「最近うちの犬、寝てばかりいる気がする…」冬になると、そんな不安を感じる飼い主さんは少なくありません。実は、犬が冬にたくさん寝るのは、多くの場合“自然な生理現象”。気温の低下や日照時間の短縮など、季節の変化に体が適応しようとするためです。
ただし、中には病気のサインが隠れていることもあります。今回の記事では、犬が冬に寝てばかりになる理由と、注意すべきサインについてお伝えします。

冬になると犬がよく寝るのはなぜ?
冬は体温維持にエネルギーを使うため、犬は自然と睡眠時間が長くなります。気温の変化が犬の行動にどんな影響を与えるのか、理由をわかりやすく解説します。
1. エネルギーを温存しようとするため
寒いと体温維持のためにエネルギーを多く使います。小型犬や短毛種、子犬やシニア犬は特に寒さに弱く、睡眠時間を増やすことで体力を温存しようとします。野生動物が冬に活動を減らすのと同じで、犬も冬モードに入ると休息を増やして体を守ります。
2.日照時間が短くなり、眠気が増える
冬は日が短いため、睡眠ホルモン・メラトニンの分泌が増えます。室内飼いで日光を浴びる時間が少ない犬ほど、この影響が強く出ます。
3.運動量が減ってしまう
寒いと散歩が短くなりがち。外に出る機会が減ると刺激も少なく、自然と眠る時間が増えます。飼い主さんが寒くて外出を控えることも、睡眠時間が長くなる一因です。
4.基礎代謝がゆっくりになる
冬は体の代謝が低下し、全体的に活動量が控えめになります。これも冬場に眠気が増える理由です。
5. 暖かい室内が快適すぎる
暖房の効いた部屋やこたつ、毛布など、冬は“寝心地の良いスポット”が多い季節。犬は快適な場所を見つけると、長時間そこから動かずに寝てしまうことがあります。

犬の平均睡眠時間は12〜14時間ですが、冬は1〜2時間増えても問題ありません。ただし、起きている間の様子も合わせて観察しましょう。

こんなときは注意!病気の可能性も
冬に寝る時間が増えるのは自然なことですが、以下のような変化がある場合は注意が必要です。
- 食欲が落ちている
まったく食べない、急に量が減ったなど。 - 呼んでも反応しない
大好きなおやつの袋を開けても起きない場合は要注意です。 - 体を触ると痛がる
関節炎や内臓の病気が関係していることがあります。 - 呼吸が荒い・咳が続く
心臓や呼吸器のトラブルの可能性も。 - 下痢や嘔吐が続く
体力低下が原因のこともあり、早めの受診を。
特にシニア犬や持病のある犬は、冬の体調変化が大きく出やすい季節です。

普段の睡眠パターンをメモしておくと「いつもと違う」が分かりやすくなります。
冬を健康に過ごすためのコツ
寒さが苦手な犬でも、ちょっとした環境づくりや日々のケアで冬を快適に過ごせます。今日からできる健康管理のポイントを紹介します。
1.適度に体を動かす
寒くても散歩は大切。どうしても時間が短くなる場合は、回数を増やしたり、暖かい時間帯に行くなど工夫をしましょう。室内遊びも効果的です。引っ張りっこや宝探しゲームなどで刺激をプラスするだけで、充実した時間になります。
2.室温は18〜22度を目安に
寝床は隙間風の当たらない場所へ。暖かすぎる場所はやけどの危険もあるため、犬が自分で移動できるよう温度差のある場所を作ってあげましょう。
3.食事と水分の管理
冬は運動量が減るため、カロリー過多に注意。一方、寒さで水を飲む量が減りやすいので、水分補給の工夫も必要です。
こんな症状が出たら、動物病院へ
寒さが原因で体調を崩す犬は少なくありません。放置すると悪化する可能性があるため、早めに受診すべきサインをチェックしておきましょう。
- 2日以上食事をほとんど取らない
- 水を24時間以上飲まない
- 呼吸が苦しい
- 歯茎や舌の色が悪い
- 嘔吐・下痢が続く
- 以前より明らかに動かない
これらは緊急性が高いケースもあるため、早めに受診しましょう。
まとめ
冬に犬がよく寝るのは自然な反応ですが、体調不良が隠れている場合もあります。普段の様子をよく観察しながら、暖かく快適な生活環境を整えてあげましょう。適度な運動、室温管理、食事の調整…。ちょっとした工夫で、愛犬は冬も元気に過ごせます。最後までお読みいただきありがとうございました☺




