愛犬が高齢になると、これまで当たり前のように通っていたトリミングサロンから、突然「お断り」されてしまうことがあります。
飼い主さんにとっては、「なぜ?」「うちの子に何かあったの?」と不安になりますよね。
実はこれは、珍しいことではありません。老犬のトリミングには、若い犬とは違うリスクが伴うため、サロン側も慎重な判断をしているのです今回の記事では、なぜ老犬のトリミングが断られるのか、その背景を解説します。

老犬のトリミングが断られる理由とは
愛犬が高齢になってくると、いつも通っていたトリミングサロンから突然断られてしまうことがあります。飼い主さんにとっては戸惑いや不安を感じる出来事ですよね。なぜ老犬のトリミングは断られてしまうのか、その理由と対処法について詳しく解説していきます。
トリミングサロンが老犬を断る主な理由
1.体力的な負担が大きい
トリミングは想像以上に犬の体力を消耗する作業です。シャンプー台の上で立ち続けたり、ドライヤーの音や風に耐えたり、カットのために同じ姿勢を保ったりと、若い犬でも疲れる作業です。
老犬になると筋力が低下し、長時間同じ姿勢を維持することが難しくなります。心臓や呼吸器に負担がかかり、施術中に体調を崩してしまうリスクも高まるため、サロン側も慎重にならざるを得ません。
2.持病や健康上のリスク
高齢犬は心臓病や腎臓病、関節炎などの持病を抱えていることが多く、トリミング中のストレスが病状を悪化させる可能性があります。特に心臓が弱っている犬の場合、興奮やストレスで急激に血圧が上がり、危険な状態になることもあります。
また、てんかんや認知症がある場合、慣れない環境での施術が発作を引き起こすこともあります。サロン側には獣医師のような医療設備や知識がないため、万が一の事態に対応できないという判断から断られることが多いのです。
3.事故やトラブルの責任問題
残念ながら、トリミング中に老犬が体調を崩したり、最悪の場合亡くなってしまったりするケースも実際にあります。たとえサロン側に過失がなくても、飼い主さんとの間でトラブルになることを避けるため、リスクの高い老犬の受け入れを控えるサロンが増えているのが現状です。これはサロン側の経営判断として理解せざるを得ない部分でもあります。

トリミングサロンを選ぶ際は、事前に電話で愛犬の年齢や健康状態を正直に伝えましょう。老犬対応の経験が豊富なサロンや、獣医師と連携しているサロンなら安心して任せられます。隠して予約すると、当日断られてしまう可能性もあるので注意が必要ですよ。
老犬でもトリミングを受けられる方法
トリミングを断られてしまっても、諦める必要はありません。老犬の体調や状態に合わせた方法を選べば、清潔で快適な状態を保つことができます。ここでは老犬のトリミングを続けるための具体的な選択肢をご紹介します。
1.老犬対応のトリミングサロンを探す
最近では老犬専門のトリミングサロンや、高齢犬の受け入れに積極的なサロンも増えてきています。こうしたサロンでは、休憩を挟みながら施術したり、時間をかけて丁寧に対応してくれたりと、老犬への配慮が行き届います。
料金は通常より高めに設定されていることもありますが、愛犬の安全を考えれば価値のある投資といえるでしょう。
2.動物病院併設のトリミングを利用する
動物病院に併設されているトリミングなら、万が一体調が悪化しても獣医師がすぐに対応できるため安心です。持病がある老犬や、心臓の弱い犬には特におすすめです。
事前に健康診断を受けてからトリミングを行うこともできるので、より安全に施術を受けられます。かかりつけの動物病院にトリミングがあるか確認してみてください。
3.出張トリミングサービスを活用する
自宅まで来てくれる出張トリミングなら、愛犬にとって慣れた環境で施術を受けられるため、ストレスを大幅に軽減できます。移動の負担もなく、他の犬がいないので落ち着いて過ごせるのもメリットです。
トリマーと一対一でじっくり対応してもらえるので、体調に合わせて休憩を取りながら進めることもできます。料金は通常のサロンより高めですが、老犬にとっては理想的といえるでしょう。

どうしてもトリミングサロンが見つからない場合は、部分カットを検討してみましょう。全身カットではなく、目の周りや足裏、お尻周りなど衛生面で重要な部分だけをカットしてもらうことで、愛犬の負担を減らしながら清潔を保てます。自宅でできる簡単なお手入れと組み合わせれば十分ですよ。

自宅でできる老犬のお手入れ方法
トリミングサロンに頼れない場合でも、自宅でのケアを工夫することで愛犬を清潔に保つことができます。老犬の体調に合わせた無理のないお手入れ方法を身につけましょう。
1.ブラッシングと部分洗いの活用
毎日のブラッシングは、被毛を清潔に保つ基本中の基本です。老犬の場合は短時間で済ませることを心がけ、疲れる前に終わらせましょう。全身シャンプーが難しい場合は、汚れやすい足先やお尻周りだけを洗う部分洗いが効果的です。ドライシャンプーや蒸しタオルで体を拭くだけでも、かなりの汚れを落とすことができます。
2.簡単な部分カットにチャレンジ
プロのような仕上がりは難しくても、目の周りの毛や足裏の毛は飼い主さんでもカットできます。ペット用のバリカンやハサミを使えば、安全に作業できます。最初は少しずつ慣れながら、愛犬がリラックスしているときに行いましょう。完璧を目指さず、衛生面を保つことを優先すれば十分です。
3.専門家のアドバイスを受ける
自宅でのケア方法について、トリマーさんや獣医師さんにアドバイスをもらうのもおすすめです。愛犬の犬種や被毛の特性、健康状態に合わせた具体的な方法を教えてもらえるでしょう。動画を撮って見せながら相談すると、より的確なアドバイスがもらえます。
老犬トリミングQ&A
ここでは、老犬のトリミングについてよくある質問とアンサーをご紹介します。
Q. 何歳から老犬トリミングは断られやすくなりますか?
A. 明確な年齢基準はありませんが、小型犬で10歳前後から慎重になるサロンが増えます。年齢よりも「体調」が重視されます。
Q. 持病があってもトリミングは可能ですか?
A. 病状によります。獣医師の許可があれば、病院併設や老犬対応サロンで可能なケースも多いです。
Q. トリミングをやめる判断は間違いですか?
A. いいえ。老犬の場合、「やらない選択」も立派な愛情です。快適さを最優先に考えましょう。
Q. シャンプーなしでもトリミングはできますか?
A. 可能です。カットのみ・部分ケアのみを選ぶことで、体力消耗を抑えられます。
まとめ
老犬のトリミングを断られてしまうと、ショックや不安を感じるのは当然です。しかしそれは、サロンが冷たいからでも、愛犬に問題があるからでもありません。多くの場合、高齢犬の体調や安全を最優先に考えた結果なのです。
トリマーとして現場で多くの老犬と向き合ってきましたが、年齢を重ねた犬に必要なのは「これまでと同じトリミング」ではなく、今の体に合った無理のないケアです。老犬対応のサロンや動物病院併設トリミング、出張トリミング、自宅での部分ケアなど、選択肢は決して一つではありません。
見た目を整えることよりも、愛犬が安心して過ごせることが何より大切です。できることを、できる範囲で続けていくことが、老犬にとって一番の優しさになります。これからも愛犬との時間を穏やかに、心地よく過ごすために、年齢に寄り添ったケアを選んでいきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺



