【ペットロス】は時間差で訪れる?悲しみの波と向き合う方法

ペットは家族の一員として深い愛情を注がれる存在です。そのため、別れの瞬間は計り知れない悲しみを伴います。しかし、ペットロスの感情は必ずしもすぐに表れるとは限りません。最初は忙しさや気丈に振る舞うことで悲しみを感じる余裕がないものの、時間が経つにつれて徐々に喪失感が強くなることがあります。

「最初は意外と平気だったのに、数か月後に急に悲しくなった」「ペットがいた生活リズムが変わったことに気づき、喪失感が大きくなった」といった体験をする方も少なくありません。ペットがそばにいた日々が当たり前になっていたからこそ、いなくなったことを実感するのに時間がかかるのです。今回の記事では、ペットロスが時間差で訪れる理由や、悲しみとの向き合い方を詳しく解説し、乗り越えるための具体的な方法をご紹介します。

ペットロスとは?

ペットロスとは、愛するペットを失った際に感じる深い喪失感や悲しみのことを指します。ペットが「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」として家族の一員として迎えられることが増えた現代において、その影響はますます大きくなっています。日々の生活に密着し、共に過ごしてきたペットが突然いなくなることで、飼い主さんの心には大きな穴が開いたような感覚が生まれるのです。

ペットとの別れは、家族や友人を失うのと同じくらい強い感情的な影響を及ぼします。そのため、飼い主さんによっては長期間にわたって悲しみを抱えたり、精神的な不調を感じることもあります。特に、長年一緒に暮らしてきた場合や、特別な絆を持っていた場合は、その影響がより深刻になる傾向があります。

ペットロスの5段階プロセス

ペットロスの感情は、精神科医エリザベス・キューブラー=ロスが提唱した「悲嘆の5段階モデル」によって説明されることが多いです。このモデルは、喪失の悲しみを経験する際の心理的変化を示しており、ペットロスにおいても同じような感情の波が訪れるとされています。

まず、最初に現れるのが「否認」の段階です。ペットが亡くなった事実を受け入れられず、「まだどこかにいるのではないか」と感じることもあります。次に、「怒り」の感情が湧き上がります。「もっと何かできたのではないか」と後悔したり、「なぜこんなに早く別れが来たのか」と悲しみを他者や状況に向けることもあります。

その後、「交渉」の段階では、過去を振り返りながら、「もしあの時違う選択をしていたら」と考えることが増えるでしょう。「抑うつ」の段階では、深い悲しみや虚無感に襲われ、何をする気力もなくなることがあります。

これが長引くと、日常生活にも支障をきたすことがあるため、無理をせず周囲の助けを借りることが大切です。そして最後に、「受容」の段階が訪れます。完全に悲しみが消えるわけではありませんが、少しずつペットのいない生活を受け入れ、思い出を大切にしながら前を向くことができるようになります。

ただし、このプロセスは必ずしも順番通りに進むわけではなく、時間が経ってから再び悲しみがぶり返すこともあります。そのため、自分の感情の変化に気を配りながら、焦らずに向き合っていくことが重要です。

出典:wikipedia

ペットロスが時間差で訪れる理由

ペットロスの5段階プロセスを経ても、なお時間差で悲し思いをぶり返すこともあります。ここでは、ペットロスが時間差で訪れる理由について解説していきます。

1.忙しさが感情を一時的に抑えてしまう

ペットが亡くなった直後は、日常生活の忙しさや手続き、周囲への報告などに気を取られ、深く悲しむ暇がないこともあります。特に仕事や家庭の事情で時間に追われていると、一時的に気を紛らわせることができるため、悲しみを実感しにくくなります。

しかし、時間が経ち、ふとした瞬間に喪失感が押し寄せることがあります。仕事が一段落したときや、一人の時間ができたときに、急に寂しさを感じることもあるでしょう。

2.生活の変化を実感するタイミング

ペットと過ごしていた日常のルーティンが変わることで、ペットがいない現実を改めて突きつけられることがあります。例えば、毎朝の日課だった散歩がなくなったり、食事の準備をするときにペット用のフードが不要になったことに気づくと、改めて喪失感を感じるものです。

また、季節の変わり目や特別なイベントがあると、「この時期はいつも一緒に過ごしていたのに」と思い出が蘇り、悲しみがぶり返すことがあります。

3.思い出がトリガーになる

ペットの写真や動画、愛用品を見ることで、楽しかった記憶がよみがえり、突然悲しみに襲われることがあります。誕生日や命日、季節の変わり目など、特定のタイミングで喪失感が増すこともあります。

特に、何気なくスマホの写真を見返したときに、過去の楽しい思い出が流れ出し、思わず涙があふれることもあるでしょう。

4.周囲との温度差

飼い主さんの悲しみの深さを理解してもらえず、周囲から「もう元気になったでしょ?」「そろそろ新しいペットを迎えたら?」と言われることで、逆に悲しみが強くなることもあります。

自分の気持ちと周囲の反応とのギャップが、時間差でのペットロスを引き起こす原因となることがあります。

ひろこ

悲しみのタイミングは人それぞれ異なります。「立ち直らなきゃ」と焦る必要はありません。自分の感情を否定せず、受け入れることが大切です。

まとめ

ペットロスの悲しみは、すぐに表れる場合もあれば、時間差で訪れることもあります。時間が経つことで、改めてペットの存在の大きさを実感し、深い喪失感に襲われることもあります。

しかし、その悲しみと向き合いながら、少しずつ前に進むことが大切です。悲しみの感じ方は人それぞれ違い、回復にかかる時間も異なります。自分のペースで感情を受け止め、無理をせずに過ごすことが、心の回復への第一歩となるでしょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。