ドッグランや散歩中に他の犬と出会った時、愛犬の様子がいつもと違うと感じたことはありませんか。犬同士の関係性は、人間が思っている以上に繊細で複雑です。仲が悪いサインを見逃してしまうと、突然のケンカやトラブルにつながることもあります。
今回の記事では、犬同士が仲良くない時に見せる行動やボディランゲージについて、詳しく解説していきます。愛犬を守るために、これらのサインを正しく理解しましょう。

犬同士の仲が悪い時の基本的なサイン
犬は言葉を話せない代わりに、体全体を使ってコミュニケーションを取っています。仲が悪い犬同士が出会うと、まず最初に現れるのが体の硬直です。全身の筋肉が緊張し、動きが止まったように見えます。これは警戒心の表れで、相手の出方をうかがっている状態です。
尻尾の動きも重要な指標となります。仲が良い犬同士なら尻尾を大きく振りますが、仲が悪い場合は尻尾が高く上がったまま硬直したり、逆に股の間に巻き込んだりします。高く上がった尻尾は自信と優位性の誇示を意味し、巻き込んだ尻尾は恐怖や不安を表しています。どちらの状態も、リラックスした関係性ではないことを示しているのです。
目の合わせ方で分かる緊張関係
犬の目線も、相手との関係性を読み解く大きなヒントになります。仲が悪い犬同士は、じっと相手を凝視する傾向があります。これは「アイコンタクト」や「ハードステア」と呼ばれる行動で、威嚇や挑戦の意味を持ちます。白目が見えるほど目を見開いている場合も、強い緊張状態にあるサインです。
逆に、露骨に目をそらし続けるのも、相手を避けたいという意思表示です。顔を完全に背けたり、あくびをしたりする行動が見られたら、それは「カーミングシグナル」と呼ばれる緊張緩和のための行動で、相手との距離を取りたがっている証拠といえます。
攻撃性を示す危険なサイン
仲の悪さがエスカレートすると、より明確な攻撃的サインが現れます。歯を剥き出しにして唸り声を上げるのは、最も分かりやすい警告です。この時、鼻にシワを寄せて歯茎まで見えるような表情をしていたら、かなり危険な状態といえます。
耳の位置も重要です。攻撃的な犬は耳を前方に向けて立てます。これは相手の動きを敏感に察知しようとしている状態です。一方、恐怖から攻撃に転じそうな犬は、耳を後ろにぴったりと寝かせます。どちらの場合も、すぐにケンカに発展する可能性があるため注意が必要です。
毛を逆立てる「ハックル」
背中から尾の付け根にかけての毛が逆立つ現象を「ハックル」といいます。これは興奮や警戒、恐怖などの強い感情の表れです。必ずしも攻撃を意味するわけではありませんが、仲が悪い犬同士が出会った時にこの状態になると、緊張が高まっている証拠です。
体を大きく見せようと、横向きに立って足を踏ん張る姿勢も威嚇のサインです。相手に対して自分の力を誇示し、優位性を主張しようとしているのです。

これらの危険なサインが見られたら、リードを短く持ち、愛犬と相手の犬の間に自分が入るようにして距離を取りましょう。急に引っ張ると愛犬の緊張が高まるので、冷静にゆっくりとその場を離れることが大切ですよ。
消極的な拒否のサイン
攻撃的な行動だけが仲の悪さを示すわけではありません。むしろ、積極的に距離を取ろうとする行動も、犬同士の相性が良くないサインです。相手から逃げるように後ずさりしたり、飼い主の後ろに隠れたりする行動は、その犬を避けたいという明確な意思表示です。
体を低くして地面に伏せるような姿勢も、服従や恐怖を表しています。この状態の犬を無理に相手に近づけると、恐怖からパニックになり、噛みつくなどの防衛行動に出ることがあるので注意が必要です。散歩中に特定の犬を見るとUターンしようとしたり、その場に座り込んで動かなくなったりするのも、その犬との交流を拒否しているサインといえます。
ストレスサインを見逃さない
以下のような行動が見られる場合、犬は強いストレスを感じています。
・頻繁にあくびをする
・鼻や口の周りを何度も舐める
・体をブルブルと震わせる
・地面の匂いを執拗に嗅ぎ続ける
・理由もなく突然吠える
これらは「カーミングシグナル」や「ストレスサイン」と呼ばれ、不安や緊張を和らげようとする自己鎮静行動です。相手の犬との関係が良くないために感じているストレスの表れなのです。

相性の悪い犬との付き合い方
すべての犬が仲良くなれるわけではありません。人間と同じように、犬にも相性があります。無理に仲良くさせようとすると、かえってストレスを与え、関係が悪化することもあります。愛犬が特定の犬を嫌がるようなら、その気持ちを尊重してあげることが大切です。
散歩コースを変えたり、時間帯をずらしたりして、苦手な犬と遭遇しないように工夫しましょう。ドッグランでも、愛犬が明らかに嫌がっている場合は無理に留まる必要はありません。早めに退出して、愛犬が安心できる環境に戻してあげることが、飼い主としての適切な判断です。
社会化トレーニングの重要性
子犬の頃から様々な犬と適切に触れ合わせることで、社会性を育てることができます。ただし、無理強いは逆効果です。愛犬がリラックスできる距離を保ちながら、徐々に他の犬に慣れさせていくことが重要です。
トレーナーや獣医師に相談しながら、愛犬に合ったペースで社会化を進めていきましょう。すでに成犬になっている場合でも、適切なトレーニングによって改善できることもあります。

愛犬が他の犬と上手に挨拶できた時は、すぐにご褒美をあげて褒めてあげましょう。良い経験を積み重ねることで、少しずつ他の犬への警戒心が和らいでいきます。焦らず、愛犬のペースに合わせることが成功の鍵ですよ。
トラブルを未然に防ぐために
犬同士のケンカは一瞬で起こります。仲が悪いサインを早期に察知し、適切に対応することで、ほとんどのトラブルは防ぐことができます。散歩中は常に愛犬の様子を観察し、少しでも緊張している様子が見えたら、無理に近づけないようにしましょう。
リードは常に適度な長さに保ち、いざという時にすぐにコントロールできるようにしておくことも大切です。「うちの子は大丈夫」という過信は禁物です。どんなに穏やかな性格の犬でも、相性の悪い犬とは距離を取る必要があります。
まとめ
犬同士が仲悪いサインを理解することは、愛犬を守るだけでなく、他の犬や飼い主さんとのトラブルを防ぐためにも重要です。体の硬直、尻尾や耳の位置、目線、唸り声や毛の逆立ちなど、様々なサインを総合的に判断しましょう。
そして何より大切なのは、愛犬の気持ちを尊重することです。無理に仲良くさせようとせず、愛犬が快適に過ごせる環境を提供してあげることが、飼い主としての責任といえるでしょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺



