トリマー ひろこ 「動物が好き」「手に職をつけたい」と考える社会人の間で、トリマーという職業が注目を集めています。ペットブームが続くなか、トリマーは安定した人気職種となっており、年齢や経歴に関係なく挑戦しやすい分野として再評価されています。
とはいえ、社会人が仕事や家庭と両立しながらトリマーを目指すには、どのようなルートがあるのか、どんな点に注意すべきかを知っておくことが重要です。
今回の記事では「トリマーになるには社会人」というテーマで、資格取得の方法や勉強スタイル、就職の現実までをわかりやすく解説します。未経験でもトリマーを目指したい方に向けて、現実的で実践的な情報をお届けします。
社会人からトリマーを目指す人が増えている理由
ライフスタイルの多様化やペットブームの影響を受け、社会人から動物関連の職業に転身する人が増えています。特にトリマーは、専門技術とセンスを活かせる仕事として再就職やキャリアチェンジに適した職業の一つです。
「動物に関わる仕事がしたい」「ペットのケアを自分でしたい」といった思いから、社会人経験を活かして新たな分野にチャレンジする人が多いのも特徴です。
まずはトリマーの現場を実際に見てみることが大切です。見学や体験入学に参加すれば、具体的な仕事内容や学校の雰囲気を理解しやすくなります。
トリマー資格取得のルートと社会人におすすめの方法
社会人がトリマーになるためには、主に「通学型の専門学校」「通信講座・オンラインスクール」「独学と現場経験」の3つの方法があります。それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるため、自分のライフスタイルや学習スタイルに合ったルートを選ぶことが成功の鍵です。
1. 通学型の専門学校やスクールに通う
最もスタンダードな方法が、JKC（ジャパンケネルクラブ）やAAV（全国動物専門学校協会）などの認定校に通学し、資格取得を目指すルートです。
1年間ほどのカリキュラムで実技・筆記試験を受け、C級トリマーなどの資格を取得します。最近では、夜間や週末に通えるコースを提供している学校もあり、働きながら学ぶ社会人にも対応しています。
2. 通信講座・オンラインスクールを活用する
自宅で自分のペースで学べる通信講座は、忙しい社会人にとって非常に便利な選択肢です。動画教材やモデル犬（人形）を使った実技指導、添削課題、スクーリング制度などがあり、3～6ヶ月程度で取得できる資格もあります。家庭と仕事を両立しながら学習したい方にとって、現実的かつ柔軟性の高い学び方といえるでしょう。
3. 独学と現場経験を組み合わせて資格取得を目指す
独学でも、JKCのC級トリマー資格は受験可能です。ただし、年齢18歳以上で、2年以上のJKC会員歴があり、居住地を管轄するブロック協議会が受験資格を認めた場合に受験できます。
学科試験はJKCのテキストで勉強し、実技試験はサロンなどで経験を積む必要がありますまた、ドッグサロンやペットショップでアシスタントとして働きながら、現場で技術を学んで資格取得を目指す方法もあります。実務経験を積みながら学べる点が最大の魅力で、「学ぶよりまず現場に入りたい」という実践派に向いています。
社会人がトリマー資格を取得する際のポイント
社会人がトリマー資格を目指す際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくと、学びやすさや継続性がぐんと高まります。
1.スケジュール管理と学習計画
まず、スケジュール管理が非常に重要です。仕事や家事と並行して学ぶことになるため、学習時間を確保し、継続的に取り組めるような計画を立てましょう。
2.資格取得にかかる費用の目安
費用の面も現実的に考える必要があります。通学型の場合は年間50〜150万円、通信講座なら5〜30万円ほどが相場です。分割払いや教育ローンを利用できるスクールもあるため、自分の負担にならない方法を選ぶことが大切です。
3.資格の種類と認定団体の選び方
トリマー資格は国家資格ではなく民間資格であり、取得する団体や講座によって学習内容や就職先の幅に差が出ることもあります。認定団体の信頼性や実績も確認しておきましょう。
将来的に開業や独立を考えている方は、学べる技術の幅や就職支援制度が整っているスクールを選ぶと安心です。
働きながらトリマーを目指すメリットと注意点
働きながらトリマーを目指す社会人が増えていますが、その背景には多くのメリットと、いくつかの注意点があります。収入を維持しつつスキルを身につけられる点は大きな魅力ですが、同時に学習時間や体力の確保、家族の理解といった課題にも向き合う必要があります。
1.社会人経験はトリマーとしても活かせる強み
現在の仕事を続けながら学べるという点は、経済的なリスクを最小限に抑えられる利点です。また、社会人としての経験はトリマーとして働く際に求められる接客力やコミュニケーションスキルにも直結します。飼い主と接する機会が多い職種だからこそ、社会人ならではの対応力が評価されやすい傾向にあります。
2.学習時間と体力面のバランスが重要
ただし、働きながら学ぶには自己管理が不可欠です。仕事の合間や休日を使って勉強する場合、どうしても体力的な負担が増すため、無理をしすぎないように注意が必要です。また、家族や職場の理解と協力が得られるかどうかも、長く続けるうえでの大きなポイントになります。
3.学び続けるために計画性を持つ
目標やスケジュールを明確に設定することで、モチベーションを維持しやすくなります。たとえば「半年後に試験合格」「1年以内に現場デビュー」など具体的な目標を立てると、日々の学習にもメリハリが生まれます。
働きながら資格を目指すなら、無理のないペースで学習を進めましょう。疲れたときはしっかりと休み、継続できる環境を整えることが大切です。
トリマー資格取得後の働き方とキャリアパス
資格を取得した後は、さまざまな職場でトリマーとしてのキャリアをスタートできます。選択肢の幅は広く、ペットサロンや動物病院、ペットショップなどの現場で経験を積みながら、自分らしい働き方を築いていくことが可能です。
1.初期の働き方と職場選び
多くの人が最初に選ぶのは、ペットサロンでの勤務です。正社員として働く人もいれば、時間的な制約がある場合はアルバイトやパートという形で経験を積むこともできます。動物病院でトリマー業務を担当するケースや、ペットショップでのグルーミング担当として働くパターンもあります。
2.キャリアアップと独立という選択肢
経験を積んだ後は、自宅でのサロン開業や出張トリミングといった形で独立する道も開かれています。ペット関連の講師やトリミングスクールのインストラクターとして活躍する人もいます。社会人としての経験を活かし、マネジメントや接客スキルを武器に、店長や経営者を目指す方も少なくありません。
まとめ
トリマーは、動物が好きという気持ちと学び続ける姿勢があれば、未経験からでも十分に目指せる職業です。現在では、社会人向けに設計された通信講座や夜間スクールなども充実しており、家庭や仕事と両立しながらでも無理なく学ぶことができます。
最初の一歩が不安に感じるかもしれませんが、大切なのは自分に合った方法で継続することです。焦らず、着実にステップを踏むことで、確実にトリマーへの道は開けます。
トリマーは「一生ものの技術職」です。資格取得はゴールではなくスタート。現場での経験を積み重ねることで、より高いスキルと信頼を手に入れられます。夢に向かって、あなただけのキャリアを築いていきましょう。