現役でトリマーとして活躍している人は、どのような働き方をしていますか?「時短で働くママさんトリマー」や「フルタイムで働くトリマー」など、働き方はバラエティー豊かですよね。
そのなかでも、今注目を集めているのが「出張トリマー」です。自由度が高く、ライフスタイルにあった働き方ができるとトリマー業界では大評判になっています。今回の記事では、いま人気を集める「出張トリマー」に焦点をあてお伝えしていきます。
出張トリマーとは?
出張トリマーとは、店舗などでは働かず「個人で飼い主さん宅に伺いトリミングをするトリマー」のことをいいます。出張トリマーといっても働き方は様々で、会社に所属していたり、独立して完全に一人で営業していたりと多種多様なのです。
出張のスタイルは2011年頃から注目され始め、徐々に広まっていきました。なかには、大手家事業者と提携して成功しているトリミングサロンもあるようです。
年々出張スタイルは広まっていき、非接触が必須だったコロナ禍では急成長をみせました。人間関係や労働環境が複雑なトリマーにとって、一人で飼い主さん宅を訪問することができ、マイペースにトリミングできるは人気の一つかもしれません。
出張トリマーになるには?
出張トリマーになる資格はとくにありません。トリマーの経験と、ある程度の技術があれば誰でもなれます。出張トリマーとして働く場合「会社に登録する」か「自分で開業する」かの二択になります。
会社に登録し所属する場合は、トリマーの技術テストがあり一定の条件をクリアすればなることができます。一定の条件とは、技術(トイプードルカットなど)やコミニュケーション能力などを見ることが審査基準になっています。会社によって異なりますので確認しましょう。一般的には、トリマー歴10年前後の経験者が多く在籍しています。
開業して自分で出張トリマーとして営業する場合は、届け出が必要なことがあるので管轄の保健所に問い合わせることをおすすめします。
出張トリマーの需要
先程も少し書きましたが、コロナ禍で出張スタイルトリミングの需要は確実に増えています。2020年には、コロナ禍で自宅時間が増えたことにより、46万2000頭の犬が新しい家族となりました。(ペットフード協会「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」)
お客様の多様なニーズを背景に、出張スタイルの需要も拡大していているのです。コロナ禍は落ち着いてきましたが、今後も増える可能性があります。飼い主さんからの依頼が多いということは、トリマーの募集も増えるということになります。
ホームトリマーでは、勤務地のエリアが東京・神奈川・千葉・埼玉と幅広い範囲でトリマーを募っています。さらに、関西・東海・福岡も準備中とし、まもなくエリア内になります。
エリアが拡大されれば、さらに需要は高まります。出張スタイルは自由な時間に、自宅から近いエリアで働くことができるので、トリマー側も効率よく長く続けることができるのです。
コロナは落ち着きましたが、出張スタイルの需要は増えていますね。トリマーにとっても、好きな時間に働くことができるので、私生活が充実してお財布も潤うなんて願ったり叶ったりですよね♪
トリマーが用意するもの
出張トリミングの施術では、トリマーが自分で用意する道具が何点かあります。
- ハサミ
- バリカン(ミニバリ、バリカンの刃10.9.8.6.5.3.2.1.mmなど)
- シャンプー
- リンス
- カンシ
- 耳掃除液
- 爪切り
- クイックストップ(止血剤)
- コーム
- スリッカー
- タオル
- ドライヤー
- 泡立てネット
- ボール(シャンプー泡立て時に必要)
- 消毒液
- 綿棒
以上の道具は、トリマー自身が揃える必要があります。
トリミングテーブルやアーム、椅子、移動に必要なトラベルケース(カバン)などは会社で貸出をしてくれます。(ホームトリマーにて)会社に所属する場合は、会社によって貸し出すものが異なりますのでご確認ください。個人で営業する場合は、全て自分で用意することになります。
メリット・デメリット
では、トリマーにとって【出張で働くメリット・デメリット】とは一体何でしょうか?
出張トリマーのメリット
- 自由な時間・曜日で働くことができる
- 店舗で勤務するより給料が高い
- 売上の70~80%が報酬になる
- 給与の他にチップ制度がある
- 飼い主さんと一対一で向き合うことができる
- 自分のペースでトリミングすることができる
1は、トリマーの好きな時間に働くことができます。ママさんトリマーや、ご家庭の都合があるトリマーさんは、空き時間を利用できるので大きなメリットになります。
2は、店舗で勤務する場合、頭数を多くこなしても時給や月給は変わりません。しかし、出張トリマーは働いた分だけお給料になるので、効率よく稼ぐことができます。
3は、例えば店舗でトイプードル1頭¥8,000で3頭こなし、時給が¥1,100の場合で計算すると…
項目 | 一般的な店舗 | ホームトリマー |
---|---|---|
トイプードル✕3頭 | ¥24,000(¥8,000✕3) | ¥21,384(¥7,128✕3) |
¥9,900(時給1,100✕9) | ¥17,107(80%)+チップ |
この表で見ると、店舗での給料は¥9,900に対して、出張トリマーは¥17,107得ることができます。更にチップがプラスされることもあるのです。その差は¥7,207にもなります。同じ頭数をこなすなら、多く収入を得たいですよね。
4は、上記でもわかるように、報酬の他にチップ制度があります。これは、飼い主さんがトリマーの頑張りを評価し、サービスのお返しとして与えられる付加料金です。頑張りが対価として支払われるのは、やりがいを感じますね。
5は、店舗では時間が限られているため、ゆっくりとカウンセリングをする時間がありません。それに比べ出張トリミングは、飼い主さんの自宅で時間をかけて話ができるのため、その子にあったトリミング方法を相談しながら決めることができるのです。
6は、常に時間に追われるトリマーは、ある程度素早く業務を行う必要があります。次の予約を控えているため仕方がないのですが、気持ちの余裕は大事ですよね。出張トリミングは、自分でスケジュールを管理することができ、一頭にかける時間を自分の裁量で決める事ができます。
出張トリマーのデメリット
- 収入が安定しない
- ケガをさせてしまったときの対応
- プレッシャー
- 掃除に気を使う
- トリミング道具の持ち運び
1は、好きな時間に働けますが、指定した日時に必ずしも仕事があるわけではありません。また、出張先が自宅から離れている場合は移動が大変になることもあります。定期的に安定して収入を得たい人には難しいのかもしれません。
2は、店舗勤務だと、スタッフやオーナーがいるため相談しながら対処できますが、出張トリミングは基本一人体制での仕事になります。動物病院に連絡するのも、連れて行くのも全て自分で処置しなければなりません。会社に所属しながら出張トリマーをする場合は、本部に連絡して対処する方法もあります。
3は、飼い主さんと距離が近い分、そばで見守られるプレッシャーは大きいです。その場合は、お風呂場でトリミングをしたり、隔離された部屋を借りるなどしてトリミングしましょう。
4は、店舗勤務だと、多少の毛が残っていても妥協することもありますが、飼い主さんの自宅だとそうはいきません。毛一本も残さない心意気で望まないと依頼がこなくなったり、クレームの原因になります。
5は、1で移動の話をしましたが、荷物が重いので(スーツケースとテーブル)移動距離が遠いと苦労します。特に天候が悪い日や、真夏の炎天下の日などは、歩くがしんどいうえに重い荷物を持つことになるので二重苦です。
遠方まで訪問する場合は、車移動のほうがラクかもしれません。マイカーをお持ちでない人は近場で無理なく訪問できる場所を選びましょう。
自分で用意するものは、トリマーならだいたいは持っていますよね。そんなに荷物にならないものばかり!スーツケースと、テーブルは正直重いです。
給料・福利厚生について
お給料は固定給ではないので、働いた分だけ稼げる「歩合制度」になります。その分、店舗で勤務するよりお給料はあがります。福利厚生は業務委託になるため特にありませんが、働いた分(売上の80%)お給料に反映されるのでかなり好条件ではないでしょうか。
お給料の他にチップ制度があるので、頑張りが数字として反映されるのです。やりがいを感じるし、モチベーションにも繋がりますよね。
さらに、ホームトリマーでは手厚い「給料保証制度」があります。登録後3ヶ月は収入保証があるのも嬉しいです。出張トリマーとして、初めて働く人にとっては安心して業務に臨むことができます。
出張トリマーの生の声
実際に、出張トリマーとして働くスタッフの生の声を紹介しましょう。
まさみさんは、お子さんが二人いて出張トリマーとして活躍しています。お子さんが学校に行っている午前中から仕事をし、生活に支障がない週1~2日程で働いています。
子育てと仕事の両立で大変そうに見えますが、とても有意義な時間を過ごしていると話しています。出張トリマーとして働いて良かったことについて、「飼い主さんと色々コミュニケーションとれること」が良いとも話していますね。これは出張トリマーの最大のメリットではないでしょうか。
仕事を掛け持ちしながら、お子さんを二人育てるのはすごいですよね!尊敬します♪仕事と子育てを両立してかっこいいです!
まとめ
今回の記事では、「出張トリマーとして働く利点」についてお伝えしました。自分の時間を大切にしているトリマーにとって「出張トリマー」は効率よく収入を得ることができる好条件な働き方ですよね。トリマーは長時間労働で休憩時間・休日なしのイメージが強いです。
そのイメージを覆す「出張トリマー」という働き方に、今後も注目ですね。楽しく、長期的に働くことができる「未来ある職業」になってくれると嬉しいです☺
最後までお読みいただきありがとうございました☺