【現役トリマー告白】困った飼い主あるある5選!愛犬のためにやめてほしいNG行動

愛犬を美しく清潔に保つためには、トリミングは欠かせません。しかし、トリミングサロンで働くプロのトリマーたちは、日々さまざまな飼い主の言動に悩まされています。

「そんなことで困っているなんて知らなかった…」と思う方もいるかもしれませんが、知らず知らずのうちにトリマーを困らせてしまう行動は意外にも多いものです。今回の記事では、現役トリマーたちへのヒアリングから、多くのサロンで共通して挙げられる「困った飼い主あるある」を5つご紹介します。

第1位:無理な注文をする

最も多い困りごとは、犬種や毛質を無視した無理な注文です。たとえば「うちのポメラニアンをプードルみたいなアフロヘアにして」「ビーグルを長毛のふわふわにしたい」「ダックスフンドをライオンカットに」など、物理的に難しいリクエストが寄せられることがあります。犬種によって毛質や長さ、毛の生え方は大きく異なるため、トリマーはその子に最適なスタイルを専門的に提案しています。

こうした無理な注文が生まれる背景には、SNSの可愛い画像から受けた影響や犬種の違いを知らないこと、「プロなら何でもできる」という誤解などがあります。理想のスタイルを求める気持ちは理解できますが、まずはその子の特徴や人気のスタイルについてトリマーに相談すると、より魅力的な仕上がりに近づけます。

ひろこ

愛犬に最も似合うカットは、犬種の毛質や体型をよく知るトリマーと相談して決めるのがベストです。無理なリクエストより、その子の魅力を最大限に引き出す提案を受け入れましょう。

第2位:時間にルーズ

トリミングは1頭ごとに2〜4時間を要するため、予約制のサロンがほとんどです。しかし予約時間に遅刻したり、無断キャンセルやお迎えが遅れるケースは少なくありません。1人の遅刻が他の予約まで影響し、愛犬の待ち時間が長引いたり、トリマーの残業や休憩時間の削減など、負担やストレスの原因となります。

時間を守るためには、余裕を持って準備し、交通状況を事前に確認しておくことが大切です。遅刻しそうな場合は必ず連絡を入れ、予約当日だけでなくお迎えの時間もきちんと守りましょう。

ひろこ

スマホのリマインダーやカレンダーアプリを活用すると、予約時間の管理がぐっと楽になります。特に初めての場所へ行く際は、早めの出発とルート確認を忘れずに。

第3位:愛犬の情報を伝えない

初回利用時に「いつも通りで」と言われたり、愛犬の性格や癖、アレルギーや持病といった重要な情報を伝えない飼い主もいます。犬の性格や健康状態を知らずに施術すると、アレルギー反応や持病の悪化、噛み癖による事故など、思わぬトラブルを招く可能性があります。

安全で快適なトリミングのためには、普段の食事や健康状態、苦手な作業など「愛犬カルテ」を作るつもりで詳しく伝えることが大切です。「うちの子は〇〇が苦手です」といった些細な一言も、トリマーにとってはとても役立つ情報です。

ひろこ

トリミング前に、健康状態や性格の変化をメモしておくと、伝え忘れを防げます。こうした情報はトリマーにとって施術の安全性を高める重要な手がかりになります。

第4位:過度に心配しすぎる

愛犬を大切に思う気持ちが強いほど、トリマーの作業に過剰に口出ししてしまうことがあります。トリミング中に何度も様子を見に来たり、「痛がっていませんか?」と頻繁に確認することで、犬が余計に緊張してしまうことも。さらに、作業が中断されることで怪我や事故の原因にもなりかねません。

不安がある場合は、事前に特徴や注意点を伝えておきましょう。そして、何か異常があればすぐに連絡してもらえるようにお願いしておくと安心です。作業中はできるだけ落ち着いて待ち、終了後にまとめて様子を聞くというスタンスが、犬にとっても飼い主にとっても安心です。

第5位:料金にクレームをつける

トリミングの料金や追加費用にクレームをつけるケースも珍しくありません。「前のお店より高い」「時間の割に高い」「毛量や毛玉で追加料金がかかるの?」など、不満を口にする飼い主もいます。

しかしトリミングは、カウンセリングから爪切り、耳掃除、肛門腺絞り、シャンプー、ドライング、カット、仕上げまで多くの工程を丁寧に行います。専門技術と作業量を考えると、料金は妥当であり、毛量や犬のサイズ、行動によっては追加料金が発生するのも当然です。

料金に疑問を感じた場合は、なぜその金額になるのかを尋ねてみましょう。多くのトリマーは丁寧に説明してくれるはずです。また、定期的にケアすることで毛玉や汚れを防ぎ、追加の手間や費用を抑えることもできます。

まとめ

理想のトリミングをするためには、飼い主さんが予約や情報をきちんと伝えるなど、ちょっとした準備をしておくことが大切です。そして「うちの子をお願いしている」という気持ちで、トリマーの知識や技術を信頼し、感謝の心を持つことで、自然と良い関係が生まれます。

トリマーの側もまた、飼い主さんの不安に耳を傾けたり、分かりやすく説明してくれることで、安心して任せられる存在になっていきます。定期的なトリミングは、愛犬の健康や快適さを守るだけでなく、見た目も可愛く保ってくれますし、飼い主さん自身の負担も軽くしてくれます。

お互いを思いやりながら、ちょっとしたコミュニケーションを大事にしていけば、愛犬にとっても飼い主さんにとっても、きっと楽しくて幸せなトリミング時間になりますよ。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。