ただでさえ難しい人間関係…。トリマーの世界は、一般職より過酷な職場環境にあるかもしれません。
このページでは、トリマーの大きな悩みである「トリミングサロンでの人間関係」にフォーカスしてお伝えし、また働きやすい職場を作るための対策をお伝えします。

なぜトリマーは「人間関係」に悩むのか
私も現役トリマーですが、社会人経験を経てトリマーになりました。なって思ったことは、「トリマーの世界は狭くて閉鎖的」。
そして、“THE女の世界”!!(笑) 昭和の体育会系のノリも残っている印象があります。トリマーは、ペットを飼う上でなくてはならない仕事です。
美容と健康のためだけではなく、命を預かる大切な仕事でもあります。動物病院に勤務していた時、実際にトリマーが病気を発見して命を救った現場を見てきました。
一見、可愛い動物に囲まれて楽しく華やかに見える職業ですが、トリマーが抱える悩みは奥深いです。離職率が高いのにも理由があります。
では、どんなことで悩んでいるのかご紹介していきましょう。
よくある悩み
- 犬の扱い・保定の仕方
- 労働環境
- 福利厚生
- 健康問題
- トリミング中の怪我
- トリミング時間
- 売上・経営について
- ノルマ・指名制度
- 接客、電話応対
- 予約管理
- クレーム対応
- 人間関係
などなど、あげたらキリがありません。トリマーなら、この単語を見て「うんうん」と頷いてくれるかもしれません。どのトリマーも、一度は悩み、苦しんだ経験があるのではないでしょうか。
この中でも、やはり最後の“人間関係”の悩みは大きいです。
トリミングサロンはただでさえストレスが多い
職場環境にもよりますが、狭いトリミング室だと余計にストレスを感じるのではないでしょうか。
それに加えて、暴れ犬、噛みつき犬、鳴き声が尋常ではない犬、などが存在します。(他の犬の負担になる犬もいるのが現実です)
新規のお客様だと、「どんなワンちゃんなんだろう?」「飼い主さんは自分のカットに満足してくれるかな?」など不安になることもあります。
トリミング作業はストレスの連続です。イライラして心に余裕がないときに、人は人を傷つけてしまいがちです。私の個人的な意見ですが、トリマーになる人は心優しい人が多いです。
ですが、“人とのコミュニケーションが得意ではない人”が多いのも事実です。トリマー同士で言い争いになってしまうケースもあり、ストレスを感じることが多いのです。
まずは、トリマー間でのコミュニケーションを大切にすることが重要です。「おはようございます」の挨拶からはじめてみてはいかがでしょうか?慣れてきたら、「〇〇ちゃん今日すごくお利口でしたよね」など、今日あった出来事を気さくに話題にだすのもいいかもしれません。“言葉がけ”があると、会話がはずむ可能性があります。
なぜ人間関係が悪くなるのか
犬の扱いが上手なトリマーは、犬の気持ちを理解し、素早く無駄がないカットをします。トリミング時間も短く、全てがスマートです。
私の知り合いで、ご高齢のトリマーさんがいます。今でも、現役で頑張っている姿を見ると勇気づけられます。何歳になっても学び続けている姿はかっこいいですね。私も、そんなかっこいいトリマーになるために日々勉強中です。
しかし、現実はそんな憧れる、素敵なトリマーさんばかりではないものです。技術向上を目指さないで、ただの惰性でトリマーをしている人がいるのも事実です。そういうトリマーは、溜まったストレスを弱い立場の人に向けることがあります。
私は学校をはじめ、サロン、動物病院、派遣、シッター、保育園、と多種多様な職場を見てきました。そんな人は、一定数存在します。今は男性トリマーも増えましたが、やはり女性の世界なので陰湿ないじめ?はありますね。
私もそのいじめ?を経験しました。シングルマザーで時間の融通が利かないため、陰湿なことをされたのです。
周りのトリマーも「経験したことがある」と話を聞きます。その話を聞く度に、胸が締め付けられて苦しく、心を痛めます。
どうすれば“いじめ”がなくなるかは、私たちが生活するうえで“永遠のテーマ”なのかもしれません。主観ですが、人が生きてる以上なくならないのではないでしょうか。
では、せめてこの状況を避け、楽しく働きたいので対策を考えてみました。

職場での「人間関係」への対策
強い人はよく「立ち向かっていけ!」と言いますが、皆が強いわけではありません。立ち向かう勇気がない人だっています。
「受け流せ!」とアドバイスをくれる人がいますが、深く考える人は、そう簡単に受け流すことができません。「どこにいっても同じことは繰り返されるよ!」と追いつめられると、どうしていいか分からず、つい逃げたくなりますよね。

辛いときは我慢する必要はないです。体を壊しては、働いている意味がありませんよね
。無理しないのが一番です!
どうしても、勤務することが厳しい場合は、退職の検討をおすすめします。苦しいのに、その場に留まっている必要はありません。
しんどいのに、頑張り続けた結果、私は子宮を悪くしました。ストレスが原因です。何のために働いているかを考え直しました。
考えた結果、自分の中で一つだけ“絶対にブレない目標”を決めて、「それが達成出来たら辞める!」という結論に至りました。何も得られないまま辞めてしまったら悔いが残るし、技術が上達したら、意地悪をした人たちへの“復讐?”になるからです(笑)
ですが、どうしても精神的に辛くて、次の日に出勤できない状態まで苦しんでいるなら、即辞めてください。あなたの代わりはいません。「自分を守れるのは自分だけ」です。“絶対にブレない目標”は何でもいいです。
例えば、「後肢のカットが完璧にできるようになるまでは辞めない」、「マズルの形を楕円型にするまでは辞めない」、「同じ職場のカットが上手な人の技術を習得するまでは辞めない」など。
働いている期間は、短くても長くても関係ありません。本当に小さなことでいいのです。転職だって何十回してもいいのです。
自分の中で決めた目標を達成できたら、即日辞めてもいいのではないでしょうか。昔の考えで、「最低3年以上いないと技術が身につかない」や「忍耐がなくすぐ辞める堪え性がない」など
否定的な意見がありますが、目標なく無駄にダラダラ留まるよりは、目標を明確にし、達成したら次のステップに進む方が、よっぽど生きている“実感”が得られるのではないでしょうか。
ただし目標を決めて、達成のタイミングで退職する。

技術向上がトリマーの財産になる
そうこうしているうちに、技術は“確実に”身についていきます。そして、一度身についた技術は絶対に忘れないように努力しましょう。
可能ならば、自身が尊敬できる「師匠」を作ったほうが、技術向上に繋がります。学校の先生でも、先輩でも、有名なサロンで働きながら学んでいくのもいいですね。今の世の中、SNSでトリミング動画を見ることができます。
色々な動画があるので、学ぶこともたくさんありますが、自分の“弱み”を細かく理解するのは、直接指導を頂いたほうがいいでしょう。基礎を学んだうえで、自己流でアレンジしてもいいのではないでしょうか。

基礎はとっても大切です。いまだに知らなかったこともあるので、毎日が勉強ですね。
例えば、「トリミング時間がかかりすぎる」と悩んでいる人は、プードルなどの犬種以外で、比較的おとなしい犬には、ドライ中に“爪切り”や“耳掃除”をすると、だいぶ時間短縮になります。同時進行で進めていくと素早く終わらせることができます。
まとめ:自分を大事にしつつ、技術を手放さない
私もまだまだ勉強中です。技術職には終りがありません。志高いトリマーさんとともに「素敵なトリマー」を目指して頑張っていきたいです。
- 人間関係に悩んで苦しかったら、辞めることに自己嫌悪を抱かずすんなり辞める
- ただし、精神的に余裕があるなら目標達成まで踏ん張る
- 逃げることは逃げにならない
- 面接や研修の時に経営者、スタッフをよく観察して見極める
- 自分を信じて一度習得した技術を絶対手放さない
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