愛犬が下痢したらどうする?考えられる原因と家庭でできる対処法・受診の目安

愛犬が突然下痢をしてしまった時、多くの飼い主さんが「どうしたらいいの?」と慌ててしまうのではないでしょうか。犬の下痢は決して珍しい症状ではありませんが、軽く考えてはいけない場合もあります。

「いつものドッグフードを食べているのに急に下痢になった」「散歩中に拾い食いをしてしまったかも」「元気はあるけれど便がゆるい状態が続いている」など、下痢の原因や状況は様々です。

適切な対処をすることで軽度の下痢は自宅でも改善できることがありますが、重篤な病気が隠れている場合もあります。今回の記事では、犬の下痢の原因から家庭でできる応急処置、病院を受診すべきタイミング、予防方法まで詳しく解説します。

犬の下痢の主な原因

犬の下痢は、大きく「食事」「ストレス」「感染症」「その他の病気」の4つに分けられます。 最も多いのは食事に関わるものです。

次に多いのがストレスです。犬は生活環境の変化に敏感で、引っ越しや家族の変化、長時間の留守番など慣れない状況が下痢につながることがあります。また、通院やトリミングなどで緊張した際にも一時的に下痢を起こすことがあります。

注意すべきは細菌やウイルス、寄生虫による感染症です。 特に子犬に多いパルボウイルス感染症は激しい下痢と嘔吐を伴い、放置すると怖いです。 サルモネラやカンピロバクターなどの細菌感染では血便や発熱が起こることがあります。 寄生虫による下痢は慢性化しやすく、便検査をして駆虫薬による治療が必要です。

また、肝臓病や腎臓病、膵炎、甲状腺疾患、さらには腸の腫瘍や炎症性腸疾患なども下痢の症状として現れます。 特に高齢犬では内臓疾患に伴う下痢が増えるため、慢性的な症状は放置せず獣医師に相談しましょう。

家庭でできる初期対応

軽度の下痢で犬の全身状態が良い場合は、飼い主ができる応急処置があります。 まずは12~24時間の絶食で胃腸を休ませます。食事再開する時は、柔らかく炊いた白米や皮を取り込んで茹でて鶏肉、かぼちゃなど消化に優しい食材を少しずつ与えます。

症状が落ち着いたら数日かけていつものフードに戻っていきます。焦点って元の食事にしっかりと再発するため、便の状態を見ながらじっくり進むことが大切です。市販の消化器疾患用の療法食も有効ですが、必ず獣医師の指導を受けて選んでください。

下痢が続くと脱水症状が心配されます。元気がなくなる、歯茎の色が白っぽい、皮膚を引っ張っても負けが遅いような症状が出た場合は命に関わるため、すぐに病院で点滴治療を受ける必要があります。

ひろこ

下痢の時の食事管理で最も重要なのは「急がない」ことです。早く元の食事に戻したい気持ちは分かりますが、焦って通常の食事を与えると症状が悪化することがあります。便の状態をしっかりと観察し、固形に近づいてきてから徐々に普通の食事に戻しましょう。また、この期間中は新しい食材やおやつは与えず、シンプルな食事を心がけることが回復への近道です。

病院を受診すべき症状

血便、粘液便、嘔吐を伴う下痢、高熱(39.5℃以上)、食欲の消失、ぐったりして動けない状態は緊急に受診が必要です。激しい症状はなくても、下痢が48時間以上続き、軟便が慢性的に見られる、体重減少や​​被毛のツヤ低下がある場合も、寄生虫や消化器疾患、内臓の慢性病が隠れている可能性があるため受診すべきです。 病院では問診と検査身体に加え、便検査、血液検査、レントゲンやエコー検査を行って原因を特定します。

下痢の治療と回復の過程

治療は原因に応じて行われます。細菌感染なら抗生物質、寄生虫では駆虫薬を使用します。炎症性腸疾患では免疫抑制剤が投与されることもあり、いずれも獣医師の指示を守り途中で中断しないことが大切です。

治療中の食事管理は回復を大きく左右します。 市販の処方療法食は消化性が高く腸への負担が少ないため、回復を助けます。 また1日の食事複数回に分けて、冷たい食事や刺激の強い食材は避けます。

帰ってきても急に通常の生活に戻すのではなく、食事も活動量も段階的に元へ戻していく必要があります。便の状態、水分摂取量、食欲の変化を日々記録し、獣医師に報告することも治療効果の確認に役立ちます。

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治療中の愛犬の観察で最も大切なのは、「いつもとの違い」に気づくことです。毎日同じ時間に便の状態をチェックし、色・硬さ・量・臭いを記録しましょう。スマートフォンのカメラで便の様子を撮影しておくと、獣医師への報告時に非常に役立ちます。また、水を飲む量や食欲の程度も数値化して記録すると、回復の度合いを客観的に把握できます。

日常でできる予防と管理

犬の下痢を防ぐには、普段からの健康管理が最も重要です。高品質なドッグフードを選ぶ適切な量を守ること、フードの切り替えは7~10日かけて徐々に行うことが基本です。人間の食事、特に脂肪分や香辛料の多いもの、犬に有害な食材は与えないようにしましょう。

また、犬は環境やストレスに敏感です。 規則正しく正しい生活リズムを整え、散歩や遊びの時間を一定に保つことで消化機能も安定します。 住環境の変化には、愛用のおもちゃや毛布を用意するなど安心できる工夫が効果的です。

血液検査や便検査で内臓の状態や寄生虫の有無を早期に確認できます。 パルボウイルスなど重篤な感染症はワクチンで防ぐため、必ず接種スケジュールを守りましょう。 食器や水入れの清潔維持、散歩中の拾い食い防止も有効な予防策です。

ひろこ

下痢予防で見落としがちなのが「水の管理」です。水は毎日新しいものに交換し、水入れは定期的に洗浄しましょう。特に夏場は水が傷みやすく、細菌が繁殖しやすくなります。外出時に携帯用の水を持参する際も、こまめに新鮮なものに交換することが大切です。また、災害時のために犬用の保存水やペット用品の備蓄も考えておくと安心です。清潔な水の確保は、下痢予防だけでなく、愛犬の全身の健康維持に欠かせません。

再発や慢性化への対応

治療したと思った下痢が起こる場合は、食物アレルギーや炎症性腸疾患、膵外分泌不全などの慢性疾患が背景にあることがあります。必要に応じて血液検査や内視鏡、生検、アレルギー試験が行われ、長期的な治療計画が立てられます。除去食試験などで原因食材を特定し、食事療法を続けることも有効です。

まとめ

犬の下痢はよくある症状ですが、その先には重大な病気が隠れていることもあります。 家庭での初期対応と正しい食事管理により改善するケースも多い、血便や嘔吐を伴う下痢や全身症状がある場合はすぐに取り組むことが重要です普段から正しい食事、ストレスの軽減、清潔な生活環境、定期健診を心がけることで、多くの下痢は防ぐことができます。

愛犬の体調の変化に敏感になり、初期段階で獣医師と相談できる姿勢を持つことが、健康を守る一番の鍵になります。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。