セルフ?動物病院?サロン?獣医師が伝える「トリミングサロンの選び方」

トリミングについてですが、みなさまどうやってトリミングサロンを選んでいますでしょうか?

実は、トリミングサロンには選び方があり、ペットに合わない場所を選んでしまうことで、満足のいく結果が得られない場合もあります。

この記事では、トリミングサロンの選び方やセルフトリミングとの違い、おすすめのカットなど、トリミングに関するさまざまな疑問についてお答えしています。

「どこのトリミングサロンにしよう…」と悩んでいる飼い主様は、ぜひ読んでみてくださいね。

獣医師さとる
獣医さとる

獣医師のさとるです。獣医師としての観点で書かせていただきました。

トリミングサロンはどうやって選ぶ?

トリミングサロンはたくさんありますので、どうやって選べばいいのかは悩んでしまいますよね。

トリミングサロンを選ぶ際に最も重要なことは『通いやすい』ということです。
いくらよいとされるトリミング店であっても、移動が長時間になる場合には、動物にストレスがかかってしまうからです。

定期的に利用する場所ですので、自宅から近いということは選ぶ際に重要なポイントとなります。

また、友達や知り合いの口コミも参考にするといいでしょう。インターネット上にも口コミはありますが、一般的には、口コミは悪い情報が多く載る傾向にあります。
そのため、真にいいトリミング店かどうかは、実際に行っている人から直接お話を聞くといいですね。

そして、実際に利用したときの雰囲気も重要です。
皮膚の状態やトリミング中の様子など、トリマーとしっかり話ができるかどうか、また、トリミング店の空気感や清潔感なども実際に使用することで分かることは多いです。

獣医師さとる
獣医さとる

悪い口コミでも、少数なら気にしないようにしましょう。

トリミングサロンと動物病院のトリミングの違い

ワンちゃんやネコちゃんのトリミングを行う場合、トリミングサロンにするか?動物病院でのトリミングにするか?は悩んでしまうポイントだと思います。
どちらにも、メリットやデメリットがあり、愛犬・愛猫にあった方を選んであげる必要があります。

まず、トリミングサロンについてですが、一般的には、健康な子のトリミングを行います。自分の好みのデザインやカット方法をオーダーできることがトリミングサロンのメリットとなります。
また、トリートメントやマイクロバブルといったオプションケアができることもポイントです。比較的予約が取れやすいということもメリットのひとつですね。
ただ、皮膚病などの病気を見つけたとしてもすぐに治療ができないこと、トリミングと同時に体調チェックができないことなどがデメリットとなります。

一方で、動物病院でのトリミングは、何かしら病気をわずらっている子や高齢の子でも受け入れてくれることがメリットとなります。
心臓病や呼吸器の病気などがある場合、トリミング中に急変してしまうこともしばしばあります。そういったときに迅速に対応ができるのは、動物病院のトリミングならではです。
また、かゆみや乾燥などといった皮膚のトラブルがある場合にも、薬用シャンプーの選別やその後の治療ができるといったこともうれしいポイントです。

費用についても、動物病院でのトリミングの方が安価である傾向にあります。もちろん、美容目的でのトリミングも行うこともできます。

デメリットとしては、病気や高齢の子がメインとなるため、健康な子については予約が取りづらいこと、また、カットについてのオーダーはしづらいことがあります。

獣医師さとる
獣医さとる

自分の目的に応じて、動物病院とトリミングサロンを使い分けましょう。

自分で行うトリミング~セルフトリミングとトリミングサロンの違いについて

カットが得意な方においては、飼い主様自身でトリミングをすることもあると思います。

セルフトリミングにおいては、トリミングサロンと違って、自分の子だけをトリミングできればいいわけですので、多くの技量が必要がないことがその違いとなります。
最近では、ユーチューブなどを参考にして、自宅で行っている方も多くいらっしゃいます。

一気にやろうとせず、愛犬・愛猫の様子次第で、少しずつ行うことができることも、セルフトリミングの魅力です。
ハサミやバリカンの扱いに注意しながら行うことで、ある程度形になることも多いですが、中にはケガをさせてしまう場合もあります。バリカンで皮膚を傷つけ出血してしまった、ハサミで皮膚や舌を切ってしまったなどの事故が多いです。

無理に行うことで、動物がトリミングを嫌いになってしまうこともあるため、難しい場合にはプロにおまかせするといいですね。

獣医師さとる
獣医さとる

セルフトリミングは、あまりおすすめしません。拙い技術でトリミングを行なって、わんちゃんがトラウマになってしまうと、今後のトリミングが難しくなります。

トリミングでケガをして帰ってきた!トラブルの対処法

いくらベテランのトリマーであっても、急に動物が動いてしまった場合などには、ハサミでケガをさせてしまうこともあります。
おおよその場合、深い傷ではないことが多く、自然に治ることがほとんどですが、傷が深いケースでは治療が必要なこともあります。

その場合には、動物病院での処置が必要になりますが、トラブルを防ぐためにも、まずはトリミングサロンに確認をしておくようにしましょう。そして、患部の写真を撮っておく、獣医師に診断書をもらうようにしておくことで、記録や証拠として残すことができます。

治療の費用については、トリミングサロンに請求をすることも可能だと思いますので、双方で話し合いをするようにしましょう。

獣医師さとる
獣医さとる

まずは冷静になることが重要です。しっかりと事実を確認しましょう。

獣医師がおすすめするカットとおすすめしないカットとは?

カットには、美容目的のものと機能目的のものと2種類あります。一般的に、獣医師がおすすめするカットとしては、後者の方です。

つまり、夏は涼しく冬は暖かく、また、皮膚病がある場合には洗いやすくということがポイントとなります。当然ですが、基本的には、動物は服を着ずに生活をします。

それゆえ、季節に合った長さでカットしてあげるようにしましょう。また、皮膚のトラブルがある場合には、洗いやすく短めにカットしてあげるといいですね。

  • バリカンによるサマーカット
  • 冬場の丸刈り
  • 洗いづらいカット

などがあります。

バリカンによるサマーカットにおいては、その後に被毛が生えてこないことがしばしばあります。
原因自体は不明で、その後しばらくすると生えてくることがほとんどですが、せっかくのトリミングで毛が生えなくなることはとても残念ですよね。

サマーカット後の脱毛を防ぐためには、ハサミによるカットをしてもらえれば、大丈夫なことが多いです。また、冬場の丸刈りも風邪をひいてしまう可能性があり、おすすめできません。

ライオンカットをしているネコちゃんをみますが、その後に体調不良となるケースはよくあります。そして、毛を長く伸ばしているがゆえ、毛玉が多くできてしまう子もいます。

美容目的で長くしている子は、しっかりブラッシングをしてあげるようにしましょうね。

【まとめ】トリミングサロンの選び方~愛犬・愛猫にあったサロンを選ぼう!

トリミングサロンを選ぶ際には、自宅から近い場所で知人等の口コミがよい場所に、一度行ってみることがおすすめです。

トリミングサロンと動物病院でのトリミングには、どちらも一長一短ありますので、愛犬・愛猫にあったサロンを選ぶようにしましょう!

この記事を書いた人

獣医師さとる

麻布大学 獣医外科卒業。都内の動物病院を十数年勤めたのちに、往診獣医師として独立。高齢期のわんちゃんを中心に活動していたが、自身の病気をきっかけに引退。
現在は飼い主への相談や記事制作などの業務に携わっている。