トリミングサロンから帰ってきた愛犬の皮膚に赤みや湿疹が出ていて、驚いた経験はありませんか。これは「バリカン負け」と呼ばれる症状で、多くの飼い主さんが一度は直面するトラブルです。痒がって掻きむしる様子を見ると、心配になりますよね。
今回の記事では、犬のバリカン負けの原因や症状、そして予防法と対処法について詳しく解説します。愛犬を守るために、正しい知識を身につけましょう。

バリカン負けとは何か
バリカン負けとは、バリカンで毛を刈った後に皮膚が赤くなったり、湿疹ができたり、痒みが出たりする皮膚トラブルの総称です。医学的には「バリカン皮膚炎」や「クリッパー皮膚炎」とも呼ばれています。トリミング直後から数時間、長い場合は翌日になって症状が現れることもあります。
特に皮膚が敏感な犬や、初めてバリカンを使用した部位に起こりやすい傾向があります。お腹や内股、顔周りなど、皮膚が薄くデリケートな部分は特に要注意です。軽度であれば数日で自然に治まることもありますが、悪化すると感染症を引き起こす可能性もあるため、早めの対処が必要です。
バリカン負けの主な症状
バリカン負けの症状は様々ですが、最も多いのが皮膚の赤みです。刈った部分がピンク色や赤色に変色し、触ると温かく感じることがあります。また、小さなブツブツとした発疹が現れたり、皮膚がカサカサと乾燥したりすることもあります。
愛犬が頻繁に掻いたり、舐めたり、噛んだりする行動が見られたら、痒みや不快感を感じているサインです。ひどい場合は、掻きむしって傷になり、そこから細菌感染を起こして膿んでしまうこともあるので注意が必要です。
バリカン負けが起こる原因
バリカン負けには、いくつかの原因が考えられます。まず最も多いのが、バリカンの刃による物理的な刺激です。刃が皮膚に直接触れることで、細かい傷がつき、炎症を起こすのです。特に切れ味の悪くなった刃や、熱を持った刃を使用すると、皮膚へのダメージが大きくなります。
また、バリカンを使う際の技術的な問題も原因の一つです。同じ場所を何度も往復させたり、皮膚を引っ張りながら刈ったり、角度が適切でなかったりすると、皮膚に余計な負担がかかります。特に慣れていない人がセルフトリミングをする場合は、こうしたトラブルが起こりやすくなります。
犬の体質や皮膚の状態も影響する
犬の個体差も大きな要因です。アレルギー体質の犬や、もともと皮膚が弱い犬は、バリカン負けを起こしやすい傾向があります。また、トリミング前の皮膚の状態も重要です。すでに乾燥していたり、小さな傷があったり、皮脂のバランスが崩れていたりすると、バリカンの刺激に対して敏感に反応してしまいます。
季節的な要因もあります。冬の乾燥する時期や、夏の紫外線が強い時期は、皮膚のバリア機能が低下しやすく、バリカン負けのリスクが高まるのです。

トリミング前日にはシャンプーをして皮膚を清潔にしておくと、バリカン負けのリスクを減らせます。ただし、保湿はしっかりと行い、皮膚を乾燥させないように気をつけましょう。
バリカン負けの予防方法
バリカン負けを防ぐためには、まずトリミングサロン選びが重要です。経験豊富なトリマーがいるサロンを選び、愛犬の皮膚が敏感であることを事前に伝えておきましょう。初めてのサロンでは、カウンセリングの時間をしっかり取ってくれるところが安心です。
また、バリカンの刃の種類や長さの設定も大切です。短く刈りすぎると皮膚への刺激が強くなるため、特に敏感な部位は少し長めに残してもらうようお願いするのも一つの方法です。サマーカットで丸刈りにする場合は特に注意が必要で、皮膚を完全に露出させるよりも、数ミリ毛を残す方が安全です。
自宅でできる予防ケア
日頃から愛犬の皮膚を健康に保つことも予防につながります。定期的なブラッシングで血行を促進し、皮膚の新陳代謝を高めましょう。シャンプーは低刺激性のものを選び、洗いすぎないように注意してください。月に1回から2回程度が適切です。
保湿も重要なポイントです。乾燥しやすい季節には、犬用の保湿剤やスキンケア製品を使って、皮膚のバリア機能を維持しましょう。栄養バランスの取れた食事も、健康な皮膚を作る基礎となります。

バリカン負けが起きてしまったら
もしバリカン負けの症状が出てしまったら、まず患部を清潔に保つことが大切です。ぬるま湯で優しく洗い流し、清潔なタオルで水分を取ります。この時、強くこすらないように注意してください。
愛犬が患部を掻いたり舐めたりしないよう、エリザベスカラーや服を着せるなどの対策も必要です。掻き壊してしまうと治りが遅くなるだけでなく、二次感染のリスクも高まります。軽度の症状であれば、数日で自然に改善することも多いですが、様子を見ながら慎重に対応しましょう。
動物病院への受診が必要なケース
次のような症状が見られたら、早めに動物病院を受診してください。
・赤みや腫れがひどく広範囲に広がっている
・膿が出ている
・強い痒みで食欲や元気がなくなっている
などは、専門的な治療が必要です。
獣医師は症状に応じて、炎症を抑える薬や抗生物質、痒み止めなどを処方してくれます。市販の人間用の薬を勝手に使用するのは危険ですので、必ず獣医師の指示に従いましょう。

バリカン負けが起きやすい犬は、トリミング後にカモミールティーを冷ましたもので優しく患部を拭くと、炎症を和らげる効果が期待できます。ただし、症状がひどい場合は民間療法に頼らず、必ず獣医師に相談してくださいね。
セルフトリミングをする際の注意点
自宅でバリカンを使う場合は、特に慎重に行う必要があります。まず、犬用の高品質なバリカンを選びましょう。人間用のバリカンは犬の毛質に合わず、皮膚を傷つけやすいため避けてください。刃は常に清潔に保ち、定期的にメンテナンスや交換を行います。
使用前には必ず試し刈りをして、刃の温度や動作を確認しましょう。長時間使用すると刃が熱くなるため、適度に休憩を挟みながら作業します。皮膚を引っ張らないよう、毛の流れに沿って優しく刈ることが基本です。
まとめ
バリカン負けは適切な予防と対処で防ぐことができるトラブルです。信頼できるトリミングサロンを選び、愛犬の皮膚の特性をしっかり伝えること、日頃から皮膚ケアを心がけることが大切です。
もし症状が出てしまったら、軽度であっても油断せず、悪化する前に適切な対応を取りましょう。愛犬が快適に過ごせるよう、飼い主としてできる限りのケアをしてあげたいですね。最後までお読みいただきありがとうございました☺



