真っ白でふわふわの被毛に包まれたボロニーズは、イタリア貴族に愛された歴史を持つ優雅な小型犬です。穏やかで愛情深い性格と、家族との強い絆を築く能力が魅力ですが、美しい被毛を維持するには毎日のケアが欠かせません。
今回の記事では、ボロニーズの性格や特徴、日々のお手入れ方法、健康管理のポイント、そして迎える前に知っておくべき重要な情報まで、初めて飼う方にもわかりやすく解説します。

ボロニーズとは?
真っ白でふわふわとした被毛に包まれた小型犬、ボロニーズ。まるで雲のような柔らかな外見と、穏やかで愛情深い性格が魅力のこの犬種は、日本ではまだあまり知られていませんが、ヨーロッパでは長い歴史を持つ高貴な犬として愛されてきました。
1.ボロニーズの歴史
ボロニーズは、イタリアのボローニャ地方を原産とする小型犬で、ビション・フリーゼやマルチーズと同じビション系に分類されます。11世紀頃から存在し、ルネサンス期のイタリア貴族たちに深く愛されていました。特にメディチ家をはじめとする名門貴族たちが好んで飼育し、肖像画にもしばしば描かれるほどでした。
2.外見的な特徴
体重は2.5〜4キロ、体高は25〜30センチほどの小型犬で、全身が純白の長い巻き毛で覆われています。被毛は絹のように柔らかく、最高級のカシミアのような感触です。目は大きく丸く濃いブラウンで、表情豊かな瞳が見る人の心を捉えます。垂れ耳が顔の両側にふわりと垂れ下がり、全体的に柔らかく優しい印象を与えます。

ボロニーズを探す際は、信頼できるブリーダーを見つけることが重要です。日本での繁殖数が少ないため、親犬の健康状態や血統、飼育環境を確認できるブリーダーを選びましょう。
ボロニーズの性格と気質
ボロニーズは外見の可愛らしさだけでなく、その素晴らしい性格でも飼い主を魅了します。穏やかで優しく、家族に対して深い愛情を注ぐ犬種です。
1.家族との強い絆
この犬種の最大の特徴は、強い絆を築く能力です。家族と一緒にいることを何よりも好み、いつも飼い主のそばにいたがります。静かに寄り添い、飼い主の気持ちを敏感に察知する能力に長けています。一人暮らしの方や、常に愛犬と一緒にいたいと考える方には理想的なパートナーです。
2.賢くしつけやすい性格
知能も高く、しつけがしやすい犬種です。飼い主を喜ばせることに喜びを感じるため、基本的な訓練はスムーズに進みます。ただし、非常に繊細な性格のため、厳しい叱責は逆効果です。褒めて伸ばすポジティブなトレーニングが最も効果的で、優しい声かけとご褒美を使った方法で驚くほど早く学習します。
3.他のペットや子どもとの相性
他の犬や動物との相性も良好で、攻撃的な面はほとんどありません。多頭飼いにも向いており、子どもとの相性も良いです。ただし、小型犬であるため、小さなお子さんには犬を乱暴に扱わないよう教育が必要です。
4.分離不安に注意
一方で、分離不安になりやすい傾向があります。家族との絆が強いがゆえに、長時間の留守番が苦手でストレスを感じやすいのです。留守番が長い生活スタイルの方には向かないかもしれません。

分離不安を予防するには、子犬の頃から「短時間の留守番」を練習することが効果的です。最初は5分から始め、徐々に時間を延ばしていきましょう。

ボロニーズの被毛ケアと日常のお手入れ
ボロニーズの美しい白い被毛を維持するには、適切なケアが欠かせません。この犬種を飼う上で最も時間と手間がかかるのが被毛の管理です。
1.毎日のブラッシング
ボロニーズの被毛はシングルコートで抜け毛が少ないという利点がありますが、被毛が伸び続けるため定期的なトリミングが必要です。また、柔らかく絡まりやすい毛質のため、毎日のブラッシングは必須です。
理想的には1日1回はしっかりとブラッシングを行いましょう。スリッカーブラシやピンブラシを使い、優しく丁寧に毛をとかします。特に耳の後ろ、脇の下、内股は毛玉ができやすいので念入りにケアが必要です。毛玉ができた場合は、無理に引っ張らず毛玉取りスプレーを使いながら少しずつほぐしましょう。
2.シャンプーとドライング
シャンプーは月に1〜2回程度が適切です。犬用の低刺激性のものを選び、しっかりとすすぐことが重要です。シャンプー後はドライヤーで根元から丁寧に乾かします。生乾きは雑菌繁殖の原因になります。
3.定期的なトリミング
トリミングは6〜8週間に一度、プロのトリマーにお願いするのが理想的です。伝統的なフルコートスタイルから、お手入れがしやすい短めのカットまで、ライフスタイルに合わせて選べます。
4.目と耳のケア
目の周りのケアも重要です。白い被毛のため涙やけが目立ちやすく、毎日専用のクリーナーで拭き取り清潔に保ちましょう。耳も垂れ耳で通気性が悪いため、定期的にチェックし、汚れていれば専用のイヤークリーナーで掃除します。
ボロニーズの健康管理と注意すべき病気
ボロニーズは比較的健康な犬種ですが、特定の健康問題には注意が必要です。適切な知識を持つことで、愛犬の健康を長く守ることができます。
1.平均寿命と一般的な健康状態
平均寿命は12〜14歳程度ですが、適切なケアを行えば15歳以上生きることも珍しくありません。
2.膝蓋骨脱臼
特に注意すべき健康問題として、膝蓋骨脱臼があります。予防としては、滑りやすい床にマットを敷く、過度な運動を避ける、適正体重を維持するなどの対策が有効です。
3.目の疾患
目の疾患にも注意が必要で、白内障や進行性網膜萎縮症が見られることがあります。高齢になるとリスクが高まるため、シニア期に入ったら半年に一度は獣医師に目の状態をチェックしてもらいましょう。
4.歯周病予防
歯周病も小型犬に多い問題です。小さな口に歯が密集して生えているため歯垢が溜まりやすく、毎日の歯磨きを習慣化することが重要です。できれば子犬の頃から歯磨きに慣れさせておきましょう。
5.適度な運動
適度な運動も健康維持には欠かせません。1日2回、各20〜30分程度の散歩が理想的です。過度な運動は関節に負担をかけますが、適度な運動は筋肉を維持し、肥満を防ぎ、精神的な刺激にもなります。

ボロニーズは寒さに弱い犬種です。冬場の散歩には犬用の洋服を着せ、室内温度も18〜22度程度に保ちましょう。夏場は早朝や夕方の涼しい時間帯に散歩をし、熱中症を予防します。
まとめ
ボロニーズは、その愛らしい外見と穏やかな性格から、一度飼えば生涯忘れられない特別なパートナーとなる犬種です。手間はかかりますが、それ以上の喜びと癒しを与えてくれる存在です。
この犬種を選ぶということは、毎日の丁寧なケアと深い愛情を注ぐことにコミットするということです。ボロニーズは飼い主に全幅の信頼を寄せ、無条件の愛を注いでくれます。
適切な環境と十分な愛情があれば、ボロニーズは最高の家族の一員となり、あなたの人生を豊かに彩ってくれるでしょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺
