愛犬が歯磨きを嫌がる理由と克服法!今日からできる慣らしの最強ステップ

愛犬の健康を守るために欠かせない歯磨きですが、多くの飼い主さんが「うちの犬は歯磨きを嫌がって困っている」という悩みを抱えています。犬の口内環境は想像以上に重要で、3歳以上の犬の約80%が歯周病予備軍といわれています。

しかし、無理やり歯磨きをしようとすると、かえって犬との信頼関係を損なってしまうことも。今回の記事では、歯磨きを嫌がる犬を段階的に慣れさせる方法から、実践的なテクニックまで詳しく解説します。

なぜ犬は歯磨きを嫌がるのか?

犬が歯磨きを嫌がるのには、明確な理由があります。まずは愛犬の気持ちを理解することから始めましょう。

1.口周りは敏感な部位

犬にとって口や鼻周りは非常に敏感な部位です。野生時代、この部分を触られることは生命の危機に直結していたため、本能的に警戒心を抱きやすい場所なのです。特に子犬の頃から慣れていない犬は、口を触られること自体にストレスを感じています。

2.過去のネガティブな経験

以前に無理やり歯磨きをされた経験がある犬は、歯ブラシを見ただけで逃げてしまうことがあります。痛みや恐怖を伴った記憶は犬の中に強く残り、歯磨き=嫌なことという学習が成立してしまっているのです。

3.歯ブラシの感触や味が苦手

人間用の歯磨き粉の味や、硬い歯ブラシの感触も犬にとっては不快な刺激です。また、飼い主さんが焦って強くこすりすぎることで、歯茎を傷つけてしまっているケースも少なくありません。

ひろこ

愛犬が歯磨きを嫌がる場合、まずは「なぜ嫌がるのか」を観察しましょう。口を触られること自体が苦手なのか、歯ブラシが嫌いなのかによって、アプローチ方法が変わります。

段階的に慣れさせる5ステップ

歯磨きを嫌がる犬には、焦らず段階的に慣れさせることが成功の鍵です。

🐶ステップ1:口周りを触ることから始める

まずは歯磨きとは関係なく、日常的に口周りを優しく触る習慣をつけましょう。おやつを与えながら、頬や口元をそっとタッチします。この時、犬がリラックスしている時間帯を選ぶことが重要です。

1日5〜10秒から始めて、徐々に時間を延ばしていきます。嫌がったらすぐにやめて、次の日に再チャレンジしましょう。

🐶 ステップ2:唇をめくって歯を見せる練習

口周りに触れることに慣れたら、次は唇を優しくめくって歯を見せる練習をします。この段階でも、必ずご褒美を使って「口を見せる=良いことがある」という関連付けを行います。

前歯から始めて、徐々に奥歯まで見られるようにしていきましょう。無理に長時間続けず、1日1〜2回、数秒ずつで十分です。

🐶ステップ3:指で歯に触れる

ガーゼや柔らかい布を指に巻いて、歯の表面を優しくなでることから始めます。犬用の歯磨きジェルやペーストを少量つけると、味によって受け入れやすくなることがあります。

最初は前歯だけ、次に犬歯、そして奥歯へと進んでいきます。各段階で3〜7日ほどかけて慣れさせましょう。

🐶ステップ4:歯ブラシに慣れさせる

歯ブラシを犬に見せて、匂いを嗅がせることから始めます。歯ブラシを舐めさせたり、歯磨き粉の味を確認させたりして、「これは怖いものではない」と認識させます。

🐶ステップ5:実際に歯磨きをする

いよいよ実際の歯磨きです。最初は前歯を5秒だけ磨くところから始めます。歯ブラシは45度の角度で当て、優しく小刻みに動かします。一度に全部の歯を磨こうとせず、今日は右側、明日は左側というように分けても構いません。

ひろこ

各ステップで「成功体験」を積ませることが何より大切です。少しでもできたら大げさに褒めて、ご褒美を与えましょう。焦って次のステップに進むより、確実に慣れてから進む方が結果的に早く目標に到達できます。

歯磨きを嫌がる犬への実践テクニック

基本的なステップに加えて、さらに効果的なテクニックをご紹介します。

1.タイミングの選び方

歯磨きは犬が疲れてリラックスしている時間帯が最適です。散歩の後や遊んだ後など、エネルギーが発散された状態の方が協力的になります。空腹時や興奮している時は避けましょう。

2.体勢の工夫

犬を押さえつけるような体勢は恐怖心を増幅させます。小型犬なら膝の上に座らせる、中型犬以上なら横に座って自然な姿勢で行うなど、犬が逃げられる選択肢を残しておくことで、かえって落ち着いてくれることがあります。

3.おすすめの体勢

  • 小型犬:飼い主の膝の上で背中を預ける形
  • 中型犬:飼い主の横に座らせて、軽く体を支える
  • 大型犬:床に座った状態で、犬も自由に座れるようにする

4.歯磨きグッズの選び方

犬用の歯ブラシは、ヘッドが小さく柔らかいものを選びましょう。指サック型ブラシは初心者にも扱いやすく、犬への刺激も少なめです。歯磨きペーストは、チキンやビーフなど犬が好む味のものを選ぶと受け入れやすくなります。

どうしても歯ブラシが難しい場合は、歯磨きシートやデンタルガムも補助的に活用できます。ただし、これらはブラッシングの完全な代替にはならないことを理解しておきましょう。犬の歯磨き嫌いを改善!無理なく続けられるコツと慣らし方

ひろこ

歯磨きが終わったら、必ず特別なご褒美タイムを設けましょう。犬は「歯磨きの後には楽しいことが待っている」と学習し、次第に歯磨き自体に前向きになっていきます。ご褒美は普段与えないスペシャルなおやつがおすすめです。

歯磨き以外のオーラルケア方法

どうしても歯磨きが困難な場合でも、諦める必要はありません。

1.デンタルケア用のおもちゃ

噛むことで歯垢を落とす効果があるデンタルトイは、遊びながらケアできる優れものです。ロープ型やゴム製の突起がついたものなど、様々なタイプがあります。

2.水に混ぜるタイプのデンタルケア

飲み水に混ぜるだけで口内環境を整える製品もあります。歯磨きの補助として、あるいは歯磨きができない日のケアとして活用できます。

3.定期的な獣医師によるチェック

家庭でのケアに加えて、年に1〜2回は獣医師に歯の状態をチェックしてもらいましょう。必要に応じて、専門的な歯石除去を行うことで、深刻な歯周病を予防できます。

まとめ

犬の歯磨きは、一朝一夕で習得できるものではありません。特に成犬になってから初めて歯磨きにチャレンジする場合は、数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。

重要なのは、犬との信頼関係を最優先にすることです。無理やり押さえつけて歯磨きをすることは、一時的には成功しても、長期的には犬に大きなストレスを与え、飼い主への信頼を損なう可能性があります。

今日ご紹介した段階的なアプローチを実践すれば、ほとんどの犬は歯磨きを受け入れられるようになります。愛犬の健康と長生きのために、今日から少しずつ始めてみませんか?最初の一歩は、口周りを優しく触ることから。焦らず、褒めて、楽しく続けることが成功への近道です。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。