愛犬家の皆さん、こんにちは。今日は、あまり知られていない犬の特徴について、興味深いお話をしたいと思います。それは、「犬の利き手」についてです。「え?犬にも利き手があるの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
実は、犬にも人間と同じように利き手があることが、最近の研究で明らかになってきています。今回の記事では、犬の利き手について詳しく解説し、愛犬の新たな一面を発見するお手伝いをしたいと思います。
犬にも利き手はある?
犬の利き手に関する研究は世界中で進められています。そのなかで、注目すべき調査結果をいくつかご紹介します。オーストラリアのシドニー大学では、270頭の犬を対象に約3年間かけて調査を実施。その結果、「右利き」「左利き」がそれぞれ15%、残りの70%は「どちらでもない」という結果に。
一方、イギリスのマンチェスター大学の研究では、「右利き」「左利き」が約半数ずつで、「両利き」はごくわずかという結果が出ました。最新の調査として、2025年1月時点でイギリスのリンカーン大学の研究チームが約1万8000頭の犬を対象に行った大規模な研究があります。
この結果、74%の犬に左右の「利き足」があり、そのうち58.3%が右利き、41.7%が左利きと判明しました。これらの研究から、犬にも利き手があることが明らかですが、割合には研究ごとに違いがあり、完全な結論には至っていません。
犬の利き手を知ることは、面白い発見以上の意味があります。利き手を知ることで、愛犬の行動や特性をより深く理解できる可能性があります。
犬の利き手はどちらが多い?
人間では、一般的に右利きが圧倒的に多く、左利きの割合は約10.6%とされています。では、犬の場合はどうでしょうか?先ほどの結果から、犬は人間に比べて左利きの割合がかなり高いことが分かります。
さらに興味深いのは、性別によって利き手の傾向が異なる点です。同じ研究では、メス犬の60.7%が右利き、39.3%が左利きであるのに対し、オス犬は56.1%が右利き、43.9%が左利きという結果が示されました。つまり、オス犬の方が左利きの割合が高いことが分かります。
これらの結果から、犬は人間ほど右利きに偏っておらず、左利きの割合が比較的高いことが確認されます。また、性別によって異なる傾向も見られる点が、人間とは異なる特徴といえるでしょう。
愛犬の利き手を見分ける方法
では、実際に自分の愛犬の利き手を知りたい場合、どのように調べればよいのでしょうか?以下に、簡単にできる方法をいくつかご紹介します。
- おやつテスト:愛犬の目の前に小さなおやつを置き、どちらの前足で取ろうとするかを観察します。
- 握手テスト:愛犬に「お手」をさせる時、どちらの前足を差し出すかを観察します。
- マズルテスト:愛犬のマズル(鼻先)に軽くテープを貼り、どちらの前足で取ろうとするかを観察します。
- 段差テスト:段差を上る時、どちらの前足から踏み出すかを観察します。
これらのテストを行う際の注意点として、1回だけでは正確な判断ができません。最低でも50回以上、できれば100回程度繰り返し行い、その傾向を見極めることが大切です。
また、テストを行う際は、左右の偏りがないように注意しましょう。例えば、おやつを置く位置を左右均等にするなどの配慮が必要です。
愛犬の利き手を調べる際は、ストレスを与えないよう、遊びの延長として自然に観察することをおすすめします。
犬種による利き手の違いはあるの?
犬種によって利き手に違いがあるのかどうかは、多くの飼い主さんが気になる点ではないでしょうか。しかし、現時点での研究では、犬種による利き手の傾向の違いは確認されていません。
オーストラリア・シドニー大学の調査では、犬種による利き手の傾向や差は見られなかったと報告されています。つまり、大型犬や小型犬、長毛種や短毛種など、どのような犬種であっても、利き手の傾向に大きな違いはないということです。
ただし、これは現時点での研究結果であり、今後さらなる調査が行われれば、新たな発見があるかもしれません。犬種による違いはないものの、個体差はあるということは覚えておく必要があります。
犬の利き手を知ることの意義
ここまで犬の利き手について解説してきましたが、では実際に愛犬の利き手を知ることにどのような意味があるのでしょうか?
まず、犬の利き手を知ることで、その犬の脳の働きの特徴をある程度推測できると考えられています。2016年にイタリアのチームが行った調査では、犬の「利き手」と「空間認識」の関係性が確認されています。右利きの犬は右の視野を、左利きの犬は左の視野を優先的に処理する傾向があるというのです。
この知識は、愛犬とのコミュニケーションを深める上で役立つかもしれません。例えば、ハンドシグナルを使う際に、愛犬の利き手側から合図を出すことで、より早いレスポンスを得られる可能性があります。
また、使役犬の訓練においても、利き手の知識が活用されています。オーストラリア・シドニー大学の研究者らは、使役犬の訓練成功率と利き手の関係について調査を行っています。実際に、盲導犬の試験に合格する確率は右利きの犬の方が高いという報告もあります。
愛犬の行動や癖を理解する上でも、利き手の知識は役立つかもしれません。例えば、ボールを追いかける時の動きや、おもちゃで遊ぶ際の癖などが、利き手と関連している可能性があります。
愛犬の利き手を知ることは、単なる豆知識ではありません。この知識を活かして、愛犬とのコミュニケーションや遊び方をより楽しく、効果的なものにしていくことができるでしょう。
まとめ
犬にも利き手があるという事実は、多くの飼い主さんにとって新しい発見かもしれません。愛犬の利き手を知ることで、その個性や特徴をより深く理解することができます。また、トレーニングやコミュニケーションの際に、この知識を活用することで、より効果的な方法を見つけられるかもしれません。
ぜひ、この記事で紹介した方法を使って、愛犬の利き手を調べてみてください。犬の利き手研究はまだ発展途上の分野です。今後さらなる研究が進み、新たな発見があるかもしれません。
愛犬家の皆さんも、ぜひ興味を持って注目していってくださいね。愛犬との生活がより豊かで楽しいものになることを願っています。最後までお読みいただきありがとうございました☺