーを目指すあなたにとって、少しでも参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。