【犬種特集】~ver12.宮廷で愛された小さなライオン犬!ペキニーズの魅力

ペキニーズは、その高貴な見た目と独特の性格で世界中の愛犬家に愛されています。中国の王宮で育まれた歴史を持つペキニーズは、その背景から「小さなライオン犬」とも呼ばれ、現在でも気品あふれる姿が人気です。

今回の記事では、ペキニーズの歴史、飼い方、性格、しつけ、病気、そしてトリミングのポイント、ペキニーズの豆知識まで詳しくその魅力せまります。ペキニーズ好きな飼い主さんには、たまらない内容となりますので、ぜひ参考にしてくださいね!

ペキニーズの歴史

ペキニーズの起源は古代中国にさかのぼります。紀元前8世紀頃、すでにペキニーズに似た小型犬が中国の宮廷で愛されていたという記録があります。特に唐王朝や清朝の時代には、皇帝や皇族のみがこの犬種を所有でき、他人がペキニーズを所有することは禁じられていました。そのため、ペキニーズは王室の象徴として扱われ、彼らは「神聖な存在」とされていました。

ペキニーズが中国国外に知られるようになったのは、1860年に英仏連合軍が北京を占領した際、イギリス兵が宮廷から数匹のペキニーズを連れて帰ったことがきっかけです。その後、イギリスの王族や上流階級でペキニーズは広まり、やがて世界中で人気犬種として知られるようになりました。

ペキニーズの基本情報

世界中で人気の犬種となったペキニーズの基本情報を以下にまとめましたので、ご覧ください。

  • 原産国:中国
  • 体重:3.2~6.5kg
  • 体高:15~23cm
  • 寿命:12~15年
  • 毛色:フォーン、ホワイト、ブラック、ブリンドル、クリーム、グレーなど
  • 体型:コンパクトで筋肉質な体型だが、豊かな被毛に覆われているため丸みを帯びて見える。
  • 被毛の種類:ダブルコート(上毛は長く直毛、下毛は柔らかい)
  • 耳の形:垂れ耳(ふさふさした飾り毛が特徴的)
  • :大きく、黒い瞳が特徴的で、感情がよく表れる

ペキニーズはその堂々とした姿勢や、ふさふさの長毛が特徴的で、歴史的背景に加え、その見た目からも「高貴な犬種」という印象を持たれています。

ペキニーズの性格

ペキニーズの性格は、誇り高く、独立心が強いことで知られています。古代中国で皇族に愛された歴史から、ペキニーズは自分の価値を理解しているかのような態度を示すことがあります。しかし、一方で非常に愛情深く飼い主さんに対しては深い信頼を寄せます。以下に、ペキニーズの主な性格の特徴をまとめました。

  • 愛情深い一面:忠実で愛情深い性格のペキニーズは、信頼できる飼い主さんに対して強い愛情を示します。特に家族内では深い絆を築き、一緒に過ごす時間を大切にします。
  • 頑固さ:その独立心ゆえ、ペキニーズは時に頑固な一面を見せることもあります。しかし、この頑固さもペキニーズの魅力の一部です。
  • 警戒心が強い:警戒心が強く、特に知らない人や動物に対しては敏感です。このため、適切なしつけや社会化トレーニングが重要です。

ペキニーズは誇り高い性格を持ちながらも、家族に対しては愛情深く、特に信頼できる飼い主さんには忠誠心を示します。他の犬に比べると独立心が強いため、マイペースで自由を好む傾向がありますが、その反面、飼い主さんに依存しすぎないため、飼い方次第でお互いにストレスなく暮らすことができる犬種です。

ひろこ

ペキニーズは時に頑固さを見せることがありますが、強制的なしつけは逆効果です。優しく、楽しい方法でしつけを進めると良い結果が得られます。

ペキニーズの飼い方ポイント

ペキニーズは、その愛らしい外見と遊び心満載な性格で、多くの人に愛されている犬種です。小さな体の中には、活発さとエネルギーが詰まっており、特に遊びを楽しむ姿が印象的です。しかし、運動量には特別な配慮が必要です。短頭種であるペキニーズは、暑さに非常に敏感なため、運動のタイミングや生活環境に工夫を凝らすことが大切です。ここでは、ペキニーズにとって理想的な運動量や生活環境、さらに食事管理について詳しく見ていきましょう。

ペキニーズの運動量と生活環境

ペキニーズは小柄ながらも、遊び好きでエネルギッシュな一面があります。ただし、過度な運動は必要ありません。散歩は1日1~2回、短時間で十分ですが、室内での遊び時間も取り入れることで、ストレス解消にもつながります。

短頭種であるペキニーズは暑さに非常に弱く、特に夏場には注意が必要です。涼しい時間帯に散歩に行き、室内でもエアコンや冷却マットを使って快適に過ごせる環境を整えましょう。

食事管理

ペキニーズは体型の維持が重要で、肥満になりやすいため、食事量の管理は不可欠です。特に小型犬用のバランスの取れた食事を与えると良いでしょう。

短頭種のため、硬い食べ物は避け、消化しやすいフードを選ぶことが推奨されます。少量でも満足できるように、食事の質にこだわりましょう。

ひろこ

ペキニーズはその体型から、体重管理が非常に重要です。特に肥満になりやすいので、食事量やおやつの与え方に注意が必要です。適切な体重管理が健康維持に繋がります。

ペキニーズのトリミングポイント

ペキニーズの美しい長毛は、こまめなトリミングと手入れが必要です。トリミングは、ペキニーズの健康と快適な生活をサポートするためにも重要です。ここでは、ペキニーズのトリミングのポイントについてお伝えしていきます。

1.ブラッシング

ペキニーズの毛は長くて密度が高いため、毎日のブラッシングが必須です。特に毛が絡まりやすい耳の裏や胸元、腹部などは念入りにブラッシングしましょう。毛玉ができやすい犬種ですので、放置せずこまめにケアすることが大切です。

通常のブラシよりも、ピンブラシを使うと、ペキニーズの長毛を効果的に整えることができます。また、もつれをほどくのに時間がかかる場合は、少しだけ水で湿らせた状態でブラッシングすると良いでしょう。

2.顔のしわと耳のケア

ペキニーズは顔に深いしわがあるため、この部分も清潔に保つことが重要です。しわの部分に汚れがたまると皮膚炎を引き起こす可能性があるため、ぬれたタオルやガーゼなどで定期的に拭いてあげましょう。耳の中も、湿気がこもりやすく炎症を起こしやすいため、定期的にチェックし、清潔に保つようにします。

3.定期的なトリミング

ペキニーズは毛が伸びやすいため、定期的にプロのトリマーによるトリミングを行うことをおすすめします。特に足の裏や耳の周り、尾の毛は伸びすぎると汚れやすくなるので、清潔を保つためにも短く整えておくと良いでしょう。

ひろこ

ブラッシング時には、静電気を防ぐために少し湿らせたブラシを使用すると、毛の絡まりがスムーズに解けます。また、毛が伸びるスピードが早いので、定期的にカットも考慮しましょう。

ペキニーズのしつけの仕方

ペキニーズのしつけは、根気と一貫性が求められます。自立心が強いため、命令的なアプローチには反発しやすいですが、ポジティブな強化を取り入れることで、楽しくしつけを行うことができます。以下の3つのポイントを参考にしてください。

  • 社会化トレーニング:警戒心が強いペキニーズには、子犬の頃から他の犬や人に慣れさせる社会化トレーニングが重要です。飼い主さんが安心感を与え、ペキニーズが不安を感じないようにすることが大切です。
  • ポジティブな強化:望ましい行動をしたときにはすぐに褒めてあげることが、ペキニーズの学習意欲を高めます。おやつやおもちゃを使って、楽しみながらしつけを進めましょう。
  • ルールを一貫して教える:頑固な性格を持つペキニーズには、一貫したルールを設定し、繰り返し教えることが効果的です。しつけに時間がかかる場合もありますが、焦らずに取り組むことが重要です。

ペキニーズのよくある病気

ペキニーズは、特有の健康リスクを抱えています。短頭種の特徴を持つペキニーズは、呼吸器系の問題や眼疾患、さらには背骨に関するトラブルなど、いくつかの健康上の懸念があります。これらの問題を理解し、適切なケアを施すことで、ペキニーズが健康で幸せに過ごせる環境を整えることが大切です。ここでは、ペキニーズが直面しやすい健康問題について詳しく見ていきましょう。

1.短頭種気道症候群

短頭種であるペキニーズは、気道が狭く呼吸器系の問題が発生しやすいです。特に暑さや興奮による呼吸困難には注意が必要です。症状がひどい場合は、獣医師に相談し、必要に応じて手術を考えることもあります。

2.眼疾患

大きな目が特徴のペキニーズは、目の疾患にかかりやすい傾向があります。角膜炎や緑内障などが発生しやすいため、目のケアには特に注意が必要です。日常的に目の異常がないか確認し、目やにや涙が多い場合は早めに獣医師に診てもらいましょう。

3.椎間板ヘルニア

ペキニーズは体が短く、背骨に負担がかかりやすいため、椎間板ヘルニアになりやすいです。段差の多い場所での運動や無理なジャンプは避け、ソファやベッドに上がる際にはスロープを使うなど、背骨に負担をかけない環境作りを心がけましょう。

ペキニーズの豆知識集

古代中国の宮廷で特別な地位を持ち、皇帝や王族に愛されたペキニーズ。ユニークな歴史や文化的背景には、興味深いエピソードがたくさんあります。ここでは、ペキニーズにまつわる豆知識をいくつかご紹介します。

  • ペキニーズは、その神聖な地位ゆえ、盗もうとする者は厳しい罰を受けたと言われていた。また、皇帝にとって大切なペキニーズが危険にさらされることがあれば、宮廷の警備兵は自らの命を賭けて守るよう命じられていた。
  • 中国の宮廷では、ペキニーズは「ライオン犬」としてだけでなく、勇敢さの象徴ともされていた。王族がペキニーズを持ち歩く際、その犬が護衛者としても信頼されていた。
  • ペキニーズは、かつて皇帝が食べていた最高級の食材を与えられていたそうだ。彼らの食事は、他の犬とは一線を画す「王室仕様」だった。
  • ペキニーズの特徴的なしわは、かつて「邪悪な霊を追い払う」と信じられていた。しわの存在が神聖視され、悪運を避けるための守護者としての役割を担っていた。
  • ペキニーズは王族や貴族に愛されていたため、元々はあまり他の犬や人との交流がなかった。歴史的に見ると、家庭内で王族に仕える存在だった。

まとめ

今回の記事では、ペキニーズの魅力についてお伝えしました。ペキニーズは、高貴で愛らしい外見と、誇り高い性格が魅力の犬種です。歴史的背景からも、他の犬種にはない独特の存在感を持っています。飼い主さんに対して深い愛情を示しつつも、独立心が強く、頑固な一面も持ち合わせています。正しい飼い方やしつけをすれば、その性格を理解し、より良い関係を築くことができるでしょう。

また、ペキニーズは長毛種のため、日々のブラッシングやトリミングが重要です。特に毛玉や暑さに弱い点には注意が必要ですが、適切なケアをすることで、快適に過ごすことができます。

ペキニーズを飼う上では、運動や食事の管理も大切です。適度な運動やバランスの取れた食事を心がけ、健康で長く一緒にいられるように工夫しましょう。ペキニーズは一度心を開くと、飼い主さんに対して忠実で深い絆を築く素晴らしいパートナーになりますよ。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。