トリミングで一番大事!ドライヤーテクニックの基本を解説

愛犬のトリミングにおいて、ドライヤーの使い方は非常に重要です。適切な方法でドライヤーを使うことで、犬の毛が美しく仕上がり、健康も維持できます。今回の記事では、飼い主さんやトリマー向けに、「ドライヤーのあて方の基本」についてお伝えしていきます。

ドライヤーを使用する前の準備

トリミング作業においてのドライングは、ブラッシング、シャンプーの工程のあとにすることが基本です。ドライングに必要な物は以下になります。

  • ドライヤー
    温度調節が可能で、風力も強く、効率的に乾かせる、物がのぞましいです。そして、音に敏感な犬もいるため、できるだけ静かなドライヤーを選ぶと良いでしょう。
  • クシ
    ドライヤーを使用する前に、ブラッシングをして毛のもつれを取ります。もつれがあると、乾かす際に引っ張られて犬が痛がることがあります。ブラッシングは、トリミングの一番最初にする作業でもあります。
  • タオル
    シャンプー後は、タオルでしっかり水分を拭き取ります。タオルを押し当てるようにして、優しく水分を取ることで、ドライヤーの時間を短縮できます。速乾性のあるタオルを使用すると、より早く水分を吸い取ってくれます。

上記以外にも、アームやトリミングテーブルがあると、ドライングが快適になります。犬は、高いところを怖がるので、大人しくなる犬も多いです。

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ドライヤーのあて方

ドライヤーをあてるときは、以下のことに気を付けながらあてます。

距離を保つ

ドライヤーを犬の皮膚から20〜30cm離して使用します。近すぎると熱くなりすぎて、皮膚を傷めることがあります。また目に風があたると、炎症を起こすことがあるので気を付けましょう。

低温からスタート

まずは低温で始め、徐々に温度を上げていきます。これにより、犬が驚かずに済みます。様子を見ながら、温風に変えるようにしましょう。

犬は人間より聴覚が発達しています。シャンプー後で疲れているところに、大きな音で慣れない風をあてられることはストレスになります。ドライヤーをあてるときは、犬から距離をとり、弱風からはじめましょう。

注意点

また、ドライング時には以下の事柄も注意しなくてはなりません。

  • 観察を怠らない
    ドライヤー使用中は常に犬を観察し、ストレスや不快感を感じていないか確認します。
  • 適度な休憩
    長時間のトリミングやドライヤー作業は犬にとって負担になるため、適度に休憩を入れることが重要です。
ひろこ

ドライング中は乾燥するので、水分補給やご褒美におやつをあげるのもいいかもしれません。

ドライヤーの具体的なポイント

ドライヤーをあてるにあたり、いくつかのポイントがあります。ここでは、トイプードルをモデルに図を見ながら部位ごとに解説していきます。ドライヤーはハンドを使用し、作業着の中にいれている状態でスタートしています。

頭部

犬をトリミングテーブルに乗せ、ドライヤーで毛を乾かしていきます。ドライングしていないところをタオルで包み、ドライヤーの風が当たらないようにします。

ドライヤーと犬の距離が近すぎると、やけどを起こすことがあるので注意が必要です。まずは、頭部からはじめます。この時、スリッカーが目に入らないように、また、温度が熱すぎると、目を傷つけてしまうため注意が必要です。

胴体

ドライヤーの風圧で、被毛が分かれて皮膚が見えるくらいにあて、毛の流れを作ります。その方向でとかすようにしていきます。スリッカーのピンに毛を引っかけて、カール状の毛を伸ばしていきます。

ドライヤーの位置と、風のあてかたを図のようにします。トイプードルは、巻きが強いため素早く伸ばしていかないと、フワフワした仕上がりにはなりません。

四肢

四肢は、逆毛にしながら乾かしていきます。逆毛にすることでボリュームが出て可愛い仕上がりになります。もし、乾燥して毛が縮れた状態になってしまったら、ぬるま湯をスプレーに入れて吹きかけて、再度ドライングし、しっかり伸ばすようにしましょう。

尾は先端から付け根に向けて乾かします。尾は、神経が敏感になりやすい箇所でもあるので、引っ張らずに優しく持ち上げて乾かしましょう。

目の周り

目の周りは、コームの細目を使います。このとき、目を傷つけないように正しい位置でコームを入れましょう。風は、頭上から弱風をあてるようにして、直接目にあたらないようにします。

最後に、全身を乾かしたら、体の粗熱をとるために冷風をあてるようにしてください。全部の部位にいえますが、風の向きとスリッカーの動きを同じ向きで乾かしましょう。

ドライヤー後のケア

ドライヤー後は、再度ブラッシングをして、毛並みを整えます。このとき、毛玉やもつれがないかもチェックします。皮膚に異常がないか、乾燥しすぎていないかなども確認します。赤みや乾燥が見られる場合は、保湿用のスプレーやクリームを使用します。

まとめ

今回の記事では、犬のドライヤーテクニックについてお伝えしました。犬のトリミングにおけるドライヤーのあて方は、犬の健康と美しい毛並みを保つために非常に重要です。適切な準備と技術を身につけることで、犬もトリマーもストレスなく作業を進めることができます。この記事を参考に、安全で効果的なドライヤーの使用方法をマスターしましょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。