いつもならリラックスして横になって眠る愛犬が、急に落ち着きなく立ったままだったり、座った姿勢を崩さなかったりすると、飼い主さんとしてはとても心配になりますよね。
犬が横になれない、または横になろうとしない行動は、単なる気分の問題ではなく、体のどこかに不調や痛み、呼吸の苦しさを感じているサインであることも少なくありません。今回の記事では、犬が横になれないときに考えられる病気や原因、そして飼い主さんが取るべき対応について解説していきます。

犬が横になれない主な病気
犬が横になれない状態が続く場合、体のどこかに不調が起きている可能性があります。呼吸の苦しさや痛み、内臓の違和感などが原因で、楽な姿勢が取れなくなっていることも少なくありません。
特に次のような不調が関係していることがあります。
・呼吸が苦しくなる心臓や肺の病気
・強い腹部の張りや痛みを伴う消化器のトラブル
・内臓の圧迫や違和感を引き起こす腹水や腫瘍
ここでは、犬が横になれなくなる主な病気について、わかりやすく紹介します。
1.心臓病による呼吸困難
犬が横になれない原因の中でも、特に注意が必要なのが心臓病です。僧帽弁閉鎖不全症や拡張型心筋症などの心疾患があると、横になることで肺や心臓が圧迫され、呼吸が一気に苦しくなってしまいます。
そのため犬は、少しでも呼吸を楽にしようとして、座った姿勢や伏せの姿勢を保とうとします。舌や歯ぐきが紫色になるチアノーゼ、息が荒く肩で呼吸する様子が見られる場合は、命に関わる状態の可能性があります。高齢犬や小型犬に多い病気なので、日頃から呼吸の様子を意識して観察することが大切です。

寝ているときの呼吸回数を普段から把握しておくと、異変に気づきやすくなります。安静時に呼吸が明らかに速くなった場合は、早めの受診を検討しましょう。
2.胃拡張胃捻転症候群
大型犬に多く、緊急性が非常に高い病気が胃拡張胃捻転症候群です。胃の中にガスや内容物が溜まり、さらにねじれてしまうことで、強い腹痛と圧迫感が生じ、犬は横になることができなくなります。
お腹が急に膨らみ、よだれを大量に垂らす、吐こうとしても何も出ない、落ち着きなく動き回るといった行動が特徴です。発症から短時間で急激に状態が悪化するため、少しでも疑わしい場合はすぐに動物病院へ向かってください。食後すぐの運動や早食いも引き金になることがあります。
3.腹水や腹部の腫瘍
腹水が溜まっている場合や、腹部に腫瘍がある場合も、横になることで内臓が圧迫され、不快感や痛みが強くなります。腹水は心臓病や肝臓病、腎臓病などが原因で起こることがあり、お腹が張って見えるのが特徴です。腫瘍の場合、外から触ってわかることもありますが、見た目だけで判断するのは危険です。違和感を覚えたら、必ず獣医師の診察を受けましょう。

横になれない様子が続くときは、スマートフォンで動画を撮っておくと診察時に役立ちます。姿勢や呼吸の変化を客観的に伝えられますよ。
その他の考えられる原因
はっきりした病気が見つからない場合でも、犬が横になれなくなる原因はいくつか考えられます。関節や呼吸、内臓の不調など、比較的よく見られるケースを知っておくことで、早めの気づきにつながります。ここでは、主な病気以外に考えられる原因について解説していきます。
1.関節炎や椎間板ヘルニア
関節炎や椎間板ヘルニアなどの整形外科的なトラブルも、横になる動作そのものが痛みを伴うため、犬が横になれなくなる原因になります。
高齢犬では関節の変形や炎症が進みやすく、寝起きを嫌がったり、動きがぎこちなくなったりすることがあります。触られるのを嫌がる場所がある場合は、その部位に強い痛みがある可能性が高いです。
2.呼吸器系の病気
肺炎や気管支炎、肺水腫などの呼吸器疾患があると、横になることで肺が圧迫され、さらに息苦しくなります。そのため犬は起きた姿勢を保とうとします。
咳が続く、ゼーゼーと音がする、安静にしていても呼吸が早い場合は注意が必要です。短頭種の犬はもともと呼吸が苦しくなりやすいため、症状が軽く見えても油断できません。
3.腹痛を伴う消化器疾患
急性膵炎や腸閉塞、重度の便秘など、消化器系の病気で腹痛がある場合も、犬は横になることを避けます。背中を丸めた姿勢で動かずにいたり、お腹を触られるのを強く嫌がったりする場合は要注意です。
下痢や嘔吐、食欲不振が同時に見られることも多いため、全体の様子をよく観察しましょう。

飼い主さんがすぐにできる対応
愛犬が横になれない様子を見せたときは、飼い主さんの冷静な判断がとても重要です。焦らず状況を把握し、必要に応じて速やかに動物病院へ連れて行きましょう。
1.まずは落ち着いて症状を観察する
犬が横になれないときは、呼吸の速さや深さ、舌や歯ぐきの色、お腹の張り、痛がる様子がないかを確認します。可能であれば体温も測っておくと、診察時の参考になります。無理に横にさせると、痛みや呼吸苦が悪化することがあるため、犬が楽そうな姿勢を尊重してあげてください。
2.緊急性の判断と動物病院への連絡
呼吸困難、チアノーゼ、激しい腹痛、ぐったりして動かないなどの症状がある場合は、夜間や休日でもすぐに動物病院へ連絡しましょう。症状が軽そうに見えても、半日以上横になれない状態が続く場合は受診が必要です。電話では、症状が始まった時間や他の異変をできるだけ詳しく伝えましょう。

夜間救急対応の動物病院は、事前に調べて連絡先を登録しておくと安心です。いざというときの行動が早くなります。
3.動物病院へ向かう際の注意点
移動中はできるだけ安静を保ち、犬が楽な姿勢を取れるよう配慮しましょう。大型犬の場合は、毛布やタオルを使って体を支えると負担が減ります。呼吸や意識の変化があれば、すぐに病院へ伝えられるよう準備しておきましょう。
まとめ
定期的な健康診断は、心臓病や腫瘍などの早期発見につながります。特にシニア期に入った犬は、年2回程度の健診がおすすめです。
また、肥満は心臓や関節への負担を増やすため、適正体重の維持と日常的な体調チェックを心がけましょう。
愛犬が横になれないという行動は、見逃してはいけない大切なサインです。「いつもと違う」と感じたら、早めに獣医師に相談し、大切な家族の健康を守ってあげてくださいね。最後までお読みいただきありがとうございました☺



