愛犬がソファでゴロゴロしている姿に癒される飼い主さんも多いかと思います。しかし、その可愛い姿の裏に「運動不足」の影が潜んでいることをご存じでしょうか?
犬の運動不足は、健康面・精神面の両方に悪影響を及ぼす可能性があります。今回の記事では、犬の運動不足によるリスクから、その解消法までを詳しく解説します。
犬の運動不足がもたらす健康への影響
犬の運動不足は、さまざまな健康トラブルを引き起こす原因となります。ここでは、運動不足がもたらす健康への影響について解説します。
1.肥満と生活習慣病のリスク
運動量が少ないと、摂取したカロリーを消費できず、脂肪として蓄積されます。これが続くと肥満になりやすくなり、高脂血症や糖尿病、関節への負担増加といった生活習慣病を引き起こす恐れがあります。
特に小型犬や室内飼いの犬は、散歩の頻度が少なかったり、家の中でもあまり動かなかったりするため、注意が必要です。
愛犬の体型をチェックするときは、肋骨が軽く触れるかどうかを目安にしましょう。触れにくい場合は、運動量や食事内容を見直すサインです。
2.筋力・持久力の低下
犬は本来、活発に動く動物です。運動不足が続くと筋肉量が減少し、持久力も落ちていきます。その結果、少しの運動で疲れてしまい、ますます動かなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
また、シニア期に入ると筋力の維持が特に重要になります。若いうちから適度な運動を習慣づけておくことが、老後の寝たきり予防にもつながります。
犬の運動不足が引き起こす精神的ストレス
運動は犬のストレス発散手段でもあります。動かない日々が続くと、身体だけでなく心にも負担がかかります。ここでは、運動不足が引き起こす精神的なストレスについてお伝えしていきます。
1.問題行動の原因に
運動不足の犬は、エネルギーが有り余っているため、無駄吠えや噛み癖、破壊行動などの問題行動を起こすことがあります。これは、ストレスや退屈を発散しようとするサインとも言えます。「最近いたずらが増えたな」と感じたら、運動不足を疑ってみてください。
2.鬱のような無気力状態にも
運動不足が長く続くと、反対に元気がなくなる犬もいます。好きなおもちゃにも反応しなくなったり、寝てばかりになったりする場合は、精神的に参っているサインかもしれません。
日々の行動を観察し、急激な変化が見られたら、まず生活リズムや運動量を見直すことが大切です。それでも改善しない場合は獣医師に相談しましょう。
犬の運動に最適な時間と方法
「運動不足を解消したいけれど、何から始めたら良いかわからない」という飼い主さんも多いはず。ここでは、犬の運動の基本をご紹介します。
1.散歩は毎日!時間は犬種によって調整
散歩は犬の運動の基本です。小型犬なら1回30分程度、中型〜大型犬なら1時間程度が目安となります。ただし、犬種や年齢、体調によって適切な時間は異なりますので、愛犬に合わせて調整しましょう。
理想の散歩頻度
- 小型犬:1日1〜2回、各20〜30分
- 中型犬:1日2回、各30分〜1時間
- 大型犬:1日2回、各1時間程度
2.雨の日や暑い日の代替運動も考えて
天候が悪い日は散歩が難しいこともあります。そんな日は、室内での遊びや知育トイ、階段の上り下りなどで代替運動を行いましょう。最近は室内ドッグランやトレッドミルを導入している家庭も増えています。無理のない範囲で工夫して運動時間を確保しましょう。
室内でできる簡単な運動&遊び
「散歩に出る時間がない…」という飼い主さんでも、工夫次第で室内でも十分な運動をさせることができます。ここでは、2つの遊びについて解説します。
1.ボール遊びや引っ張りっこ遊び
狭いスペースでも楽しめるのが、ボール遊びや引っ張りっこ遊びです。特に引っ張りっこは、短時間でも犬の筋肉を使わせ、運動不足の解消につながります。
おもちゃを使って、上下左右に動かすことで自然と身体を使います。飽きないように、数種類のおもちゃをローテーションで使うのもおすすめです。
2.知育トイで頭と体を同時に使う
運動不足は脳の刺激不足にもつながります。知育トイは、頭を使いながら身体を動かすため、運動としても非常に有効です。市販の知育おもちゃを使ってもよいですし、タオルにおやつを巻いて「探し当てる」遊びもおすすめです。
遊びの時間を決めてルーティン化すると、犬が「運動の時間=楽しい」と覚え、積極的に動くようになります。
どんな犬が運動不足になりやすい?
すべての犬が運動不足になる可能性はありますが、特に注意が必要なタイプをご紹介します。
1.小型犬やシニア犬
「小型犬は運動が少なくて良い」と思われがちですが、実は小型犬も適度な運動が必要です。また、シニア犬は若い頃ほど動かなくなるため、意識的に身体を動かす時間を作ってあげましょう。
2.一人で留守番が多い犬
長時間の留守番が日常化していると、どうしても運動不足になりがちです。帰宅後や朝に少しでも遊ぶ時間を確保することで、ストレス軽減にもつながります。
まとめ
犬の運動不足は、太りやすくなったり、筋力が落ちたり、イライラしていたずらが増えたりと、いろんな問題を引き起こすことがあります。でも、毎日ちょっとずつ体を動かすだけで、愛犬の健康寿命をぐーんと伸ばせるんです。元気いっぱいで、ニコニコ過ごす毎日をサポートするカギは「運動」にあります。
「毎日お散歩に行くのはちょっと大変かも…」という日もあると思います。でも、室内でのおもちゃ遊びやちょっとしたトレーニングでもOK!大切なのは、飼い主さんが“運動って大事だな”って意識することです。
ほんの少しの工夫が、わんちゃんの毎日をもっと楽しく、健康的に変えてくれますよ。今日から、できることから始めてみませんか?最後までお読みいただきありがとうございました☺