簡単だけどトラ刈りになりやすい?【ヨークシャテリアのサマーカット】手順を解説!

ヨークシャテリアは、柔らかくてきれいな被毛と、凛とした強い性格から多くの人々に愛されています。しかし、夏場になると、その豊かな被毛が暑さの原因になることがあります。そこで、涼しさを保ちながらもスタイリッシュな外見を維持するための「サマーカット」が必要です。

今回の記事では、柔らかい被毛がゆえに、カットが難しい?ヨークシャテリアのサマーカットの手順とポイントを詳しく解説します。

関連記事

準備を整える

まずは必要な道具を揃えましょう。以下が必要になります。

  • バリカンと替え刃
  • ハサミ(ストレートシザーとカーブシザー)
  • ブラシとコーム
  • 爪切りと爪やすり
  • シャンプーとコンディショナー

今回の記事では、ヨークシャテリアのサマーカットについて解説するので、下準備の詳しい工程などは省略します。下記の記事で、道具について解説しているので、ぜひご覧ください。

関連記事

シャンプーとドライング

カットを始める前に、まずヨークシャテリアの被毛をシャンプーで綺麗にしましょう。シャンプー後は、コンディショナーを使って、被毛を柔らかく保ちます。その後、丁寧にドライング&ブラッシングを行い、もつれや絡まりを解消します。

関連記事

ヨークシャテリアのサマーカット手順

いざ、本題のヨークシャテリアサマーカット手順です。下記の図は、以前学校の授業で使用していた、プリントから抜粋しています。文字が見にくいため、以下に解説を記述していきます。

体のカット

ヨークシャテリアの被毛は、シルキー状のため整えにくいです。そのため、全身にバリカンをかけたほうが、きれいに仕上がります。また、ハサミで余分な毛を切る際は、シザーのあとがトラ刈り状に残りやすいため、カットの際は、スキばさみを使用することで失敗が少なくなります。

  • 背中と脇腹:バリカンを使って背中から脇腹にかけて均一に刈ります。刃の長さは3.5.6mm程度で短めに揃えると綺麗に仕上がります。
  • お腹と内股:お腹や内股も同様にバリカンで短く刈ります。この部分は特に暑くなりやすく、またケガもさせやすいので、丁寧に行いましょう。お腹は0.5~1mmで、内股は2mmくらいでかけると、ちょうどよくなります。

四肢と尾のカット

四肢はバリカンで、尾はハサミを使ってカットします。以下のポイントに注意してください。

  • 四肢:バリカンをかけて、残った毛をスキはさみでカットします。四肢の毛は自然な形を保ちながらも、長さを整えます。特に関節部分は動きやすさを重視してカットします。
  • 足先:足先は丸くカーブシザーなどで仕上げると可愛くなります。足裏のバリカンを入れたときに、範囲を広くとりすぎると通称『下駄足』になるため、注意が必要です。下駄足はカッコ悪い印象になります。
  • :尾の毛は少し長めに残しつつ、整った形にカットします。尾先は丸みを帯びた形にするのが一般的ですが、とがらせても可愛いです。

顔周りのカット

顔周りは特にデリケートな部分なので、慎重にカットします。以下の手順で行いましょう。

  • 目の周り:目の周りは、コームで前方へとかし、目の上にわずかな『ヒサシ』ができるようにカットします。眉毛の部分は少し長めに残してアクセントをつけます。
  • :耳の飾り毛は、スキはさみで整えます。耳の先端部分は、二分の一を1mmで並み刈りにし、フチの部分はシザーで整えます。
  • 顎下ライン鼻先から耳の付け根後ろにつなげ、半円型を作ります。このとき、耳の飾り毛を顎ラインにつなぐように整えます。こうすることで、全体的なバランスが良く見えます。輪郭部分を削りすぎると、シャープになりすぎてキツネみたいになるので、スキはさみで様子を見ながら進めるようにしましょう。

最終チェックと仕上げ

最後に全体のバランスをチェックし、必要に応じて微調整を行います。爪切りや耳掃除もこのタイミングで最終チェックしましょう。全体が整ったら、再度ブラッシングを行いながら余分な毛をドライヤーで飛ばします。

ひろこ

ヨークシャテリアの被毛は、シルキー状でとても美しいですが、トリマー泣かせでもあります。一度ザクっと切り込んでしまうと、もう取り返しのつかないことになります。トリマーのみなさんは、失敗したときにどんな工夫をしていますか?そして、顔を丸にするのがとても難しい…

サマーカットのメリットと注意点

サマーカットは見た目の美しさだけでなく、ペットの健康にも良い影響を与えます。涼しさを保つことで熱中症の予防にも繋がるのです。しかし、皮膚が露出するため、日焼けや皮膚病に注意が必要です。外出時には皮膚に負担をかけないように、日陰を探しながらお散歩に行きましょう。

まとめ

ヨークシャテリアのサマーカットは、見た目の美しさと涼しさを両立するための重要なケアです。今回ご紹介した手順を参考に、愛犬の快適な夏をサポートしましょう。カットに自信がない場合は、プロのトリマーに相談するのも良い選択です。愛犬の健康と幸福を第一に考え、適切なケアを心掛けましょう。

プロのトリマーさんは、いまがトリミング繁忙期真っ最中ですよね?ヨークシャテリアのサマーカットの参考にしていただけたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。