【犬部!のモデル】太田快作先生に聞いた!劣悪な環境から犬を救うための新たな課題とは?

みなさん、こんにちは。今回は、私が実際に体験した出来事についてお伝えしたいと思います。とあるブリーダーから元繁殖犬を引き取りましたが、その犬にはいくつかの病気が見つかりました。この経験を通じて、ブリーダーの在り方や、動物愛護について深く考えさせられましたので、この記事にまとめました。

記事を通じて、動物愛護の現状や今後の対策、課題について考えていただければ幸いです。動物愛護に関心のある方はもちろん、これまであまり関心がなかった方にも、ぜひ一度考えていただけるきっかけになればと思います。

繁殖犬の救出と現実

あるブリーダーから健康状態の悪い元繁殖犬を保護しました。この犬は劣悪な環境で過ごしており、そのブリーダーの家には、狭い部屋に40頭以上の犬が押し込まれていました。

犬の中には、繁殖犬も含まれており、繁殖ができなくなった犬たちは、最後まで面倒を見られることなく、里親を募集されていました。この状況を目の当たりにし、犬たちを救いたいという強い思いがありましたが、法的にはそのブリーダーが規定を満たしているため、犬たちを救出することができない現状にあります。

法の壁と行政の対応

この問題を行政に訴えたところ、実際に現場を見て調査し、愛護法に引っかかる場合は、行政指導をおこなうということでした。ただ、いつまでにと期限は約束できず、ただ注意勧告をおこなうまでとなりました。

すぐに救出できるわけではなく、法を犯してなければ改善はされないままです。このような状況が続く中で、動物愛護の課題として、目の前の命を救うことができない現実に直面しています。では、悪質なブリーダーをなくすためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか?

悪質ブリーダーをなくすための取り組み

このような悪質なブリーダーをなくすためには、行政の取り組みや、法の厳格化が必要です。以下の取り組みを実施することで、悪質なブリーダーを減らし、または撲滅することが可能になります。

法改正と規制の強化

  • 動物の飼育環境に関する法律を見直し、より厳しい基準を設けることが必要です。特に繁殖犬に関しては、健康管理や生活環境の基準をさらに厳しくし、定期的な監査を義務付けることが効果的です。例えば、ケージの広さや清潔さ、定期的な獣医の診察を義務化することで、劣悪な環境での飼育を防ぐことができます。

監視体制の強化

  • 行政による予告なしの定期的な監査や、第三者機関によるチェックを導入し、違反があれば即時の改善命令や罰則を適用する仕組みを整えることが重要です。また、一定の基準を厳しく設けて満たさないブリーダーは営業できないようにすることも有効です。

通報制度の整備

  • 一般市民や動物愛護団体が気軽に通報できる制度を整備し、迅速な対応が可能な体制を構築することで、悪質なブリーダーを早期に発見し、対策を講じることができます。例えば、匿名での通報を受け付けるホットラインや、オンライン通報システムの導入が考えられます。

教育と啓発活動

  • 飼い主さんや一般市民に対して、動物愛護の重要性や正しいペットの飼育方法についての教育を行い、悪質なブリーダーからの購入を避けるよう促すことが必要です。学校教育や地域イベントを通じて、動物愛護の精神を広めることが重要です。

動物保護団体との連携

  • 動物保護団体と行政が連携し、保護された動物の里親探しなどを行うことで、保護された動物たちが新たな生活を始めやすくする環境を整えることが求められます。また、動物保護団体がブリーダーの監査を行う際の協力体制を整えることも重要です。
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市民ができる具体的な活動

では、私たち一市民ができる具体的な活動には、どのようなものがあるのでしょうか。以下にまとめました。

動物保護団体への支援

  • 動物保護団体に寄付をする、またはボランティアとして参加することで、保護された動物たちのケアや里親探しをサポートすることができます。ボランティア活動には、犬の散歩や清掃、イベントの手伝いなどがあります。

里親になる

  • 保護された動物の里親になることを検討してみてください。里親として新しい家庭を提供することで、動物たちに安定した生活を提供することができます。また、里親になることで、劣悪な環境から救われた動物たちが、再び苦しい状況に戻ることを防ぐ手助けになります。

動物愛護に関する教育活動に参加

  • 地域で開催される動物愛護に関するセミナーなどに参加し、知識を深めることが大切です。その後、自分の周りの人々に動物愛護の重要性を伝え、意識を広める活動に取り組むことができます。

通報活動

  • 劣悪な環境で飼育されている動物を発見した場合、直ちに通報することが重要です。通報することで、早期の介入が可能となり、動物たちの命を救うことができます。通報制度を利用して、行政や動物保護団体に情報を提供しましょう。
  • 動物愛護センターは、ブリーダーやペットショップなど業者による虐待の相談窓口です。(下記URL参照)
  • 地方自治体は、一般の飼い主や、個人による虐待に対しての相談窓口です。(下記URL参照)

ペットショップやブリーダーの選択に慎重になる

  • ペットを購入する際には、信頼できるペットショップやブリーダーを選ぶように心がけましょう。事前に調査を行い、動物の飼育環境や管理体制を確認することが大切です。悪質なブリーダーからの購入を避けることで、需要を減らし、悪質な繁殖を抑制することができます。

SNSでの啓発活動

  • ソーシャルメディアを活用して、動物愛護に関する情報を発信することも効果的です。問題を共有し、多くの人々に現状を知ってもらうことで、社会全体での意識向上を図ることができます。写真やビデオを通じて、保護された動物たちの状況を伝えることも有効です。
出典
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院長:太田 快作

繁殖犬の救出と診察

保護した元繁殖犬の健康状態は非常に悪く、緊急に診察が必要な状況でした。そこで、ハナ動物病院の院長である太田快作先生に診察をお願いしました。太田先生とは、病院開業時から飼っていた犬を通院させていた縁があり、今回の診察も快く引き受けていただきました。太田先生は、メディアへの露出も多く、保護活動に力を入れておられます。

繁殖犬の保護と今後の対応について

ここでは、太田先生に繁殖犬の保護や今後の対応についていくつか質問しましたので、ご紹介します。


ひろこ:お久しぶりです。今回は、あるブリーダーから繁殖犬を保護したので診察と、可能であれば先生の知り合いの動物愛護団体を紹介していただけないでしょうか?

太田院長:お久しぶりです。動物愛護団体には知り合いがたくさんいますが、どうしたんですか?

ひろこ:実は、この保護した犬の他にも、そのブリーダーのところには約40頭の犬がいて、健康状態が非常に悪いんです。愛護団体に相談して救出したいと思うのですが…。

太田院長:そうなんですね。現状として、行政は指導はできるけど、法の規定を守っていれば直接中に入って救出することは難しいんですよ。それなら一つの案として、そのブリーダーと仲良くなって、他の犬たちの里親を探したり、自分がボランティアで手伝ったりするのも一つの方法です。自分が動くことで動物を救出することができますからね。もちろん、体調が心配であれば、僕が診察しに行くこともできますし、協力は惜しみませんので、いつでも言ってください。

ひろこ:そうなんですね。現状では行政は動けないということですか。すぐに救出するのは難しいのですね。

太田院長:そうですね。ただ、行政に相談することで指導が入って改善することもありますので、一度相談してみるのも良いかもしれません。僕がお手伝いできることがあったら、いつでも連絡してください。

ひろこ:ありがとうございます。とりあえず、行政の窓口に相談してみます。何かあったら、また先生に相談しますね。

太田院長:はい、いつでも言ってください。


院内が混雑している中、丁寧に話を聞いてくれ、親身になって相談に乗ってくれた太田先生は、本当に動物愛にあふれた素敵な先生です。

動物愛護の観点から、適切なケアと法規制の強化が求められます。しかし、現在の法規定では罰せることができないのも現状です。とり急ぎ、いま自分にできることは、行政に相談して、環境改善をうながすことです。診察の翌日には、行政に通報させていただきました。この記事を読んだ方々も、動物愛護の取り組みに参加し、一緒に動物たちの未来を守るために行動を起こしましょう。

太田院長による診察結果

今回保護した犬を詳細に診察した結果、複数の病気が見つかりました。これらの病気は、劣悪な環境や適切なケアが行われていなかったことが原因であると考えられます。太田先生は、動物の健康管理の重要性を強調し、動物愛護の観点から今回の状況を深く憂慮されました。

まとめ

今回の記事では、私の体験を通じて「動物愛護の在り方」についてお伝えしました。劣悪な環境で飼育されている繁殖犬たちを救うためには、法改正や規制の強化、監視体制の整備、教育と啓発活動など、多方面からの取り組みが必要です。悪質なブリーダーをなくすためには、個々の努力だけでなく、社会全体での協力が不可欠です。

動物たちの命を守るために、今こそ行動を起こす時です。そして、この記事を読んだ皆さんも、具体的な活動を通じて、動物愛護の一翼を担うことができます。動物たちの未来をより良いものにするためには、一人一人の行動が重要となるのです。少しでも違和感を感じたり、おかしいと思ったら、まずは行政に相談することをおすすめします。

今回ご協力いただきました太田先生には、深く感謝申し上げます。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。