実は簡単?!犬の肛門腺のお手入れ方法と注意点とは?

愛犬の健康管理において意外と見落としがちなのが、肛門腺のケアです。実は、きちんと手入れをすることでトラブルを未然に防げるのです。しかし、どのようにして行えばいいのか、また注意点は何かは意外とわからないですよね…。

今回の記事では「犬の肛門腺の基本知識」と「自宅でできる手入れ方法」を解説し、愛犬の健康を維持するためのポイントをご紹介します。

犬の肛門腺とは何か?

愛犬たちにも人間と同じように、体を健康に保つための様々な器官があります。その中のひとつが「肛門腺」という臓器です。一見しただけでは、なかなか居場所を知ることができないですが、とても重要な役割をもっています。

犬の肛門の両側に位置しており、健康上の問題を防いでいるのです。この腺が発した信号により、体調の異常を早期にキャッチすることもできるため、肛門腺の基本についてはしっかり知っておく必要があります。

肛門腺の機能とは?

犬の肛門腺の主たる機能は、特殊な匂いを発する分泌液を生成することです。この匂いは縄張りを主張したり、他の犬への身元情報を伝達する役割があります。

肛門腺から出る分泌液は、犬が便をする際に少量ずつ絞り出され、肛門周辺にその匂いを残します。しかし、肛門腺の分泌液が適切に排出されない場合、腺が詰まり、感染することもあるのです。

結果として炎症や膿をもつ肛門腺炎が発生することがあります。そのようなトラブルを防ぐため、または既に発症している場合の対処法を知ることは、犬の健康管理に不可欠なのです。

肛門腺トラブルの兆候と症状

犬の肛門腺のトラブルは、飼い主さんが最初に気づくことも多いです。以下の行動をしている場合は、注意が必要となります。

  • 愛犬が床にお尻をこすりつける
  • 肛門周囲を舐める
  • お尻を気にして振り返る

これらの行動をしている場合は、肛門腺に何らかの問題が発生している可能性があります。また、肛門腺が正常に機能していないと、肛門周辺で腫れや赤みが見られたり、強い臭いがするようになったりします。この症状は、肛門腺が詰まり感染しているサインかもしれません。早期発見と対処は、炎症が慢性化するのを防ぎ愛犬の苦痛を軽減します。

ひろこ

肛門腺がたまっているときは、床にお尻をこする仕草をすることが多いです。愛犬の様子がおかしいと感じたら、迷わず専門家に見てもらいましょう。

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自宅でのケア方法

自宅で愛犬の肛門腺のケアを行う際には、準備と手順が必要です。肛門腺の手入れはデリケートな作業で、愛犬のストレスを最小限に抑えるために慎重に行う必要があります。ここでは、愛犬の肛門腺ケアを効果的に行うためのポイントをご紹介していきます。

1. 必要な道具の準備

肛門腺絞りには、以下の道具を用意しましょう。

  • 手袋: 衛生的な作業のために使い捨ての手袋を用意する。
  • ペーパータオル: 分泌物を拭き取るためのペーパータオルを用意する。
  • 消毒液: 作業後に肛門周囲を清潔に保つための消毒液を用意する。肌に優しい成分のものを選びましょう。

上記の道具を準備したら、次は肛門腺を絞ってみましょう。手順は以下になります。

2. 肛門腺絞りの手順

肛門腺の手入れはデリケートな作業ですから、正しい手順を踏むことが大切です。

  • 犬をリラックスさせた状態で、床やテーブルの上に安定させる
  • 十分な光を確保する
  • 清潔な手袋をつける
  • 肛門の周りの毛を押し退けながら、肛門の左右にある肛門腺を探す

肛門周りはデリケートですから、触られるのを嫌がる可能性があります。まずは、犬をしっかりと固定して、声掛けなどをしてリラックスさせて下さい。

暗い場所でおこなうと、絞ったときに飛び散ることがあるため、十分な明るさも必要となります。手につかないように手袋をつけることも大切です。

肛門腺は肛門の下、4時と8時の方向にあります。親指と人差し指を肛門下におき、つまむようにしてゆっくりと圧をかけることで、肛門腺の内容物を絞り出すことができます。

ここでのポイントは、あまり強すぎる圧を避けること、犬が痛がらない程度に圧をかけることが重要です。

ひろこ

肛門絞りのやりかたにはコツがあります。でにくい子もいるため、無理に絞り出そうとはせず、できないときはトリマーや、獣医師、看護師にお願いしましょう。

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絞りの頻度とタイミング

絞りの頻度は個体によって異なりますが、一般的には4週間から6週間ごとに行います。また、犬が肛門部をなめたり、お尻をこすりつける行動が見られる場合は、肛門腺が詰まっている可能性があるため、早めに手入れを行います。

ご自宅でのケアが難しい場合は、トリミング施設にお願いしましょう。

食事と肛門腺の健康維持の関係

肛門腺の健康を維持するためには、食物の質に配慮した献立が求められます。食物繊維を適切な割合で含む食事は、消化器系の健康を促し、排便を正常に運ぶ上で欠かせない役割を果たします。また、肥満は肛門腺の圧迫につながるため、体重管理をすることも大切です。

適切な食事が、肛門腺の健康を支える栄養を提供し、臭いの原因を抑制するのです。例えば、オメガ-3脂肪酸を含むフードは、炎症を抑える効果があり、肛門腺のトラブルを防ぐ手助けとなるでしょう。食事の見直しで、愛犬の生活をより快適にし、臭い問題も解消する道を探していきましょう。

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まとめ

今回の記事では、肛門腺絞りについてお伝えしました。肛門腺ケアを適切に行うためには、正しい知識と手入れの技術が必要です。まず、肛門腺の位置と機能についての理解を深め、絞り方の手順やその頻度を覚えることが大切です。

最初は獣医師やトリミングにケアの方法を教わりながら、自宅でのケアにも挑戦してみるのがよいでしょう。愛犬の健康と、幸せを第一に考えた肛門腺ケアを行うことで、病気のリスクを減らし、互いの絆を深めていきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺

この記事を書いた人

トリマー ひろこ

大学卒業後、「走れ!T校バスケット部」作者のもと、アシンスタントとして勤仕。数年後、昔から夢だったトリマーを目指し専門学校に入学。JKCトリマー・ハンドラー資格取得。トリミングサロン、動物病院、個人店経営の経験後、現在は母校の専門学校で運営の手伝いをしながら、記事を制作。18歳の息子をもつシングルマザー。