トイプードルのテディベアカットは、その名の通り“ぬいぐるみのクマ”のような丸くて愛らしいフォルムが特徴です。SNSやペット雑誌でも大人気のこのスタイルですが、「自分の愛犬ももっとかわいく仕上げたい!」と悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回の記事では、トリマーのプロが実践するテディベアカットの基本から、家庭でのかわいさアップのポイントや豆知識まで、徹底的に深掘りします。
トイプードルテディベアカットの基本
テディベアカットは、トイプードルの魅力を最大限に引き出す王道スタイルとして、多くの飼い主さんに愛されています。ふんわりとした丸いフォルムが特徴で、まるでぬいぐるみのような愛らしさが際立ちます。
このカットの最大のポイントは、「どの角度から見ても丸く見えること」。正面、横、上から見てもバランスの取れた“球体感”を持たせることで、幼くて柔らかい印象を演出します。特に顔周りのフォルムは、顔の形や毛質に応じて微調整され、1頭1頭の個性に合わせた“似合わせカット”が求められます。
トイプードルテディベアカットの手順とコツ
トイプードルの魅力を最大限に引き出すには、丁寧で計算されたカットが欠かせません。特に人気の高い「テディベアカット」では、ただ毛を短く整えるだけではなく、全体のシルエットやパーツごとの仕上げ方に“かわいさ”を引き出す秘密が詰まっています。ここでは、プロのトリマーが実践しているカット手順と、仕上がりをぐっと良くするコツをご紹介します。
1.全体のシルエットを意識する
まず大切なのは、全体のシルエットをしっかりイメージすること。輪郭を先に作り、その後で立体感や細部の丸みを調整していきます。
左右対称に仕上げるためには、右半分・左半分を順番に仕上げるのではなく、正面から全体のバランスを見ながら少しずつカットするのがコツです。全体像を崩さないためにも、少しずつ均等に切り進める意識が重要です。
2.目元のカットで表情を引き立てる
顔のカットでは、目元をスッキリさせることで目に毛が入るのを防ぎ、表情がはっきり見えるようにします。目周りの毛は特に伸びやすいため、短めに整えておくことで、次回のトリミングまで快適に過ごせます。
3.マズルの形は楕円を意識
マズルは楕円形を意識して、ふんわりとボリュームを残してカットします。鼻周りは毛がかからないようにし、リップライン(口の輪郭)に沿って丸く仕上げると、よりテディベアらしい立体感が生まれます。
4.耳の長さと丸みで“幼さ”を演出
耳のカットも、かわいさを左右する重要なポイントです。耳の長さをアゴラインに揃えるとバランスが良くなり、幼い雰囲気を演出したい場合は、耳を短めに丸く整えます。また、耳と頭の境目を自然にぼかすことで、より子犬っぽい柔らかさを出すことができます。
耳と頭の境目をはっきりさせず、ぼかしてカットすると“子犬っぽさ”がアップします。コームで丁寧にとかしながら、少しずつ全体のバランスを見てカットしましょう。
ふんわり感を出すブロー&仕上げのポイント
テディベアカットの魅力のひとつである“ふんわり感”は、カット技術だけでなくシャンプー後のブローや仕上げにも大きく左右されます。ここでは、プロが実践する乾かし方と仕上げのコツを詳しく解説します。
1.根元からしっかり乾かして丸みを出す
毛の根元から風を当ててしっかり乾かすことが重要です。毛を寝かせずに根元を立ち上げるように乾かすことで、ふわっとした丸みのあるシルエットを作りやすくなります。特に耳やマズルの毛は縮れやすいので、ブラシでテンションをかけて伸ばしながら丁寧に乾かしましょう。
2.毛流れに逆らう風の動きで自然なボリュームを演出
ドライヤーの風は一定方向に当てるのではなく、毛流れに逆らうように動かしながら当てるのがプロの技です。こうすることで自然なボリュームが生まれます。また、途中で冷風に切り替えて毛の形を固定するのも、ふんわり感を保つポイントです。
3.仕上げのチッピングで丸みと立体感を強調
カット後の仕上げに行う「チッピング」と呼ばれる毛先を細かく整える作業は欠かせません。毛先に軽さを出しながら、全体の丸さや立体感を際立たせます。頭部は縦長になりやすいため、正面や左右、上からの角度を確認しながらバランスよくカットすることが大切です。
4.離れて全体を確認し、精度とバランスを両立させる
仕上げの段階では一歩引いて全体を遠くから眺めることも重要です。近くで見る精度と遠くで見るバランス、どちらも意識して微調整を行うことで、よりかわいく完成度の高い仕上がりになります。
家庭でのかわいさキープ術
テディベアカットは、カット直後の“かわいさ”をキープするために、日々のお手入れが重要です。特に目元や口元は毛が伸びやすく、すぐに形が崩れてしまいます。家庭では、目にかかる毛をこまめにカットしたり、ブラッシングで毛流れを整えましょう。
耳やマズルのふんわり感を保つには、シャンプー後のブローをしっかり行い、毛玉やもつれを防ぐことが大切です。また、顔周りのカットはハサミの刃先の向きに注意し、愛犬が動かないように声をかけながら少しずつ進めましょう。
目元や口元は「伸びやすく崩れやすい」パーツ。こまめなカットとブラッシングで、テディベアカットの“かわいさ”を長持ちさせましょう。
テディベアカットのバリエーションと個性の出し方
テディベアカットは一見似たスタイルに見えますが、細かな仕上げの違いで驚くほど個性が出せます。耳やマズル、頭の丸みのバリエーションを理解し、愛犬の顔立ちや毛質に合ったアレンジを楽しみましょう。
1.耳の長さで変わる印象
耳の長さは可愛さや雰囲気を大きく左右します。長めに残すと上品で落ち着いた印象に、短く丸くカットすると子犬のような無邪気さが強調されます。毛量が多い子は耳先を軽くすくと動きが出て、やわらかい印象になります。
2.マズルのカットで個性を演出
マズルの形や大きさも個性を出す重要なポイントです。小さめにまとめるとぬいぐるみのような可憐な印象に、ふっくら大きめに仕上げると優しい表情が際立ちます。顔の輪郭に合わせて調整するのはトリマーの腕の見せどころです。
3.頭の丸みで変わる印象
頭部の丸さの出し方でも印象が変わります。上に丸く高さを出すとエネルギッシュな印象に、サイドに丸みを強調すると落ち着いた雰囲気になります。目の周りをすっきりさせて目を大きく見せることで、飼い主との絆も深まります。
4.毛色・毛質による印象の違い
同じカットでも毛色や毛質で印象は大きく変わります。濃い色の子はカットラインがはっきりしやすく、クリームやホワイトの子は柔らかい印象になるため、ふんわり仕上げると魅力が増します。
5.理想のスタイルを見つけるために
愛犬の顔立ちや毛質、性格、飼い主の好みを踏まえ、トリマーと相談してあなただけのテディベアカットを見つけましょう。細かな調整が、唯一無二のかわいさを生み出します。
テディベアカットの豆知識
テディベアカットは、もともとアメリカで生まれたスタイルで、日本では“こぐまカット”とも呼ばれています。トイプードルの多彩な毛色や毛質のおかげで、同じテディベアカットでも一頭一頭違った表情が楽しめるのも魅力の一つです。
また、SNSでは「#テディベアカット」や「#こぐまカット」などのハッシュタグで、世界中のかわいいプードルたちの写真がシェアされています。プロのトリマーによるカット動画やビフォーアフター写真を参考にすると、家庭でのカットやお手入れのヒントがたくさん見つかりますよ。
まとめ
トイプードルのテディベアカットをかわいく作るには、「全体の丸み」「ふんわり感」「目元や口元のスッキリ感」「耳やマズルのバランス」がポイントです。
プロのトリマーの技術や家庭でのお手入れ、ブローや仕上げの工夫によって、愛犬だけの“唯一無二のかわいさ”を引き出すことができます。日々のお手入れやトリマーさんとの相談を楽しみながら、トイプードルの魅力を最大限に引き出すテディベアカットにぜひチャレンジしてみてください!最後までお読みいただきありがとうございました☺