犬と暮らしていると、必ず向き合うことになるのが「メス犬のヒート(生理)」です。初めて経験する飼い主さんの場合、「いつから始まるの?」「どれくらい続く?」「散歩はどうする?」「出血が多くても大丈夫?」など、わからないことだらけだと思います。
今回の記事では、ヒートの仕組み・症状・ケア方法まで、飼い主さんが知っておきたい内容を解説します。愛犬が快適に過ごせるように、今日からしっかり準備していきましょう。

犬のヒート(生理)とは?
犬のヒートとは、メス犬が妊娠できる状態になる発情期のことを指します。人間の生理とは異なり、妊娠の準備のために体が変化する重要な期間です。
1.ヒートが起こるメカニズム
体内で性ホルモンが活発になり、子宮内膜が厚くなります。その影響で陰部が腫れ、出血が始まります。また、この時期にはフェロモンが強くなり、オス犬を引き寄せやすくなるのも特徴です。
2.初回ヒートはいつ?
一般的に生後6〜12ヶ月頃に訪れます。小型犬は早め、大型犬は遅めに来る傾向があり、生後18ヶ月以降になる犬もいます。

初回ヒートの兆候(陰部の腫れ・出血)がないか、生後6ヶ月を過ぎたら時々チェックしておきましょう。
犬のヒートは4つの段階で進む
犬のヒートは約2〜4週間続き、4つの段階に分かれます。各時期ごとに行動や体の変化が異なるため、理解しておくことが大切です。
① 発情前期(7〜10日)
陰部の腫れが始まり、出血が見られる時期です。落ち着きがなくなったり、食欲が変動することもあります。この段階ではオス犬を受け入れません。
② 発情期(7〜10日)
排卵が起こり、妊娠が可能になる期間です。出血が薄い色に変わり、尾を横に振る「フラッギング」という行動を見せることがあります。望まない妊娠を避けるため、特に注意が必要です。
③ 発情後期(60〜90日)
ホルモンバランスが戻り始める時期で、出血も止まります。偽妊娠が起きることもあります。
④ 無発情期(4〜8ヶ月)
次のヒートまでの休止期間です。小型犬は年2回、大型犬は年1回のヒートが一般的です。
ヒート中の症状と行動の変化
犬がヒートに入ると、体にも心にもいつもとは違う変化があらわれます。出血や腫れといったわかりやすい症状だけでなく、落ち着かなくなったり甘えん坊になったりと、行動面でも揺らぎが出やすい時期です。ここでは、ヒート中に起こる代表的な身体の変化と行動の変化をわかりやすくまとめました。
1.身体的な症状
- 赤い出血(後半は薄い色へ変化)
- 陰部の腫れ
- 乳腺の張り
- 頻尿気味になる
2.行動の変化
- そわそわして落ち着かない
- 甘えん坊になる/神経質になる
- 食欲が増減する
- 睡眠リズムが変わる

ヒート中のケアと注意点
ヒート中の愛犬は、体調だけでなく気持ちも不安定になりがちです。いつもより敏感になり、落ち着かなくなることもあるため、飼い主の丁寧なサポートが欠かせません。ここでは、ヒート期間を少しでも快適に過ごすために知っておきたいケアの基本と注意点をシンプルにまとめました。
1.衛生管理
犬用パンツやおむつで出血対策を行いましょう。ただし、長時間の着用は蒸れの原因になるため、こまめな交換が必要です。
2.散歩時の注意点
オス犬が寄ってきやすいため、人が少ない時間帯に散歩し、ドッグランは避けましょう。必ずリードは短めに。
3.安心できる環境づくり
ヒート中は体調が不安定になりやすい時期です。静かでリラックスできるスペースを用意し、室温にも気を配りましょう。

免疫力が下がりやすいため、栄養バランスの良い食事と水分補給が大切です。適した時期が変わるため、獣医師と相談しましょう。
犬のヒートQ&A(初めてでも安心)
犬のヒートについては、初めて経験すると「これって普通?」「病院に行くべき?」と不安になることが多いものです。出血や行動の変化など、気になるポイントはたくさんありますよね。
そこでここでは、飼い主さんから特によく寄せられる疑問をQ&A形式でわかりやすくまとめました。短くシンプルに知りたいことだけを確認できるので、初めての方でも安心してヒート期間をサポートできます。
Q1. 愛犬がヒート中にいつもより甘えてくるのはなぜ?
A. ホルモンバランスの変化により不安定になり、飼い主さんに安心を求めるからです。抱っこを求めたり近くにいたがるのは自然な行動なので、普段より優しく接してあげましょう。
Q2. 散歩はいつも通り行って大丈夫?
A. 原則OKですが、オス犬が多い場所は避けてください。また、急に疲れやすくなる子もいるため、無理のない距離に調整すると安心です。
Q3. ヒート中にお風呂やシャンプーをしても良い?
A. 出血量が多い時期は避けたほうが無難です。体力を消耗しやすく、感染リスクも高まるため、どうしても必要な場合は下旬(落ち着いてきた頃)に短時間で済ませましょう。
Q4. ヒートと妊娠初期の見分け方は?
A. 食欲の増減や眠気はどちらにも見られるため、判断が難しい場合があります。少しでも心当たりがあれば、動物病院で検査を受けるのが確実です。
Q5. 何歳までヒートは続くの?
A. 一般的にはシニア期まで続きますが、間隔が伸びたり症状が軽くなることがあります。高齢期のヒートは子宮の病気のサインこともあるため、異変があれば受診を。
まとめ
ヒートはメス犬にとって自然な生理現象です。症状や行動の変化を知っておけば、不安を感じる必要はありません。愛犬の様子をよく観察し、異変があれば獣医師に相談しましょう。避妊手術を含め、愛犬にとって最適な選択を考えるきっかけになれば嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました☺

