垂れ耳の犬を見ると、思わず「可愛い!」と声が出てしまいませんか。優しげな表情と柔らかな耳の質感は、多くの人を魅了します。ビーグル、ゴールデンレトリバー、ダックスフンドなど、人気犬種の多くが垂れ耳です。
しかし、その愛らしさの裏には、飼い主として知っておくべき健康管理のポイントがあります。今回の記事では、垂れ耳の犬の魅力と特徴、そして日々のケア方法について詳しく解説していきます。

垂れ耳の犬が人気の理由
垂れ耳の犬が多くの人に愛される理由は、何といってもそのやさしく穏やかな表情にあります。耳が顔の両側に自然に垂れることで、柔和で親しみやすい印象を与えてくれるのです。
立ち耳の犬がキリッとした凛々しい雰囲気を持つのに対し、垂れ耳の犬はどこか安心感のある、温和な雰囲気を感じさせます。その表情に癒やされるという飼い主さんも多いでしょう。
また、垂れ耳は触り心地の良さも大きな魅力です。ベルベットのように柔らかい耳や、ふわふわとした毛並みは、撫でているだけで心が落ち着きます。愛犬とのスキンシップを楽しみたい方にとって、垂れ耳は特別な存在といえるでしょう。
垂れ耳が作られた歴史的背景
実は、垂れ耳はもともと自然界に多く見られる特徴ではありません。野生のオオカミは立ち耳ですが、人間と共に暮らすようになった犬の中で、垂れ耳という特徴が現れるようになりました。
これは「家畜化症候群」と呼ばれる変化の一つで、人に対して従順で、穏やかな性質を持つ個体が選ばれてきた結果だと考えられています。特に狩猟犬として改良されてきた犬種では、垂れ耳が意図的に選択されてきました。
耳が垂れていることで、地面の匂いを嗅ぐ際に邪魔になりにくく、さらに獲物の匂いを耳の周りに留めやすいという利点があったのです。このような背景から、垂れ耳は見た目の可愛らしさだけでなく、人と共に生きる中で育まれてきた、実用性を兼ね備えた特徴ともいえます。
代表的な垂れ耳の犬種
垂れ耳の犬種は非常に多く、それぞれに個性的な魅力があります。ここでは、特に人気の高い犬種をいくつかご紹介します。
1.小型犬の垂れ耳犬種
🐶ダックスフンド
胴長短足の愛らしい体型と、長く垂れた耳が特徴的なダックスフンド。もともとアナグマ狩りのために改良された犬種で、勇敢で活発な性格を持っています。耳が非常に長いため、食事の際に汚れやすく、こまめなケアが必要です。
🐶ビーグル
大きな垂れ耳と悲しげな瞳が魅力のビーグル。嗅覚に優れた狩猟犬として知られ、好奇心旺盛で明るい性格です。耳が厚めでしっかりしているため、通気性には注意が必要となります。
🐶キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
絹のような長い耳が優雅なキャバリア。穏やかで人懐っこい性格から、家庭犬として人気があります。耳の毛が長く、絡まりやすいため、定期的なブラッシングが欠かせません。
2.中型犬・大型犬の垂れ耳犬種
🐶ゴールデンレトリバー
優しい表情と金色の美しい被毛を持つゴールデンレトリバー。家族思いで賢く、セラピー犬としても活躍しています。耳が厚く、湿気がこもりやすいため、耳のチェックは日課にしたいところです。
🐶ラブラドールレトリバー
世界中で愛される人気犬種で、垂れた三角形の耳が特徴です。活発で社交的な性格で、様々な場面で活躍します。
🐶バセットハウンド
地面につきそうなほど長い垂れ耳が印象的な犬種です。のんびりとした性格と独特の風貌が魅力で、耳のケアは特に重要となります。

垂れ耳の犬を選ぶ際は、見た目の可愛らしさだけでなく、その犬種の性格や運動量、耳のケアの頻度なども考慮しましょう。自分のライフスタイルに合った犬種を選ぶことが、お互いにとって幸せな生活につながりますよ。
垂れ耳の犬に多い健康トラブル
垂れ耳の犬は、耳の構造上どうしてもトラブルが起こりやすい傾向があります。耳が垂れていることで耳の中の通気性が悪くなり、湿気がこもりやすくなるためです。特に高温多湿の時期は注意が必要で、耳の中で細菌やカビが繁殖しやすくなります。
1.最も多いのは「外耳炎」
垂れ耳の犬に多く見られるトラブルが外耳炎です。耳垢が溜まったり、耳の中が蒸れたりすることで炎症が起こります。
次のような症状が見られる場合は、外耳炎の可能性があります。
- 頻繁に頭を振る
- 耳をしきりに掻く
- 耳から嫌なニオイがする
外耳炎を放置すると慢性化し、治療が長引いたり再発を繰り返したりすることもあります。
2.耳血腫にも注意しましょう
強いかゆみや違和感から、激しく頭を振ったり耳を掻き続けたりすると、耳介の内部に血液が溜まる「耳血腫」を起こすことがあります。耳が大きく膨らみ、熱を持ち、痛みを伴うのが特徴です。早期の治療が必要な症状のため、異変に気づいたら早めに動物病院を受診してください。

垂れ耳の犬のための日常ケア
垂れ耳の犬を健康に保つためには、日々の耳チェックと適切なケアが欠かせません。耳の中は蒸れやすく、トラブルが起こりやすい場所だからこそ、毎日の小さな気づきが大切です。
1.日常的に意識したいケアポイント
・毎日、耳の中の状態を軽く確認する
・週に1〜2回、犬用の耳クリーナーで耳掃除をする
・シャンプー後は耳の中をしっかり乾かす
・耳の毛が伸びる犬種は定期的にカットする
・散歩後は汚れや異物が付いていないかチェックする
耳掃除は、犬用の耳クリーナーをコットンに含ませ、見える範囲をやさしく拭き取ります。綿棒を耳の奥まで入れるのは危険なので避けましょう。耳の中は非常にデリケートなため、「やさしく・短時間」を意識することがポイントです。
2.シャンプー時の注意点
シャンプーの際は、耳の中に水が入らないよう注意が必要です。耳の入り口にコットンを軽く詰めておくと、水の侵入を防ぎやすくなります。シャンプー後は、耳の中の水分をしっかり拭き取り、必要に応じてドライヤーの冷風で乾かしましょう。耳が湿ったままの状態は、雑菌やカビが繁殖しやすくなります。
トラブル時にやってはいけない耳ケア
耳を頻繁に掻く、頭を激しく振る、ニオイが強いなどの症状があると、「何とかしてあげたい」と思ってしまいますよね。しかし、間違ったケアは症状を悪化させてしまうことがあります。
1.無理に耳掃除をしない
赤みや腫れ、強いニオイがあるときに無理に耳掃除をすると、炎症を悪化させたり、痛みで耳掃除を嫌がる原因になります。異常があるときは、まず掃除を控えましょう。
2.綿棒やティッシュを奥まで入れない
耳の奥をきれいにしようとして、綿棒やティッシュを深く入れるのは危険です。耳垢を押し込んでしまったり、耳の中を傷つける恐れがあります。
3.人用の薬や消毒液を使わない
人間用の消毒液や市販薬を使うのは絶対に避けてください。犬の耳には刺激が強すぎることが多く、症状を悪化させる原因になります。
4.かゆがるからと放置しない
「そのうち治るだろう」と様子見を続けるのもNGです。外耳炎などの耳トラブルは、放置すると慢性化しやすく、治療が長引く傾向があります。
5.強く押さえつけてケアしない
嫌がる犬を無理に押さえつけて耳掃除をすると、耳ケアそのものがトラウマになってしまいます。結果的に、今後のケアがより難しくなることもあります。

耳掃除を嫌がる犬には、少しずつ慣れさせることが大切です。最初は耳を触るだけ、次は耳をめくるだけ、と段階を踏んで練習しましょう。できたら必ず褒めてご褒美をあげることで、耳掃除を良い経験として記憶してくれますよ。
異常のサインを見逃さない
耳のトラブルは早期発見が重要です。次のようなサインが見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
- 耳から嫌な臭いがする
- 耳垢の色がいつもと違う(黒っぽい、黄色っぽい)
- 耳の中が赤く腫れている
- 頻繁に頭を振る
- 耳を地面や家具にこすりつける
などの症状は、何らかのトラブルが起きているサインです。
軽度の段階で治療を始めれば、短期間で改善することがほとんどです。逆に、放置してしまうと症状が悪化し、長期的な治療が必要になったり、聴力に影響が出たりすることもあります。
まとめ
垂れ耳の犬は、その愛らしい見た目と穏やかな雰囲気で、多くの人々を魅了し続けています。しかし、その可愛らしい垂れ耳は、飼い主による適切なケアを必要としています。
毎日の観察と定期的な耳掃除、そして異常の早期発見を心がけることで、愛犬の耳の健康を守ることができます。垂れ耳の魅力を存分に楽しみながら、責任を持ってケアをしていきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺




