長きにわたって人気がある「トイプードル」。不動の人気No.1と言っても過言ではありません。一概に、トイプードルと言っても、千差万別ですよね。町中で見るトイプードルの種類は様々です。
今回の記事では、そんなトイプードルの“ご家庭でできるトリミング方法”や“お手入れ方法”をご紹介します。
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トイプードルって?
トイプードルは、第9グループ(愛玩犬)に分類され、家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬種です。フランスが原産国で、水辺での狩猟犬として親しまれていました。
トイプードルの種類
古い歴史があるトイプードル。一体どんな種類があって、被毛などはどの様になっているのでしょうか?
被毛
被毛は比較的堅く、非常に豊富なカーリー・コート(しっかりと巻いた被毛)コーデッド・コート(縄状の被毛)が密生しています。
トイプードルをトリミングする上で、重要になるのが“被毛”です。被毛をキレイに伸ばして、コーミングすることがキレイにカットするコツなのです。プロのトリマーも、巻きやすいトイプードルのドライングには苦労しているものです。
毛色
毛色は、キレイで1色毛であることを理想とし、全色で10種類あります。
- ブラック
- ホワイト
- ブルー
- グレー
- ブラウン
- アプリコット
- クリーム
- シルバー
- シルバーベージュ
- レッド
10種類のカラーがあり、同色内の濃淡があります。馴染みがあるのは、レッドやアプリコットで見かけることが多いかもしれません。サロンや病院に来店する飼い主さんも、やはりこの色のトイプードルが一番多い気がします。
トイプードルのサイズ
サイズは全部で4種類に分かれます。
- スタンダード・プードル…体高45~60cm
- ミディアム・プードル…体高35~45cm
- ミニチュア・プードル…体高28~35cm
- トイ・プードル…体高24~28cm
この中でも、一般的に馴染みがあるのは「トイ・プードル」です。体が小さくて、愛らしいサイズです。室内でも飼いやすく、色々なカットを楽しむことができます。カットが豊富なため、トリマーも日々勉強しながら新しいカットを覚えています。
まとめ
- 被毛は、カーリー・コートとコーデッド・コート
- 毛色は全10色
- サイズは全4種類
トイプードの中にも、様々な種類や色がありますね。みなさんは好きな色や種類はありますか?私はスタンダード・プードルのホワイトが可愛くて大好きです☺
トイプードルのトリミング
トイプードルの種類などを知った上で、次はトリミング方法についてお伝えしていきます。
順番は以下の手順になります。
- 下準備
- シャンプー
- ドライ
- コーミング
- カット
順番が前後しても問題はありません。お手入れしやすい手順で素早くできると、ワンちゃんにも負担が少ないでしょう。
トリミングの下準備
下準備とは、以下の手順のことを言います。
- 爪切り
- 耳掃除
- 足裏バリカン
- 肛門周り・腹バリカン
下準備を終えてからシャンプーに入ることが多いですが、はじめにシャンプーから入って、ドライ中に爪切りなど同時進行で終わらせる方法もあります。
爪切り
トリミングサロンでは、カットだけでなく爪切りや耳掃除だけを依頼する飼い主さんもいます。特に、爪切りは血管があるので、怖くてできないと話す飼い主さんが多いです。
私も、トリマーになりたての頃は、怖くてあまり切ることができませんでした。数をこなしていくうちにコツを覚えて、少しずつできるようになります。
爪切りは、最初に目安を決め平行に切ります。その後、角を切り落とすイメージで斜めに切っていきます。血管が近くなると、柔らかく湿っている箇所にたどり着くので、その時点で切るのをやめてください。
少々長くても、ヤスリをかけていくと短くなるので問題ありません。はじめのうちは短く切りすぎないようにしましょう。
ヤスリがけも重要で、抱っこをしたときにヤスリが甘いと、飼い主さんの皮膚を傷つけてしまうことがあります。しっかりとヤスリをかけることをオススメします。
いまは、電動のヤスリ機も販売しているので、ヤスリが苦手な方は購入してみるのもいいかもしれません。犬も爪切りが苦手なコが多いので、最初から完璧にこなそうとはせず少しずつ慣れていきましょう。
耳掃除
耳掃除のまえに、耳毛を抜く必要がある犬種は耳毛抜きをしましょう。耳毛用のハサミなどがありますので検索してみてください。
カンシで抜く方法もありますが、嫌がって動くとケガの原因になるので、トリマーや看護士、獣医師に相談しましょう。耳掃除は、カンシにガーゼを巻いて、専用の耳洗浄剤をつけて掃除していきます。綿棒に直接洗浄剤をつけるのもいいでしょう。
マラセチア外耳炎などの持病があるコは、ご家庭でのお手入れもいいですが、トリミングサロンや病院などで耳の病気に特化した薬用シャンプー剤を使用することをオススメします。不安なときは、プロにお願いするのも一つの手です。
足裏バリカン
ご家庭にバリカンはありますか?いまは、ネットで色々な種類のバリカンを購入することができます。ご家庭でバリカンをかける場合、足裏に特化したバリカンを選ぶといいでしょう。
例えば、0.5mmや1mmの小さなバリカン(ミニバリカン)があります。細かい毛を刈ることができるので、小回りがきくので一つ購入しておくと良いです。毛を刈る際は、バリカンの刃を皮膚に平行にあてるとケガをさせにくいです。
肛門周り・腹バリカン
足裏に使うバリカンと同様、細かい毛を刈ることができるのでミニバリカンで肛門周辺やお腹周りの毛を刈るケガをさせにくいです。肛門周辺はハの字でかけ、腹バリカンは皮膚を傷つけないように皮膚に平行にあてるようにしましょう。
- 爪切りは血管近くで止める
- 耳掃除はカンシか綿棒で
- 肛門周辺、腹バリはケガをさせないように皮膚に平行に
もし、「爪切りが怖くてできない」「耳掃除も不安」「バリカンを使うのに抵抗がある」など、心配ごとが少しでもあるなら、無理をせずプロにお任せすることをオススメします。暴れるコや、持病があるコは保定が必要なので同様です。一番は、犬に負担をかけさせないことです。
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シャンプー
シャンプーをする際は、どの犬種に対しても鼻と耳に、水やお湯が入らないように注意しなければなりません。
また、シャンプー剤が目に入ると病気の原因になるので、万が一入ってしまったら水やお湯でよくすすいでください。すすぐのが難しいようなら、点眼薬で洗い流すのもよいです。
お湯で被毛をよく濡らし、シャンプー剤はボールやネットを使ってよく泡立て、全体に泡が浸透するようにしましょう。洗うときに爪を立てたり、力を入れすぎてゴシゴシ洗うと、犬のデリケートな皮膚を傷つけてしまうので気をつけてください。
2回程洗ったら、トリートメントをつけて洗い流します。
ドライング
ご家庭に、ハンドドライヤーはありますか?トリミングサロンや病院でもハンドドライヤーを使って乾かすことがあります。
トイプードルの被毛は、非常にカーリーですぐに毛が巻いてしまうので、素早く伸ばさなければなりません。全体を一気に乾かすのではなく、一箇所を完璧に乾かしてから次に行くようにするとキレイに乾きます。
このとき、「スリッカー」と呼ばれるクシを使いながら乾かしていきます。初めから、スリッカーを上手に使いこなすことは難しいので、徐々に慣れるようにしましょう。
乾かす順番は、顔→頭→背中→尾→側面→手足です。水分は上から下に流れていくのを意識して、なるべく上の方から乾かすようにします。
乾かしながら毛玉も同時にほぐしていくと、後々カットが楽になります。毛玉をほぐそうと力を入れ過ぎると、皮膚を痛めてしまうので頑固な毛玉の場合はハサミでカットするか、バリカンで刈ってしまうといいかもしれません。
コーミング
コーミングとは、「コーム」と呼ばれるクシで被毛を整えることを言います。先程、ドライのときに使用した「スリッカー」とはまた別のクシになります。
「コーム」を使用して、毛玉やもつれがないか最終確認をします。皮膚と平行にコームをいれ、毛流れにそって進んでいきます。
トイプードルは、毛玉やもつれができやすい犬種なので、コーミングは大切な作業になります。カット中に毛玉やもつれが見つかると、それだけカット時間が短くなってしまいます。
トリミング時間が限られているトリマーからすると避けたいことです。ご家庭でコーミングする際も、毛玉やもつれがないか、よくコーミングすることをオススメします。
- 鼻や耳にお湯が入らないように注意する
- シャンプー剤が目に入ったら、よくすすぐ
- 被毛がキレイにのびきるよう、一箇所を集中して乾かす
- 乾かす順番は、顔→頭→背中→尾→側面→手足
- 皮膚と平行にコームをいれ、毛流れにそって進む
- カット前に、毛玉やもつれがないか確認する
カット前の、シャンプー、ドライング、コーミングはカットが可愛く決まる“要”になります。以上のことを踏まえてトライしてみてくださいね☺
カット
いよいよカットです。最近SNSで流行っている「ママミング」という言葉を耳にしたことはありますか?「ママミング」とは、飼い主さんが“セルフ”でカットすることを言います。
動画を見ながら、器用な飼い主さんに感心したり「この箇所を切るんだ!」と新しい目線で見ることができて勉強になります。
SNSで注目されるほど、セルフでのカットが流行っています。では、セルフカットする上で、押さえておきたい“ポイント”をいくつかご紹介します。
- 目周辺のカット
- 頭と耳の境目
- 足回りのカット
目周辺のカット
目周りをカットする際、プロのトリマーにも共通しますが“ハサミの向き”が重要になります。刃先は必ず「外側」に向けることを意識します。目頭は顔の印象を大きく変えます。可愛く見せるコツでもあります。
ポイントは、目頭の毛をクシでよく立毛させます。立毛しないと、ケガの原因になるので気をつけましょう。被毛は「ハサミの刃先」で切ることを心がけてください。
頭と耳の境目
顔をカットするときに、顔・頭・耳をパーツごとに分けてカットすると、輪郭がハッキリと見えて可愛くなります。特に、頭と耳の境をしっかりカットすることによってメリハリがつき、より可愛さが強調されます。
ぼんやりとした“ニュアンスカット”がお好みの方は、ハッキリと線を入れずスキバサミなどでぼやかしながらカットするといいでしょう。
足回りのカット
足裏バリカンを終えたあとパット(足)の形に沿って丸く切っていきます。このとき、足裏からでる毛をしっかりと切るとキレイに見えるし、歩いたときに滑りにくくなります。
何度もコームを入れ、いらない毛を引っ張り出してください。指で毛を引っ張りだして切る方法でも大丈夫です。しっかりとカットすることによって、全体の印象が大きく変わります。
他の箇所が曖昧でも、足回りのラインがくっきりすることによって、なんとなく形になります。全体的に、アウトライン(輪郭)はハッキリと明確に出すことでカットが決まって見えますので、ぜひお試しください。
- 目回りのカットは、刃先の向きに気をつけながら「刃先」でのカットを心がける
- 顔・頭・耳をパーツごとに分けてカットする
- 足裏からでる毛をしっかりと切りながら、パットの形に沿って丸くを意識
まとめ
今回の記事では、「ご自宅でもできるトイプードルカット」についてお伝えしました。トイプードルといっても、種類・色・大きさはそれぞれです。カットの前には、下準備からはじまり、シャンプー、ドライング、コーミングが“カットの鍵”になります。
今回はトイプードルのカットについてお伝えしてきましたが、各犬種によってカットも様々です。他の犬種カットについては、またの機会に。最後までお読みいただきありがとうございました☺
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