トリミング業界を変えて、トリマーの年収を「100万円」アップする


あるきっかけで知り合ったトリマーさんが言い放った一言は、自嘲ぎみながら明るい表情で発された。

「トリマー業界、詰んでるんです」

トリミングサロンをオープンしたいと私に相談にきたAKIさんは、トリマー業界について説明してくれた。

ベテラントリマーでも年収250万円。アルバイト時給は、最低時給の1,000円程度であることも多く、近くのスーパーで仕事したほうがよっぽど稼げる。

AKIさんからは3時間ほど詳しく話を聞き、自分なりにもマーケットを勉強したうえで、翌週には2,000万円ほどの出資が必要な事業モデルを構築し【自宅出張トリミングサービス】を始めることにした。

トリマーの給与が安い理由

なぜ私がトリマー業界に参入する至ったかは後ほど語るとして、トリマーの給与が安い理由について語ろう。

トイプードルのトリミング費用は7,000〜8,000円程度。基本的には毎月カットに行くので、飼い主からするとなかなかの出費だ。

毎月、美容室に行く人も少ないだろうし、今は1,000円カットで髪を切る人も少なくないので、人間よりよっぽどお金がかかる。
この7,000〜8,000円という費用だが、トリマーからするととんでもなく安いのだ。

トイプードルを飼い主から要望を聞いて、カット、シャンプー、ブロー、爪切り、耳掃除、肛門腺絞りなどを行うと3時間ほどかかる。

職能のある専門家をまるまる3時間占有して、8,000円しか売り上がらないのである。

オーナーからすると、家賃を支払って宣伝広告費、機材・消耗品、スタッフの人件費を抜いたら、トリマーへの報酬はどうしても削らざるを得ない。

「犬なんだから、人よりお金かからないだろう」と考える人も多いだろうが、全身毛なのだから人より手間賃がかかるのは当たり前。

しかし飼い主からすると、すでに「とても高い」という印象なので値段をあげることもできない。この問題は根深く、解決が難しい。

最初のトリミング

「動物が好き」の思いが、不健全にさせてしまった

サンマが不漁になれば、サンマの値段が上がるように、給料が安すぎると働き手を確保できないために給料は上がるはずである。

しかし、「動物が好き」というプライスレスな思いを持つ人が多く、トリマーが稼げないことを知っても、トリマーになる人は多い。

それにより働き手を獲得できてしまうから、最低時給のまま給与が上がらないのだ。

さらに、トリミングサロンはペットショップ併設の数店舗程度以外は、個人レベルの店舗がほとんどであり、全国規模の企業はない。

そのため安定した給与やキャリアアップはなく、事務などの社内作業への転身も難しく、結婚出産後の復帰も難しい。

それでも動物が好きだから。待っている人がいるから。トリマーをやる。

残念ながら、その思いがトリマーの平均年収250万円の世界を作ったしまった事実がある。

トリマーの年収を「100万円」上げる

上記を解決するために、私はトリミングサービスの企業を始めることにした。

トリマーの年収を100万円あげることを目標にした。

トリミングサロンの経費構造は、おおよそ下記のとおりだろう。

経費のうち、半分以上が人件費なので本来これ以上人件費をあげるのは難しい。
サービス料金を上げられればよいのだが、なかなかそうもいかない。

経費がカットできるとすれば、残りは「家賃」しかない。これをカットするしかトリマーの収入をあげる方法がない。
当社では、売上の約80%をトリマーさんの報酬にまわす予定だ。

「自宅出張」にすることで、トリマーの収入をあげる。

自宅出張にしただけで、トリマーさんの年収を100万円アップすることはまだ難しいが、当社はそこを目標にする。

まずはトリマーさんの取り分を増やすこと。そして、次の段階では付加価値を発揮して単価をあげることで、上記の目標を目指す。単価を上げることは容易ではないので、まだ道半ばである。

もしこの記事を読んだ方が当社サービスのお客様であるなら、ぜひトリマーにチップを渡してもらいたい。
※ チップは全額がトリマーの取り分になります
※ チップはクレジットカード決済のみで、現金の授受は禁止しています

トリマーの収入をあげるべき理由

トリマーは収入が低いので辞める人が多い。「動物が好き」という想いがあっても、年収250万円のままだとさすがに辞める人も多い。

ペット飼育数は、近年減っていたのでトリマーの数が減っていてもなんとかなった。

しかし、昨今のコロナ事情でペットの新規飼育頭数が大幅に増えた。

引用:堀潤モーニングFLAG

飼育数は増えたが、トリマーが足らないので予約が取れない。自宅近くでトリミングサロンを探しても、1-2ヶ月も予約が取れないことも多い。

トリマーの収入が低く辞めてしまうので、人材が育つ機会もない。人材が育たないので、付加価値を創造することもできず新しいサービスを生み出すこともできないし、価格をあげることもできない。

トリミングサロンの予約が、いまだにほとんど電話であるように新しい仕組みをいれる余力もないし、気力も感じられない。

業界すべてが疲労感を持っている。この疲労感を脱却するには、「収入を上げる」ことが大切と考える。

「ホームトリマー」を普通の職種に

英会話教室の「ホームティーチャー」をご存知だろうか。
ECCジュニアの先生を「ホームティーチャー」と呼ぶのだが、この教室はなんと全国で1万6,000箇所以上ある。

ホームティーチャーのほとんどは、先生の自宅で運営している。もともと英会話教室にこのような文化はなかったのだが、ECCがこの文化を作って「ホームティーチャー」をひとつの職種として確立させたのだ。

「ホームトリマー」も、ひとつの職種として確立させたい。

これらのビジネスプランをいくつかのベンチャーキャピタル(出資会社)に提案したところ、株式会社ガイアックスに出資してもらうことになり「株式会社ホームトリマー」を設立した。

この記事を読んでいる方がトリマーであった場合は、ぜひ下記の採用専用のLINEアカウントを登録してもらいたい。ぜひ、当社のことをもっと知ってもらって、働きやすく効率よく収入が得られる世界を一緒に作ってもらいたい。

この記事を書いた人

山瀬 穂高

株式会社ホームトリマーの代表取締役。
株式会社リクルートで人材部門や企画開発に携わる。その後、独立して株式会社ホームトリマーを設立。「自宅出張トリミング」というビジネスモデルから、ペット事業の展開を図る。