【犬のシャンプー】人間用を薄めて使うのは本当にNG?

愛犬のお手入れで悩むことの一つが、シャンプー選び。「人間用のシャンプーを薄めれば使える」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、これは本当に安全なのでしょうか?今回の記事では、人間用シャンプーを犬に使うリスクと、安全なシャンプーの選び方について詳しく解説します。

人間用シャンプーを犬に使うのは危険?

まず結論として、人間用シャンプーを薄めて犬に使うのはおすすめできません。なぜなら、人間と犬では皮膚の構造やpHバランスが異なるため、人間用シャンプーが犬の皮膚にダメージを与える可能性があるからです。以下に、なぜ危険なのかを解説していきます。

1. 皮膚のpHバランスが違う

人間の皮膚は弱酸性(pH5.5〜6.5)ですが、犬の皮膚は中性〜弱アルカリ性(pH6.0〜8.0)です。人間用シャンプーは弱酸性に調整されているため、犬の皮膚を刺激し、バリア機能を低下させるリスクがあります。

2. 犬の皮膚は人間より薄い

犬の皮膚の厚さは人間の約1/3程度しかありません。そのため、人間用シャンプーの洗浄成分が刺激となり、皮膚トラブルを引き起こしやすくなります。

3. 必要な皮脂まで洗い流してしまう

犬は人間より皮脂の分泌が少なく、皮脂は皮膚を守る大切な役割を持っています。人間用シャンプーの強い洗浄力で必要な皮脂まで取り除かれると、皮膚が乾燥しやすくなり、かゆみやフケの原因となることがあります。

ひろこ

愛犬の皮膚トラブルを防ぐためには、犬専用のシャンプーを使うのが一番安全です。犬種や毛質に合わせて選ぶと、より効果的なケアができますよ。

シャンプーを薄めても安全にはならない?

「人間用シャンプーを薄めれば刺激が少なくなるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、以下の理由から、薄めても根本的な問題は解決しません。

1. 成分は変わらない

シャンプーを薄めても、洗浄成分や化学物質の性質自体は変わりません。刺激の強い成分が含まれている場合、それが犬の皮膚に悪影響を与える可能性は変わらないのです。

2. 泡立ちが悪くなり使用量が増える

薄めることで泡立ちが悪くなり、結果的に多くの量を使用してしまうことがあります。これでは、むしろ皮膚への負担が増えてしまうことにもなりかねません。

3. すすぎ残しのリスクが高まる

薄めたシャンプーは流れにくく、すすぎ残しが起こりやすくなります。洗い残しがあると、皮膚トラブルの原因となることがあります。

人間用シャンプーを犬に使うことで起こる可能性のあるトラブル

実際に人間用シャンプーを犬に使用すると、以下のようなトラブルが発生するリスクがあります。

  • 皮膚の乾燥・かゆみ:皮膚のバリア機能が低下し、かゆみを引き起こす可能性があります。
  • 皮膚炎や脱毛:刺激が強すぎると、皮膚が炎症を起こし、ひどい場合は脱毛につながることもあります。
  • フケの増加:皮膚の乾燥により、フケが増えることがあります。
  • アレルギー反応:人間用シャンプーの成分が犬に合わず、アレルギーを引き起こす可能性もあります。

これらのトラブルを回避するためにも、人間用のシャンプーは使用しないようにしましょう!

ひろこ

愛犬にかゆみや皮膚の赤みなど、何か異変を感じたら、すぐに使用を中止し、獣医師に相談しましょう。早めの対応が大切です。

どうしても犬用シャンプーがないときの対処法

「急に犬用シャンプーがなくなってしまった!」そんな時のために、安全な代用方法をいくつかご紹介します。

1. ぬるま湯で洗う

軽い汚れであれば、ぬるま湯だけでも十分にきれいになります。タオルで優しく拭き取りながら、汚れを落としましょう。

2. ベビーシャンプーを使う(緊急時のみ)

人間用の中では、ベビーシャンプーが比較的低刺激ですが、あくまで緊急時の一時的な代用品として考えましょう。

3. 自然派石鹸を使用する

オーガニック石鹸や無添加石鹸の中には犬にも使用できるものがあります。ただし、成分をしっかり確認し、合わない場合は使用を控えましょう。

これらの方法はあくまで緊急時の代用であり、普段から使用するのではなく、必ず犬用のシャンプーを使用しましょう。

犬に適したシャンプーの選び方

愛犬の健康を守るためには、以下のポイントを考慮して犬専用シャンプーを選ぶことが大切です。

1. 犬種や毛質に合ったものを選ぶ

長毛犬は保湿成分のあるもの、短毛犬は皮膚のバリア機能をサポートするものがおすすめです。

2. 低刺激のものを選ぶ

香料や人工着色料が少なく、ナチュラルな成分で作られたシャンプーを選びましょう。

3. 皮膚トラブルがある場合は獣医師に相談する

皮膚炎やアレルギーを持っている犬には、薬用シャンプーが必要な場合もあります。自己判断せず、獣医師のアドバイスを受けることが大切です。

4.年齢に合わせる

子犬や老犬には、リンスインシャンプーなど、時短できるタイプがおすすめです。

ひろこ

シャンプーを変える時は、まず少量を体の一部に試してみましょう。肌に合わない場合もあるので、全身に使う前の確認が大切です。

まとめ

人間用シャンプーを犬に使うのは、たとえ薄めてもリスクが高く、推奨できません。愛犬の皮膚を守るためには、pHバランスや成分が犬に適した専用のシャンプーを使用するのが最善の選択です。

シャンプー選びに迷ったら、獣医師やトリマーに相談し、愛犬に最適なものを見つけましょう。正しいシャンプーで、愛犬の健康な皮膚と美しい毛並みを守ってあげてくださいね!最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。