「あっ!やってしまった!」「どうしよう…」「誰かに相談しなくては」
トリミング中に、トリマーがヒヤッとした瞬間は一度や二度ではないはずです。トリマーの失敗は数知れずありますが、なかでも「カット」での失敗はクレームにつながる大失態ですよね。
落ち込むことやパニックになることも多いのではないでしょうか。今回の記事では、トリマー“あるある”の「カットハプニングとその対策」についてお伝えしていきます。

バリカンでの失敗
ミリ数
新人の頃は失敗が怖いので、バリカンの刃をよく確認して、慎重に使用するものです。怖いのは慣れてきた頃です。前回使用したミリ数のまま、うっかりかけてしまった!なんてこともあるのではないでしょうか。
ミリ数が短いほど、一度入れてしまったバリカンの跡を修復するのは至難の業。不可能に近いのです。忙しいときはベテランでも確認を怠ってしまうことがあります。
ミリ数があっていたとしても、入れる場所を間違えることは、あるあるの一つです。例えば、「体6ミリ四肢10ミリ」で入れるはずが、誤って「全身6ミリ」で入れてしまったなどのミスは結構多いのではないでしょうか?
飼い主さんのイメージは、体が短く四肢はふんわりカットをイメージしているのにもかかわらず、全身スッキリとしたイメージになってしまい、理想のカットには程遠い仕上がりになります。
対策
この場合、短くなった被毛は元に戻らないので、素直に謝罪しましょう。謝罪したうえで、次回来店するときにサービスをしたり、割引などの特典をつけて誠意をみせるようにしましょう。
ケガ
以前の記事で、バリカンの入れ方でケガをさせてしまうお話をしましたが、足裏(パット)や足バリのときは要注意です。新人のときは時間配分がうまくいかないので焦りがちですよね。
そんなときに事故は起きます。皮膚が弱い犬は、少しあたっただけでも血がでてしまうのです。
対策
犬の皮膚状態をよく確認して、バリカンの角度に気をつけながらいれるようにしましょう。
ハサミでの失敗
慣れてくると、ストレートバサミ(仕上げ)でザクザク切れますが、はじめの頃はハサミの使い方がうまくいかず時間がかかりますよね。失敗したくないので、ついスキバサミばかりを使用するのは、トリマーなら誰もが経験していることではないでしょうか。
すきバサミで切ると、失敗は少ないです。しかし、全体を見ないと局部的に切りすぎてしまうことがあります。ハサミに慣れて自信がつくと、ストレートバサミを使いがちですが、不注意で穴が空いてしまうことも。余裕はあっても、油断はあってはならないことなのです。
対策
穴をごまかそうと、さらに切りすぎると余計におかしなことになります。この場合はスキバサミでうまく修正するしか方法はありません。多少時間がかかっても、ハサミの動かし方を丁寧に確実にしましょう。

イメージの相違
愛犬を可愛くカットして欲しいと、飼い主さんはSNSなどから選んだ画像を提示しますよね?トリマーはオーダー通りに仕上げたつもりでも、飼い主さんから見たら「あれ?イメージと違う」なんてことがよくあります。
なぜ、このようなことが起きるのか…。
それは、「カウンセリングの時間が少ない」ことが原因なのです。トリマーは日々たくさんのカットをしているので、イメージを聞いて「だいたいこんな感じかな」と想像がつくものです。
しかし、これが間違いのもとなのです。例えば、飼い主さんから「丸くて可愛い尻尾にしてほしい」とオーダーがあったとします。
トリマーは、犬のバランスを見てカットしますが、飼い主さんは、「もう少し小さい尻尾が良かった」と思うかもしれません。この場合、尻尾の大きさの相違があったことになります。
トリマーと飼い主さんのイメージの食い違いによって、結果的にオーダーと違う、可愛くないカットになってしまうのです。
対策
カウンセリングに時間をかけて、イメージの相違がないよう具体的に質疑応答するといいでしょう。

犬の絵が書いてあるカウンセリングシートがありますよね?絵が書いてあると、部位によって細かく書き込めるので、個人的にオススメです。
揃えカットの基準は?
「全体的に揃えて」とオーダーを受けたことはありませんか?私がトリマーになりたての頃は「揃えってどれくらい切ったほうがいいのかな?」と悩んだ時期がありました。
揃えカットのオーダーは、トリマーからみたら案外難しかったりします。スキバサミで全体を揃える程度でいいのか、ストレートバサミできっちりとカットしたほうがいいのか。
好みによって、大きく変わりますよね。飼い主さんは、具体的に「何センチや何ミリ」など詳細が分からない事が多いです。飼い主さんによって揃えの基準が異なります。この場合も、お互いに相違がないようにしなければなりません。カウンセリングを間違えると失敗のもとに…。
対策
「何センチ切ると、このぐらいの短さになる」など、細かく飼い主さんがイメージできるように説明するといいでしょう。
まとめ
今回はトリマー目線での「カット失敗談」をお伝えしました。飼い主さんとイメージの相違がないよう、カウンセリングをじっくりすることは大切なことですね。
飼い主さん側も、イメージが伝わっているか疑問に思ったら、その場ですぐに確認することでカットの失敗を避けることができます。トリマーは常に、満足いくカットをしたいと思っています。
飼い主さんの喜ぶ顔を見るのが本当に嬉しいのです。お互いが笑顔になれるトリミングになるといいですよね。