【犬の毛刈り後脱毛症】とは?なりやすい犬種と適切なケア方法を解説

愛犬をトリミングした後、なかなか毛が生えてこなかったり、一部の毛が薄くなったままになってしまった経験はありませんか?トリミング後の脱毛には、さまざまな原因が考えられますが、その中でも「毛刈り後脱毛症」は多くの飼い主さんが悩む問題のひとつです。

今回の記事では、毛刈り後脱毛症の原因や対策、効果的なケア方法について詳しく解説していきます。愛犬の健康な毛並みを守るためにも、ぜひ最後までお読みください。

毛刈り後脱毛症の原因とは?

毛刈り後脱毛症とは、犬をバリカンで短く刈った後に、毛がうまく再生しない状態を指します。この症状が出ると、部分的に毛が生えてこなくなったり、まばらな毛の状態が長期間続いたりすることがあります。一定の犬種に多く見られ、体質や毛質によって発生しやすい傾向があります。

毛刈り後脱毛症が起こる主な原因として、被毛の成長サイクルの乱れが挙げられます。犬の毛には「成長期」「退行期」「休止期」といったサイクルがあり、これが正常に機能することで、新しい毛が生え変わります。しかし、バリカンで短く刈ることで、このサイクルが乱れ、毛がうまく生えてこなくなることがあります。

また、特定の犬種では、被毛が二重構造になっているダブルコートのため、無理に短く刈ることで毛が生え変わる力が弱まることがあります。特にポメラニアンやサモエドなどの犬種では、一度バリカンで短くしてしまうと、元のふわふわした毛並みに戻らなくなることがあるため注意が必要です。

ひろこ

特にダブルコートの犬種は、必要以上に短くカットしないことが大切です。バリカンを使う場合は、適度な長さを残してカットするようにしましょう。

毛刈り後脱毛症になりやすい犬種

毛刈り後脱毛症は、すべての犬に起こるわけではありません。特に以下の犬種は発症しやすいとされています。

  • ポメラニアン
  • シベリアンハスキー
  • ゴールデンレトリバー
  • アラスカンマラミュート
  • サモエド
  • チワワ(ロングコート)

毛刈り後脱毛症のリスクは、毛を短く刈れば刈るほど高くなると言われています。そのため、長毛種の犬の飼い主さんは、トリミング時にバリカンの使用を避けたり、極端に短いカットをしないよう注意する必要があります。

また、サマーカットなどの短い毛刈りは、飼い主さんにとっては管理が楽になるというメリットがありますが、犬にとっては様々なデメリットがあることも認識しておくべきです。トリミングの際には、犬種に合ったカット方法を選ぶことが重要です。

毛刈り後脱毛症を防ぐための対策

毛刈り後脱毛症を防ぐためには、まずトリミングの方法を見直すことが大切です。犬の毛を極端に短くしないようにし、ハサミを使って整える方法を選ぶのもひとつの手です。また、バリカンを使用する場合は、アタッチメントをつけて長めにカットすることで、毛の成長に必要な刺激を残すことができます。

さらに、皮膚の健康を保つことも重要です。皮膚の乾燥や炎症があると、毛が生えにくくなるため、定期的な保湿ケアを心がけましょう。犬用の保湿スプレーやオイルを使用することで、皮膚を健康な状態に保つことができます。

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トリミング後は、愛犬の皮膚の状態をこまめにチェックしましょう。赤みやかゆみが見られる場合は、すぐに獣医師に相談するのが安心です

毛刈り後脱毛症になってしまった場合のケア方法

もし毛刈り後脱毛症になってしまった場合は、焦らず適切なケアを行うことが大切です。まず、バランスの取れた食事を意識し、毛の成長を助ける栄養素をしっかり摂ることが重要です。特に、オメガ3脂肪酸やビオチン、ビタミンEを多く含む食事を取り入れることで、毛の再生を促す効果が期待できます。

また、マッサージを取り入れるのも効果的です。優しく皮膚をマッサージすることで血行が促進され、毛根に栄養が行き渡りやすくなります。専用のマッサージブラシを使うと、より効率的にケアができるでしょう。

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毛がなかなか生えてこない場合は、獣医師に相談し、ホルモンバランスの検査を受けるのもおすすめです。毛刈り後脱毛症の原因として、甲状腺機能低下症などの病気が関係していることもあります。

毛刈り後脱毛症とシニア犬の関係

シニア犬になると、毛の生え変わるスピードが遅くなり、毛刈り後脱毛症が起こりやすくなります。年齢とともにホルモンバランスが変化し、皮膚の代謝が落ちることで、毛の再生がスムーズにいかなくなることが原因です。シニア犬の場合は、特に栄養管理と保湿ケアを徹底し、適度な運動で血行を促進することが重要です。

獣医師に相談するべきタイミング

毛刈り後脱毛症が長引く場合や、皮膚に異常が見られる場合は、早めに獣医師に相談することが大切です。特に、脱毛部分に炎症やかゆみが見られる場合、感染症やアレルギーが関係している可能性もあります。獣医師の診察を受けることで、適切な治療法やサプリメントの提案を受けることができるでしょう。

まとめ

毛刈り後脱毛症は、犬種やトリミングの方法によって発症しやすさが異なります。特にダブルコートの犬種は、バリカンで短くしすぎると毛が生えにくくなることがあるため、注意が必要です。日々のケアや適切な栄養補給を心がけることで、毛の再生を助けることができます。

愛犬の美しい毛並みを守るために、トリミングの方法を工夫し、皮膚の健康を保つ習慣を取り入れてみてください。毛刈り後脱毛症が気になる場合は、早めに専門家に相談し、適切なケアを行うことが大切です。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。