コロナ禍の影響でペットを飼う人が増えている昨今。ペットに愛情をかけている人も少なくないでしょう。人によって好みの犬種は違いますよね。様々な犬種が存在しますが、その中でも最近大人気なのが「柴犬」です。代表的な日本犬ですが、実は海外でも有名で人気があります。
今回の記事では、そんな「柴犬」にフォーカスをあて、柴犬の歴史や飼い方、生態などについて解説していきます。
柴犬の歴史
犬種の用途やルーツによってグループ分けされていることはご存知でしょうか?各団体により公認されている犬種の数には差がありますが、FCI(国際畜犬連盟)では343犬種が公認されており、犬種の機能や形態によって10のグループに分類されています。
柴犬は第5グループに所属しており、カテゴリーは「スピッツ&プリミティブ・タイプ」。日本古来の土着犬。「シバ」とは元来「小さなもの」「小さな犬」を意味します。
柴犬は山岳地帯に生息し、小動物や鳥の猟犬として使われていました。1868年から1912年にかけて、イングリッシュ・セターやイングリッシュ・ポインター等の犬種が英国から輸入され、狩猟がスポーツになり、これらの英国原産犬種との異種交配が流行すると、純粋な柴犬はほとんど見られなくなりました。
1928年頃からハンターおよび知識人が純粋な柴犬の保護に関心を示し始め、1934年に社団法人日本犬保存会のスタンダードが制定された。1936年に天然記念物に指定され、繁殖・改良されて今日知られるすぐれた犬種となったそうです。(「最新犬種図鑑-写真で見る犬種とスタンダード-」から抜粋)
身近に感じていた柴犬ですが、実はこんな古い歴史があったのですね。
柴犬の性格
「柴犬」と聞いてどのようなイメージを持ちますか?「日本犬」「忠実」「シャープでかっこいい!」などのイメージを持たれてる方が多いかもしれません。とても愛くるしい表情で、見つめられると思わず微笑んでしまう可愛い柴犬。黒目が大きく、人々を惹きつける魅力がありますよね。
しかし、そんな柴犬もトリマー目線だとトリミングに苦労する一面も。柴犬の性質上、水を極端に嫌う特徴があります。なぜ水を嫌うのでしょうか?それはズバリ「猟犬」のため水に慣れていないからです。
柴犬の特徴の中に「忠実」「感覚鋭敏」「警戒心に富んでいる」のキーワードがあります。「感覚鋭敏」や「警戒心に富んでいる」の特徴から、肌で感じる水が苦手、はじめて見る水に警戒心を感じる、このことからシャンプーが苦手なのです。
柴犬は凛として強い印象がありますが、実はとっても繊細です。はじめてのことが苦手で、環境の変化にも敏感です。柴犬がトイプードルやチワワなどの愛玩犬のように、愛想を振りまいている姿をあまり見たことがありませんよね?警戒心が強いため、触られたり、接近されると怖がってしまうのです。
侍みたいな柴犬ですが、意外にも警戒心が強く繊細な性格にビックリ!!必要最低限でのスキンシップだと物足りなく感じてしまいますが、柴犬の性格を理解して仲良くしましょう。
柴犬にトリミングは必要か?
柴犬は被毛が短いですが、トリミングは必要なのでしょうか?ここでは、柴犬の被毛について解説していきます。
被毛について
柴犬は通常トリミング犬種ではないため、お手入れの頻度が分からない飼い主さんもいるかもしれません。犬の被毛は長毛種と短毛種、さらに、シングルコートとダブルコートの2種類に分かれます。柴犬の被毛は短毛種のダブルコートになります。
ダブルコートとは、被毛が二重層になっていることを言います。上毛と下毛で構成されており、それぞれ特徴があります。簡単に説明すると、上毛は硬く丈夫な毛で、下毛は柔らかい毛です。
換毛期
さらに柴犬には、春と秋に「換毛期」と呼ばれる、季節によって被毛が生え変わる時期があります。この時期のトリミングは大変です。トリミング室が毛で充満するくらい毛が抜けます。
毛が抜けるからと、柴犬の被毛をバリカンで刈ったり、短くカットすると、季節に応じて生え変わる被毛に対応できなくなってしまいます。
また、二重層によって体温調節しているため、冬は快適に過ごせますが、夏は暑く体温調節が難しくなります。暑いからと被毛を短くしてしまうと、本来の柴犬の性質に反してしまい、環境に適応できなくなってしまうのです。
トリミング
柴犬の被毛はダブルコートの短毛のため、伸び続けるわけではありません。そのためカットすると毛が生えてこない可能性があります。柴犬だけではなく、例えばダブルコートのポメラニアンなどもこれに当てはまります。
基本的に柴犬にカットは必要ありません。場合によっては、四肢やお尻周りのモサ毛をカットすることがありますが、基本的には必要ありません。大切なことは、定期的なシャンプーとブラッシングです。シャンプーは少なくても月に一回を心がけてください。
ブラッシングは、子犬の時からブラシに慣れさせたり、成犬ならば毎日のルーティンにして徐々に慣れさせましょう。特に、換毛期は毎日被毛が抜けるので、頑張ってブラッシングしてみましょう。
以前、私が務めていた動物病院の飼い主さんに、柴犬の全身2ミリバリカンのトリミングをお願いされたことがあります。その柴犬は、病気だったためバリカンをかけましたが、今後、被毛が生え揃わない旨を説明した上でトリミングしました。
柴犬の正しい飼い方は?
柴犬を飼う上で、注意すべきポイントが2つあります。正しい飼い方一体どのようなことでしょうか?以下にまとめました。
飼育環境
一昔の柴犬は、屋外飼育をしているイメージが強いですが、現在は感染症や脱走の危険性があるため屋内飼育をしている方が多いかもしれません。
柴犬は環境に対して順応に対応できるので、屋内、屋外ともに飼育することができます。柴犬は、ダブルコートで寒さには強いですが、暑さにはとても弱いです。
屋内で飼育する場合でも、熱中症に気をつけなければなりません。お留守番させる際には、冷房などをつけて体調管理に気をつけましょう。
散歩
犬にとってお散歩は「ストレス解消」「運動不足解消」「探究心を満たす」など、大切な習慣の一つです。柴犬を飼う上で、お散歩は欠かせません。一日の散歩量は、成犬で約1時間程度を目安にしてあげるといいです。何回かに分けて連れて行くのが適切です。
生活環境によって、屋内でトイレをするように“しつけ”をしているご家庭もあるかもしれませんが、天候が良い日は、積極的にお散歩に連れて行って、日光浴と気分転換をしてあげてください。
柴犬と上手に付き合う方法は?
柴犬の性格を把握したうえで、上手に付き合う方法はあるのでしょうか?ここでは、柴犬との上手な付き合い方について解説していきます。
性質を理解する
柴犬は飼い主に対して、とても忠誠心が高い日本犬です。一度心を許すと信頼関係が生まれ、寄り添いながら仲間意識も高まります。しかし、頑固な一面もあり臆病で繊細です。柴犬と上手に付き合うには、いろいろな面で根気強く教えていかなくてはなりません。
しつけをしっかりとする
柴犬の“しつけ”は難しいと言われています。子犬の時から、やってはいけないことを少しずつ教えていき、できたらおやつなどを与えて褒めてあげる。この繰り返しになります。主従関係の社会で育つ犬は、リーダーを決めその人に従います。
自分より下だと感じると、噛んだり、言うことを効かなくなるので、できたら多少オーバーに褒めて、やってはいけないことをしたら凛とした態度で叱る。メリハリを付けてしつけができたら良いでしょう。
柴犬と相性がいい犬種は存在する?
人間と一緒で、同じ柴犬でも、その子の性格や育った環境によって個性は違いますよね。一概に断定するのは難しいですが、割りと相性が良い犬種は、同じ柴犬です。
縄張り意識が強く、独立心に富んでいる柴犬は、干渉されたり、しつこくされたり、過度なスキンシップを嫌います。柴犬同士だと適度な距離を保ちながら過ごせるのではないでしょうか。
性別はオス同士だと喧嘩になった際、怪我をするまで戦う可能性があるため、できればオスとメスの異性で飼うことをオススメします。
世界で愛される柴犬。見た目からは想像できない繊細な性格で、ちょっぴり頑固ですが憎めない可愛らしさがありますね。少々ツンデレですが、そんな性格が人気の理由なのかもしれませんね。
まとめ
今回の記事では、みんなから愛される【柴犬の生態】について深掘りして解説しました。見た目は強そうですが、中身は繊細で臆病な一面があるのですね。そのギャップが人気の理由かもしれません。最後までお読みいただきありがとうございました☺
- 柴犬の性格を理解して上手に付き合っていく
- 柴犬はダブルコートで体温調節がとても大事
- 柴犬はトリミングをしなくてもいいが、シャンプーやブラッシングなどのお手入れは欠かせない
- 毎日お散歩に連れていきリフレッシュさせることが重要
- 多頭飼いする際は、同じ柴犬を飼うと仲良くなれるかもしれない
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