「マルチーズは見た目は可愛いけれど、実は性格が悪い」そんな噂を聞いたことはありませんか?真っ白な美しい被毛と愛くるしい瞳で多くの人を魅了するマルチーズですが、一部では「わがまま」「気が強い」といったネガティブな評価を受けることがあります。
しかし、これらの「性格の悪さ」は本当にマルチーズ固有の問題なのでしょうか?実際のところ、多くの場合は誤解や不適切な飼育環境が原因となっています。今回の記事では、マルチーズが「性格が悪い」と言われる具体的な理由と、その背景にある真の原因について詳しく解説します。
愛犬との関係に悩んでいる飼い主さんや、これからマルチーズを迎えようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
マルチーズが「性格が悪い」と言われる具体的な行動
マルチーズが「性格が悪い」と言われることがあるのには、いくつかの特徴的な行動パターンが関係しています。これを知ることで、愛犬への対応やしつけに役立てられます。
1.過度な警戒心と攻撃性
マルチーズは本来、強い警戒心を持つ犬種です。その小さくてか弱い体を守ろうとするためか、見知らぬ人や他の犬に対して吠えたり、場合によっては噛みつくこともあります。たとえば、家の玄関のチャイムに激しく吠えたり、散歩中に他の犬を威嚇したり、来客に対して攻撃的になることも少なくありません。
この行動は、マルチーズが昔から番犬や愛玩犬として家族を守る役割を果たしてきた歴史と関係しています。ただ、現代の住宅環境では、その強い警戒心が「うるさい」や「攻撃的」といった誤解を招いてしまうこともあるのです。
2.わがままで頑固な態度
マルチーズは知能が高く、自分の意思をはっきりと持っている犬種です。これが原因で、気に入らない食事を拒否したり、散歩に行きたくない時に動かなかったりと、頑固な一面が見られます。自分の思い通りにならないと不機嫌になり、拗ねることもあります。
甘えたいときに飼い主にしつこく付きまとい、逆に機嫌が悪いときは近寄らせないなど感情豊かに表現する様子もあるため、「性格が悪い」と誤解されることもあります。
3.他の犬や動物への嫉妬心
マルチーズは飼い主への深い愛情を持つ一方、独占欲も強い傾向があります。多頭飼育の場合、他の犬やペットが飼い主の気を引くと嫉妬して、時に攻撃的な態度を示すことも。
飼い主の膝を独り占めしようとしたり、他のペットに対して敵対的になったりすることも珍しくありません。この嫉妬心は「自分だけが特別な存在でいたい」という気持ちの表れであり、適切な社会化がなされていない場合は一層顕著になります。
「性格の悪さ」の真の原因と背景
実は、マルチーズの問題行動は犬種固有の性質よりも、飼育環境やしつけの方法に起因していることが多いのです。ここではその原因を詳しく見ていきましょう。
1.過保護な飼育環境の影響
可愛らしい見た目ゆえに飼い主が過度に世話を焼いてしまい、抱っこばかりで歩かせなかったり、他の犬や人との接触を避けたりしがちです。こうした過保護な環境は、マルチーズの社会性や自立心を育てる妨げとなります。
結果として「私は特別で嫌なことはしなくていい」という誤った学習をし、さらに知らない刺激に対して過剰に警戒し攻撃的になることがあります。
2.不適切なしつけと甘やかし
小さな犬だからと、基本的なしつけを怠ったり、問題行動を許してしまったりすることも問題の一因です。要求吠えにすぐおやつを与えたり、甘噛みを許してしまう、トイレの失敗を叱らないなどの対応は、犬に間違ったメッセージを送ることになります。
知能の高いマルチーズは、このような矛盾した対応から「何をしても許される」という認識を持ち、わがままで制御が難しい性格が作られてしまうことがあります。
3.社会化不足による問題
特に子犬期の社会化が不足すると、マルチーズは成犬になってからの人や他の犬との関わりに問題が出やすくなります。恐怖や不安から攻撃的になったり、過度に警戒したりしてしまいます。生後3〜6ヶ月ころに経験を積めなかった場合、後からの行動改善が難しくなることが多いのが特徴です。
関係改善のための具体的な方法
マルチーズとの良好な関係を築くには、根気強く一貫したケアが必要です。日常生活の中でできる工夫やしつけのポイントを解説します。
1.一貫したルールとしつけの確立
家族全員でルールを統一し、例外を作らず守ることが非常に重要です。食事の時間、散歩のルール、禁止事項などを明確に決め、しっかりと徹底しましょう。
マルチーズは賢いため、一貫性がないと混乱してしまい、より頑固な態度をとることがあります。基本的なコマンドもしっかり教えると、飼い主との信頼関係が深まります。
2.適切な社会化の促進
成犬になってからでも社会化は進められます。家庭内で音や様々な刺激に慣らしたり、散歩時に他の犬や人との適切な距離を保ちつつポジティブな体験を積ませることが肝要です。
ドッグランやしつけ教室も効果的ですが、マルチーズの性格を理解したトレーナーがいる場所を選び、無理なく段階的に慣らしていくことがポイントです。
3.精神的な刺激と運動の充実
マルチーズは小さな犬でも適度な運動と精神的刺激が必要です。知育玩具で遊んだり、新しいトリックを教えたりして、知的好奇心を満たすことはストレス軽減につながります。
毎日の散歩は運動だけでなく外界との接触機会としても重要で、刺激不足は問題行動を増やす一因となります。
マルチーズの行動改善には時間がかかることを理解し、焦らずじっくり続けることが成功への近道です。問題が長期間続いている場合、半年から一年以上かかることも珍しくありません。小さな変化でも見逃さず褒めることと、常に一貫した態度を持ち続けることが、大きな進歩につながります。
マルチーズのストレスサインと早期発見の重要性
マルチーズは小さな体ながら感受性が豊かで、ストレスがたまりやすい犬種でもあります。ストレスが蓄積すると攻撃的な行動やわがままが強まるため、日常的にストレスの兆候を見逃さないことが大切です。
例えば、頻繁に吠える、過剰なグルーミング(自分の毛や体を噛む)、食欲の低下、普段は見せない怖がりやすい様子などはストレスサインの可能性があります。これらを早期に察知し、環境改善や適切なケアを行うことで問題行動の悪化を防げます。
環境づくりで改善できるマルチーズの問題行動
マルチーズの性格改善には、物理的な環境作りも重要です。安心できる寝床やくつろげるスペースの確保は精神的な安定をもたらします。また、静かな環境、適切な温度管理、予測可能な生活リズムが犬の安心感を支えます。騒音や急な来客は警戒心を刺激するため、徐々に慣らしていく工夫も必要です。
専門家の助けを借りる
どうしても問題行動が改善しない場合や、飼い主の対応だけで不安なときは、専門のドッグトレーナーや獣医師に相談することをおすすめします。専門家は行動分析や適切なしつけ方法を提示し、問題の根本解決をサポートしてくれます。特にマルチーズのような知能が高く感受性豊かな犬種は、細やかな対応が必要なことが多いため、早めのプロ介入がよい結果をもたらします。
まとめ
マルチーズの「性格が悪い」と言われがちな行動は、多くの場合、飼育環境や接し方に起因しています。正しい理解と適切な飼育環境を整えることで、マルチーズ本来の愛らしく賢い性格が表れてきます。
過保護も放任も避け、バランスの取れた接し方を心がけることで、マルチーズは家族として最高のパートナーとなるでしょう。
愛犬の性格に悩みを感じる方は、今日からできる小さな工夫と変化を積み重ねてみてください。きっと、愛犬の本当の魅力に気づける日が来るはずです。最後までお読みいただきありがとうございました☺